この春に登場したカワサキの超注目モデルZ650RSが、社内チームから早くもレースに参戦! 気になるマシンの詳細と、岡山国際サーキットにおける5月1日の初レースの模様をリポートする。

●文:ヤングマシン編集部(淺倉恵介) ●写真:石村英治 ●外部リンク:カワサキ

現代版ザッパーが早くもレース参戦

5月初旬、発売直後のZ650RSのレーサーが、岡山国際サーキットに現れた。参戦レースはモトレボリューション。“西日本最大級”を謳うアマチュアサンデーレースで、エントリーしたスーパーツインクラスは、排気量500cc以上700cc以下の2気筒エンジン搭載モデルで争われる。

このマシンを送り込んだのは、カワサキの社内レーシングチームであるチーム38。いわゆるプロチームではなく、社員の自主活動ではあるが、同社のテストライダーや開発エンジニアが多く在籍している。ライダーを務めた元山貴也さんもテストライダーの一人で、Z650RSの開発ライダーを務めた人物。自らが仕上げたマシンのポテンシャルを探るべく、レースに参戦したというわけなのだ。
▲チーム38は、カワサキ社員で構成されるレーシングチーム。メーカーのチームとはいえ、活動形態はクラブ活動的。メンバーの多くは、バイク開発に携わるテストライダーやエンジニアだ。

デビューレース、しかも発売直後で準備期間がほとんどなかったにも関わらず、見事にポールトゥウィンを達成。このレースは他クラスと混走で行われたため、リッタースーパースポーツも同時に走っていたのだが、はるかにパワフルなリッタークラスのマシンを退け、総合でも4位に入っているのだから、Z650RSの潜在能力の高さには驚かされる。チューニングが進めば、凄いことになりそうだ。

チーム38のレース活動は、楽しむためだけのものではなく、レースを通じて技術向上を図り、マシン開発に役立てるというもの。Z650RSはネオクラシックスポーツだが、公道とは次元の違う負荷が掛かるレースで得たデータは、今後の市販モデルにも活かされるに違いない。これからの進化にも注目のZ650RSレーサーなのだ。
▲【予選1位&貫禄の優勝】ライダーの元山さんは、カワサキのテストライダー。ある意味プロのライダーといえるが、レース経験は少なく参戦を開始して2年目というから驚かされる。

KAWASAKI Z650RS RACER 概要


▲【驚きのラムエア搭載。開発中のパーツも装着】ラムエアシステムは元山さんの完全DIY。効果は絶大で最高速は+5km/hが見込めるとのこと。ラジエターはZX-10R純正品を加工して使用している。▲マフラーも元山さんがDIYで製作。インジェクションはダイノジェットのサブコン、パワーコマンダーでリセッティング。
▲リアショックユニットはZX-10R 純正品を、スプリングを変更して使用。ポイントは自作品のリンクプレート。最適なサスペンション特性を求めて、何タイプも試作したとのこと。▲フロントフォークは、スプリングとダンピングにモディファイを加えたZ900RS純正品をトリプルツリーごと移植。
▲【セパレートハンドル化でカフェ感漂う】レーシングマシンは、やはりセパレートハンドル。実用面で採用したものだが、Z650RSのルックスに意外なほど好マッチング。カスタムで流行るかも? ハンドルバーは汎用品。▲ステップはSNIPER製のプロトタイプ。このマシンをテストベッドに開発が進められており、遠くない未来に発売が期待できそうだ。

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