スズキは、2024年7月19日~21日に鈴鹿サーキット(三重県)で開催される「2024 FIM 世界耐久選手権“コカ·コーラ” 鈴鹿8 時間耐久ロードレース 第45 回大会」に参戦する、「チームスズキCN チャレンジ」の参戦体制を発表した。
●文:ヤングマシン編集部 ●外部リンク:Team SUZUKI CN Challenge チームスズキCNチャレンジ(X)
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東京モーターサイクルショーで発表されたレーシングマシンを駆る3名が決定!
スズキは、2024年3月22日の東京モーターサイクルショーにおけるプレスカンファレンスで、2024年夏の鈴鹿8耐に40%バイオフューエルやサステナブル素材を用いたGSX-R1000Rで参戦することを発表。2022年をもってMotoGPおよびEWCのワークス活動を撤退して以来のレース復帰だ。
参戦チームは、スズキ社内で選抜したメンバーを中心に構成する「チームスズキCNチャレンジ」で、プロジェクトリーダーはMotoGPエクスタースズキを率いてきた佐原伸一さんが務める。マシンは昨年ヨシムラがEWCに参戦していた仕様をベースとし、エクスペリメンタルクラスという、開発中心のクラスに参戦する。
そして今日、追って発表とされていたチーム体制が明らかにされた。
ライダーは、現ヨシムラSERT Motul のライダーであり、今年4月18日から21日に行われたル・マン24 時間耐久レースの優勝にも貢献したエティエンヌ・マッソン(Etienne Masson)選手、2017年に「SUZUKI ENDURANCE RACING TEAM」で鈴鹿8時間耐久ロードレースへの参戦経験がある濱原 颯道(はまはら そうどう)選手、⻑年「GSX-R」でのレース経験があり、自身のチームを率いて鈴鹿8 時間耐久ロードレースへの参戦も行ってきた生形 秀之(おがた ひでゆき)選手の3名体制だ。
チームスズキCNチャレンジのロゴ。
当WEBではプロジェクトリーダー兼チームディレクターの佐原伸一さんに東京モーターサイクルショー時点でインタビューを敢行しているので、未読の方は下記リンクよりチェックしていただきたい。
スズキは、今回の参戦で得られる貴重なデータを検証することによって、より高い目標を見出し、今後の製品への技術フィードバックを推進していくとしている。
趣味領域であるスポーツバイクや大型バイクでは今後も内燃機関の生き残りを模索していくものと思われるが、それだけでなく現行モデルのユーザーが安心して乗り続けるためのサステナブル燃料の開発も急務。『レースは走る実験室』の新たな姿を見せてくれそうだ!
「チームスズキCN チャレンジ」チーム体制
参戦車両 | GSX-R1000R ヨシムラSERT MOTUL EWC 仕様をベースとしたCN 仕様 |
ゼッケン | #0 |
参戦クラス | エクスペリメンタルクラス |
ライダー | エティエンヌ・マッソン 選手 Etienne Masson(フランス) 濱原 颯道 選手 Sodo Hamahara(日本) 生形 秀之 選手 Hideyuki Ogata(日本) |
チームディレクター | 佐原 伸一 |
エティエンヌ・マッソン 選手 Etienne Masson(フランス) 2020年 FIM 世界耐久選手権チャンピオン、2023年 同2位
濱原 颯道 選手 Sodo Hamahara(日本) 2021年 MFJ SUPERBIKE JSB1000 年間2位
生形 秀之 選手 Hideyuki Ogata(日本) 2022年 鈴鹿8時間耐久ロードレース4位
佐原 伸一 チームディレクター Shinichi Sahara(日本)2022年までMotoGPプロジェクトリーダー
参戦車両 GSX-R1000R ヨシムラ SERT EWC CN 仕様で使用予定のサステナブルアイテム
アイテム | サプライヤー | 詳細 |
燃料 | エルフ | Moto R 40 FIM 40%バイオ由来の燃料 |
マフラー | ヨシムラジャパン | 触媒内蔵サイレンサー |
タイヤ | ブリヂストン | 再生資源・再生可能資源の比率を向上したタイヤ |
オイル | MOTUL | バイオ由来ベースオイルを使用したエンジンオイル |
カウル | JHI | 再生カーボン材(使用期限切れプリプレグ材を処理) |
前後フェンダー | トラス | スイス Bcomp(天然亜麻素材を使用した複合材) |
前ブレーキ | サンスター技研 | 熱処理廃止鉄製ブレーキディスク、ローダストパッド |
バッテリー | エリーパワー | 車載LFPバッテリー、ピット電源供給用の蓄電池 |
GSX-R1000R ヨシムラ SERT EWC CN 仕様のスタイリング
ベース車両は2023年にヨシムラSERTが世界耐久選手権(EWC)を戦ったマシンだ。「エルフMoto R40 FIM 40%バイオ由来原料」に合わせたセッティングや再生素材を用い、新たなチャレンジへと向かう。
カラーリングはヨシムラSERTのグラフィックラインをベースとしながら、スズキらしいブルー(佐原さんのこだわりでもある)を基調に、ジャパンモビリティショー2023でスズキブースのイメージカラーとなっていたホワイト&イエローを配してサステナビリティを表現している。
GSX-R1000R ヨシムラ SERT EWC CN 仕様
参考: ジャパンモビリティショー2023で参考出品されたeチョイノリとe-POがホワイト&イエローのイメージカラーだった。
e-choinori
e-PO
GSX-R1000R ヨシムラ SERT EWC CN 仕様 のディテール
前後フェンダーはトラス社製で、スイスのBcompという天然亜麻繊維を使用した革新複合材料を用いる。
サンスター技研による熱処理廃止鉄製ディスクとローダストパッドを採用。鋳鉄ディスクに近い良好なフィーリングで、制動力も十分に期待できそうだという。
ヨシムラジャパンによる触媒内蔵サイレンサー。
レーシングマシンでは見たことのない触媒内蔵サイレンサー。市販車でも通常はエキゾーストパイプに内蔵されるので、どのようなサウンドになるのか楽しみだ。
JHIによる再生カーボン材(プリプレグ材)を用いたカウル。
こちらのリアフェンダーもフロント同様にBconpを用いている。
ブリヂストンによる再生資源・再生可能資源比率を向上したタイヤ。新品並みのパフォーマンスを得るのは難しそうに思えてしまうが、MotoGPでもEWCでもトップに昇りつめたブリヂストンの新たなチャレンジとなる。
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