クアルタラロの王座獲得、ロッシの引退。ヤマハ勢が話題をさらう中、ジワジワと実力を高めているドゥカティ。そしてホンダの反撃は…? 早くも気になる’22シーズンの行方を、最速考察!
●文:ヤングマシン編集部 ●監修:青木宣篤 ●写真:MotoGP.com
どこへ行くのかホンダ…
’21モトGP最終戦は11月14日。その直後、11月18〜19日には’22シーズンに向けた公式テストがスペイン・ヘレスサーキットで行われた。’21シーズンから’22シーズンへのインターバルは、わずか4日だったわけだ。
ヘレス公式テストでもドゥカティ勢が安定して速かった。特に’21シーズン終盤に上り調子を見せつけたフランセスコ・バニャイアの勢いは止まらず、来季チャンピオンの本命と見ていいだろう。
しかし、ワタシが注目したのはホンダだ。主軸であるマルク・マルケスが本調子に戻らない中、絶対王者不在で進められている’22 RC213Vの開発は、”マルケス・スペシャル”から方向転換し、誰もが乗りやすい車体特性を明確化しつつあるようだ。
…方向転換というより、マルケスがいないからそうならざるを得ない、というのが実態かもしれない。テストでは中上貴晶が2番手、ポル・エスパルガロも7番手とまずまずの好調ぶりだ。
ある動画を観ていて気付いたのだが、’22 RC213Vのフレームはかなりしなやかな方向。これが”万人受けする特性”の源だと思うが、ひとつ懸念されるのは、マルケスが完全復帰した場合にそれが吉と出るか、凶と出るか分からないところだ。
ホンダが常日頃からアピールしているように、「どのライダーでも最高のパフォーマンスを発揮できる車体」が、本当に実現できるかどうか。’19年以来タイトルから離れているホンダの真価が問われようとしている。
バニャイアひとりが1分36秒台をマークし好調ぶりをアピール。2番手の中上貴晶に0.4秒差をつけた。以下、13番手までが1分37秒台。早くも大接戦に。
【ドゥカティ】今季も”何か目論んでいる”ドゥカティ。ピット内では極秘の最新技術が…!?
【ドゥカティ】スリッパークラッチの精度アップに加え、直管マフラーなどを積極的にテスト。
【ヤマハ】フレームを切り貼りしたYZR-M1。クアルタラロはパワー不足を訴えていたが…。
【ホンダ】しなやかさを増したニューフレーム。高剛性を求めるマルケスに応えられるか。
世界最速!? 青木宣篤の”早すぎる”2022モトGP予想
公式テストを1回終えただけで’22シーズンのチャンピオンシップを予想する暴挙(笑)。’21シーズン終盤の勢いからして、バニャイアが大本命であることは確実だろう。
ドゥカティ デスモセディチの完成度の高さはピカイチ。攻めの開発姿勢で今やモトGP界のトレンドセッターであり、アレコレといち早く採用しつつ、実際の速さ/強さ/結果に結びつけるところがスゴイ。
チャンピオンシップもドゥカティの1-2-3と予想。冬の間にライバルメーカーがかなりの追い込みをしないかぎり、ドゥカティ戦隊を突き崩すのは難しそうだ。
ミルが引き続き安定性を発揮する一方で、クアルタラロはタイトル防衛という新たな課題に落ち着いて対応できるかやや疑問符も。
【2位】ホルヘ・マルティン[ドゥカティ]
【4位】ジョアン・ミル[スズキ]
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