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完全なる自立バイク! ホンダはここまでやっていた!!
先日、「Honda 安全ビジョン・テクノロジー取材会」なるものに誘っていただきましたので、行ってきました。栃木プルービンググラウンド「さくらテストコース」というのが栃木県さくら市にありまして、そこはホンダが先進安全技術の開発を行うための施設です。
広さ21.5ヘクタールで、東京ドーム4.5個分に相当。広さを表すのって、難しいですよね。調べると、東京ディズニーランドが51ヘクタールとのことで、西武園ゆうえんちが21ヘクタール。う〜ん、もっとわからないじゃないかっ!
東京ドーム何個分とかって苦肉の策で、それよりわかりやすい言い方が見つからないのではないでしょうか。もし、いい表現方法がございましたら、誰か教えてください。
ハナシを戻しますと、そこで見たのが、なんとビックリ!
「自立するバイク」
です!
ホンダはヒューマノイドロボット=二足歩行ロボット『ASHIMO(アシモ)』の研究で培った独自のバランス制御技術を二輪車にも応用し、これまでも「自立するバイク」の開発を進めてきました。
初公開したのは2017年ラスベガス、世界最大の家電見本市「コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)」でのこと。「Honda Riding Assist(ホンダ・ライディング・アシスト)」はCES2017で3つの賞を受賞。このとき、ボクは思いました。
やったぞ、ホンダ!
日本の技術もまだまだ世界に通用し、先を走っていく。自社のユーチューブチャンネルでも公開され、話題となったことは記憶に新しいところです。
ハンドルを自動で動かし自立していた
このときの自立バイクは、めちゃくちゃ簡単にいうと、前輪操舵を自動制御することでバランスをとって転倒しない仕組みでした。動画を見れば分かる通り、積極的にステアリングが動き、自立しているのです。
ライダーが乗っているときだけでなく、乗っていなくても自立することができるのです。もしかしたら、乗っていない方が余計な動きを人間がしないから、バランスが取りやすいのかもしれませんね。動画の後半では、無人のバイクが人を追いかけるシーンもあります。
現状、立ちゴケ防止に効果ありそう
メリットはなんだろうかと改めて考えてみますと、二輪であるバイクってビギナーや小柄な人にとっては、立ちゴケをまず警戒しなくてはなりません。どんなに上級者でも、どんなに長身の方でも、ものすごく重い車体で、シート高がものすごく高かったら立ちゴケしちゃいます。そう、停まっているときって二輪車はとても不安定です。
そういう危なっかしい状態のときに助けてくれるのが、文字通りライディング・アシスト。今回、せっかくの機会ですから開発者にいろいろと聞きまくりました(あっ、取材っていうんですね)。
「走行中はシステムを切っておいて、速度5km/h以下=停まる寸前に作動させたらいいのではないでしょうか」と、自分の意見も言ったりします。
もちろん、開発者たちはいろいろなことをもっともっと考え想定しているので、その場で思いついたようなボクの意見に、あっと驚くなんてことはありません。でも、傍らでしっかりメモを取っていてくれたりするのは、ココだけのハナシです。きっといろいろな意見に耳を傾け、開発に活かすんでしょうね。新型バイクの試乗会でも、メーカーの開発者たちとお話できる機会があります。こうやって技術者たちと直接話せたり、意見交換するのはとても面白いこと。記事に書くべきことを取捨選択し、メディアで記事にしていくのです。
静止するバイク、一体どうなっている!?
今回、報道陣の前で公開された自立するバイクは、最初のうちはピクリとも動かぬまま、テストコースに佇んでいました。まさに直立不動。バイクにあまり詳しくない人は、サイドスタンドが出ていないことに気づきません。そのくらい違和感なく、そこでじっとしているのです。
ちなみにベースは『NM4』。電動化されていることがわかります。そして、スイングアームのあたりに何やら従来のバイクとは違う機構が備わっていることがわかります。
ホンダ開発チームがデモ走行を始めようとすると、記者から次々に質問が投げかけられます。
「こっ、これ、どうなってるんですか?」
そう、いったいなにが起きているのか、わからないのです。スタンドもかかっていない状態にも関わらず、バイクが静止したままじっとしている。
これがもう驚愕なのです!
「バイクを押してみてください」
と、リクエストすると、バイクが勝手に自動でバランスをとって倒れることなく自立し続けます。
このとき、ステアリングはほとんど動かず、車体のリヤ側でこまめにバランスを取っていることがわかりました。CES2017で発表したものとは明らかに違うのです!
ライディングアシスト2.0へバージョンアップ!
サーボモーターを用いた車体・後輪揺動機構が新たに開発され、前輪操舵アクチュエーターによるステアリング制御と合わせ、車体をバランスさせます。
前輪の操舵と車体のロールでバランスをとる
「ライディングアシスト2.0」
なのです!
簡単なハナシ、人間も知らずうちにやっているのかもしれませんが、倒れそうになった方向と反対側へ車体を動かし、復元力を発生させるそうです。
開発ライダーがデモ走行し、時速わずか2km/hで八の字走行してみせたり、足をつかないままストップしてみせたり。もう驚きの連続です!
「両手両足を離してください!」
というリクエストにも応えてくれるのです。
スゴイんですけど、こういうのって文章と写真だけではなかなかわからないし、伝わりませんよね。
さぁ、動画の出番です。ぜひご覧ください!