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コロナ禍の需要増で、新たなバイクブーム到来!?
コロナ禍は二輪市場にも大きな影響を与えました。特に、需要増という面から見れば、2020年5月から開始された特別定額給付金(一律10万円)の支給が大きく、自動車教習所に通う人が全国的に増え、入所待ち、実技教習待ち、卒業検定待ちをする人が多く出て、「バイク免許はすぐには取れない」状態となりました。もちろん、その給付金でバイクを新たに購入する人、自粛期間中に重整備を依頼する人など、バイク販売店は活況を呈していました。
同年6月に緊急事態宣言が解除されると、自粛ムードの中でもソーシャルディスタンスを守りながら楽しめる趣味として、バイク、ツーリングに注目が集まりました。また、三密を避けるための移動(通勤・通学等)手段として、バイクを選択する人も増えました。125ccスクーターを買い求める人も多く、これには、2018年7月に開始されたAT小型限定免許取得簡便化の影響もあったようです。
こうした中、バイクの販売台数は増えていきました。コロナ禍となって初めてバイクに注目した人、久しぶりにリターンした人、公共交通機関を嫌ってバイクの利用を始めた人など、多くの人がバイクを買い求め、レブル250といった人気の新車は契約から納車まで半年待ちもざらという状況になりました。
一方、中古車のほうは、コロナ禍以前は売り・買い共に落ち着いた状況でしたが、バイク需要の高まりにより一変しました。新車が長期の納車待ちとなることを嫌ったユーザーが中古車購入に流れるケースも目立ち、あっという間にオークション在庫を含めて、中古車市場がタマ不足になりました。特に、125ccクラス以上のファンバイクの値付けはどれも跳ね上がり、それほど人気のなかった90年代の絶版車両でも売値が倍額になるなど高騰しました。
パンデミックで工場が稼働停止… バイクが足りない!
国内市場の新車販売は、ここ数年、底を打った所での低空飛行という状況でした。国内のみならず、先進国の多くでもファンバイクの需要は落ちており、メーカー各社は過剰な生産を避け、上昇機運に期待をしかけていた所でした。新型コロナウイルスのパンデミックはこんな状況で発生したのです。
すると、感染拡大の影響により、中国や東南アジアといった国々では、バイクの部品製造や車両の組み立てを行なってきた工場が次々に減産や稼働停止に追い込まれました。しまいには部品を作るための部材すら調達が難しい状態に陥り、さらには、世界的な半導体不足も合わさって、新車の供給はストップ状態となったのです。
よって、日本国内に限らず、世界的に「需要は増しているのに、供給が全く追いつかない」というのが現在の二輪市場なのです。幸いにも、デルタ株の拡散が収束に向かいつつあるので、各国の工場は順次稼働していくと思われますが、デルタ株以上の変異種が猛威を振るう可能性も否定できないので、新車の納期や中古車の高騰が落ち着くまでには、まだまだ時間がかかると思われます。
供給不足! 買取相場の高騰はまだまだ続く?
ですから、新車の供給不足の影響も受け、中古車人気はまだまだ続くと見込まれます。実際、買取相場の動きを見てみると、排気量や車種を問わずに高騰していることがわかりました。特に、タマ数(市場に流通する、ある機種の保有台数)の多い中間排気量クラスでは、400ccネイキッドバイクで、2年前に比べて112%、昨年に比べると137%も買取価格が上がっていました。
中古車市場での価値はやはり希少性のようです。バイクがたくさん売れていた80~90年代の車種は中古車市場でのタマ数も多いほうなのですが、その中でも、現在のバイクにない価値(最大出力や気筒数など)を持っていたバイクは、現在の中古車市場でも根強い人気があります。
【買取相場の動き】
複数のオークション企業の相場を平均したものです。当記事執筆時点での直近データとなる、1月1日~9月30日の平均値で、前年同期間と比較しました。
●カテゴリー別(該当機種から数機種を抜粋し算出)
2020年比 | |
ネイキッド | 137 |
スポーツ | 110 |
アメリカン | 134 |
2020年比 | |
ネイキッド | 110 |
スポーツ | 105 |
アメリカン | 111 |
トラッカー/オフロード | 120 |
●機種別(単位:%)
2020年比 | |
スズキ Vストローム250 | 109 |
ホンダ レブル250 | 119 |
ヤマハ YZF-R25 | 109 |
ホンダ CBR250RR | 104 |
カワサキ Ninja250 | 107 |
近年、軽二輪クラス(125cc超~250cc以下)でヒットしたバイクと言えば、ホンダ「レブル250(下写真)」が挙げられますが、レブル250の買取相場は他よりも伸び率が高いものでした。一方で、台数ではレブル250に及ばないものの多くのファンから支持されているホンダ「CBR250RR(コーナートップ写真)」は104%の伸びと一見低く見えますが、2019年比では113%も伸びており、2年連続で相場が上昇しています。電子技術を満載したことで新車価格の高さ(税抜70万円~)でも話題になったCBR250RRですが、買取相場もその価値に見合ったものでした。
結論 : 売るなら今! 低年式から高年式まで高値買取のチャンス!
このように、買取相場が高止まりにある今は、まさに売り時です。ほとんど乗っていないバイク、放置で劣化が進んでいるバイク、修理が必要なバイクなど、あらゆるバイクがチャンスを迎えています。これまでは大した値段がつかなかったようなバイクでも、タマ不足が深刻な今なら買い取ってもらえる可能性が高いのです。
これは、知人のバイク店主に聞いた話ですが、「今はバイクの販売時に必ず、自宅に眠っているバイクがありませんか?と聞いたり、買い取りさせていただいたお客様に、知人でバイクを眠らせているかたはいませんか?と聞くようにしている」ということでした。「今乗っているバイクは10年以上も前のモデルだから値段つかないよねとおっしゃるお客様もとても多いんです」とも。「四輪の世界ではそうかもしれませんが、二輪は全然違いますよ!20年前、30年前のバイクでも大切に乗られていれば、しっかりと査定してご納得いただける適正金額をご提示させていただきますよ。もちろん高年式車も外国車も大歓迎です!」と熱く話してくれました。
現在は、オークション市場でもタマ不足となっているような状況に加え、コロナ禍の需要増により販売好調を続けてきたバイク販売店も、いよいよ売るものがなくなってきているのです。「こんなの売れないでしょ。下取りにもならないでしょ…」という思い込みはやめて、ぜひ一度バイク買取を熱心にアピールしているお近くのバイク販売店にご相談を!