日本のバイク文化をもっと海外にも発信すべき!

いきなりだが、筆者は、ホンダのスーパースポーツブランドであるCBRシリーズのオーナーズミーティングを長年取材している。その意図は、日本が世界に誇るべきバイクブランドは車両(ハード面)そのものは当然のことながら、そのバイクをカスタムする、サーキットで走らせる、ツーリングするといったオーナーズ文化、愛車文化(ソフト面)もこれまで以上に世界に発信していくべきだと考えているからだ。本記事で紹介する内容もこうした考え方に基づいたものだ。

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ファンイベント“シーズンフィナーレ”が青山ビルで開催

さて今回は、これまで各地でミーティングを開催してきたCBRオーナーズミーティングが、12月14日(土)に青山ビルで行われたイベント「Honda Racing 2024 Season Finale」(以降シーズンフィナーレ)に参加して、イベントの盛り上げならびにオーナー文化の醸成にひと役買ったことについて紹介する。諸事情により、オーナーの皆さんに終日同行できたわけではないので、CBRオーナーズミーティング事務局からお借りした写真と併せて、その模様をお届けしたい。

シーズンフィナーレは、毎年この時期にモビリティリゾートもてぎで開催されてきた「Honda Racing THANKS DAY」にあたるもので、国内外の二輪ライダーと四輪ライダーが来場し、様々な催しを通して、ホンダファン、モータースポーツファンへの感謝を伝えつつ触れ合いを楽しんでもらおうというイベントだ。

▲シーズンフィナーレのMotoGPライダーによるステージイベントの様子。ジョアン・ミル選手(左から2人目)、ルカ・マリーニ選手(左から4人目)、中上貴晶選手(右から4人目)、ヨハン・ザルコ選手(右から2人目)が参加した

 

シーズンフィナーレは2日間にわたって開催されたが、12月14日(土)は二輪メインの日、翌15日(日)は四輪メインの日とされた。各日、ホンダのレーサーマシンで戦っている国内外の二輪ライダーと四輪ドライバーが来場し、トークショーやゲーム、じゃんけん大会やサイン会などを行ってファンとの交流を楽しんだ。

 

▲二輪・四輪のHRCレーサーでグループを作り、クイズ大会なども行われた

 

MotoGP引退の中上貴晶選手には感謝と応援の声

特に、2024年シーズンをもってMotoGPでの選手生活を引退した中上貴晶選手については、これまでの活躍を振り返ることができる展示や、今後の活動についても語られたトークショーなどが行われ、メディア・関係者の注目を集めると共に、来場者からは感謝や応援の声が寄せられていた。

 

▲2024年シーズンをもってMotoGPでの引退を決断した中上貴晶選手へのメッセージボード

 

▲中上選手の軌跡をたどった展示も行われた。少年時代の初優勝トロフィーや全日本時代のトロフィー、Moto2での初優勝トロフィーなど

 

▲出光カラーが印象的だったLCRホンダ・イデミツのMotoGPマシン「RC213V」。中上選手のMotoGPでの最高成績は2020年アンダルシアGPでの4位で、あと一歩表彰台には届かなかったが、唯一の日本人フル参戦ライダーとして奮戦した

 

▲中上貴晶選手と、中上選手の後を継ぐようにLCRホンダ・イデミツに昇格したソムキアット・チャントラ選手とのトークショーも行われた。中上選手はこれまでのレース活動に悔いがないことを語り、今後のMotoGPマシン開発ライダーとしての仕事に意欲を見せていた

早朝から来場しRR-Rオーナー16名・18台が参加!

▲当日は快晴だったものの、冷たい強風が吹く一日となった。早朝に集合したオーナーらは青山ビルの正面広場に愛車を並べた

 

さて、今回CBRオーナーズミーティングの皆さんが参加したのは二輪メインの14日(土)。冬型の気圧配置により早朝から寒さの厳しい一日となったが、事前に参加申し込みを行っていたオーナー16名が参加し、主催者らの車両を含めた合計18台ものCBRが展示された。

今回は展示スペースの都合もあって、参加できるモデルがホンダ「CBR1000RR-R FIREBLADE/SP(以降RR-R)」に限定されていたが、それでも遠くは大阪から駆けつけたオーナーもいた。参加したオーナーに話を聞くと、オーナーズイベントに参加できるという声のほか、HRCの公式イベントに参加できる、本拠地の青山ビルに展示できるといった期待が多かった。

 

▲ホンダ「CBR1000RR-R FIREBLADE SP」は同社スーパースポーツのフラッグシップモデルで、鈴鹿8耐をはじめ、FIM世界耐久ロードレース選手権やスーパーバイク世界選手権などで活躍している

 

イベント会場は2025年から建て替えが決まっている青山ビル。春には解体が始まるということもあって、エントランスの真ん前の最も目立つスペースに愛車を並べるということは、オーナーと愛車にとって最初で最後の晴れ舞台であると同時に、記念すべき貴重な体験となったようだ。

▲建て替え工事が控えているホンダの本社、青山ビル。一般客が来訪できるのは3月31日(月)まで

 

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▲並べられた18台のRR-R。人通りの多い青山一丁目交差点に面しており、外国人観光客など多くの通行人が足を止めていた

 

▲青山ビルの裏側に設置された、2024年鈴鹿8耐の優勝チーム「Team HRC with Japan post」のピットを再現したブース

 

▲集合場所から展示スペースまで愛車を押していくオーナー。早朝ということもあってエンジン始動を禁止するなど近隣住民への配慮が行われた ※写真:CBRオーナーズミーティング事務局

 

▲青山ビルの展示スペースにHRCのレーシングメンテナンスマットを敷く事務局スタッフ ※写真:CBRオーナーズミーティング事務局

 

開発責任者の石川 さんも駆けつけてくれた

ちなみに、CBR1000RR-R FIREBLADE(SC82)のLPL(ラージプロジェクトリーダー ※開発責任者)は、前々型のSC59、前型のSC77SP2、RC213V-Sを手がけた石川 譲(いしかわ ゆずる)さんで、石川さんは現在はHRC二輪レース部の部長をなさっている。MotoGP(ロードレース世界選手権)などを見ているとピット内の映像でよく見かける方だが、今回のシーズンフィナーレにも来られていてオーナーとの交流会にも参加されていた。

 

▲中央でグレーのジャケットを着ている方がCBR1000RR-R FIREBLADE開発責任者(LPL)の 石川 譲さん ※写真:CBRオーナーズミーティング事務局

 

▲MotoGPマシン「RC213V」が一般公道で走れるように、必要最低限の変更・追加を行ったのがRC213V-Sで、2015年7月に商談開始、価格は税込21,900,000円だった

 

オーナー向けにHRCライダーらとの交流会も

なお、筆者は青山ビルとその周辺で開催されていたシーズンフィナーレを時系列で取材していたのだが、その間、オーナーの皆さんには特別な催しがあった。早朝に愛車を展示したあとは、青山ビルにオーナー専用の控室(役員会議室など!)が用意され、オーナーの皆さんはそこから各所で開催されているトークショーや展示を見にいくなどしてシーズンフィナーレのイベントを楽しむことができた。

また、午後には国内外の二輪ライダーとの交流・サイン会も行われ、愛用のアイテムやグッズにサインをもらったり、一緒に写真を撮ってもらったりと、参加オーナーだけの特典とも呼べる催しを楽しんだようだ。

 

▲ヨハン・ザルコ選手やルカ・マリーニ選手ほか多くのHRCライダーと交流できた ※写真:CBRオーナーズミーティング事務局

 

▲国内外のHRCライダーとの記念撮影。何気ない一枚に見えるが、驚きの光景だ ※写真:CBRオーナーズミーティング事務局

 

▲MotoGPを経て現在はスーパーバイク世界選手権でホンダ・レーシングから参戦しているイケル・レクオナ選手(左)とチームメイトのシャビ・ビエルヘ選手(右)。多くのHRCライダーらがグッズにサインを入れてくれた ※写真:CBRオーナーズミーティング事務局

 

事務局メンバーと参加者のコメントを紹介

最後に、シーズンフィナーレでの愛車展示、オーナーとHRCライダーらとの交流を成功させたCBRオーナーズミーティングの事務局メンバーからコメントと参加者のコメントを紹介する(※メンバーの写真は事務局提供)。

●CBRオーナーズミーティング事務局 代表・ふーさん

この度はHRC様のイベントにご招待いただき大変嬉しく思っております。これは長年に渡りCBRミーティングに携わってこられた方々の努力の賜物だと思います。全日本のライダーや8耐ライダーとの交流の場もあり非常に有意義に過ごすことができました。また、事務局メンバーとユーザーの方々との交流も深められた場にもなったと思います。大変、貴重な経験をさせていただきました。ありがとうございました。次回のミーティングについても計画をしています。皆様のご参加をお待ちしております。

●CBRオーナーズミーティング事務局 事務局長代行・99 レプソル RR-Rさん

今回のイベントに参加させて頂きありがとうございました。イベント当日の朝はまるでテーマパークに行く気分で、高まる気持ちを押さえるのに必死でした。青山本社に到着するとたくさんのCBR1000RR-Rがいて、圧巻の光景でさらにテンションがヒートアップ。また、絶対に入ることができない役員会議室に案内された時は、RR-Rの開発がスタートする時もこの部屋で会議が行われたのかなと想像すると終始ワクワクが止まりませんでした。

昼食後、RR-R開発責任者の石川さんとお会いした際は皆さん食い入るように色んな質問をされており、私もたくさん質問できました。ただでさえ驚きの連続でしたが、極めつけにはHRCさんからスペシャルサプライズのグッズプレゼントやライダーとのサイン&握手会までご用意頂きました。私もそうですが、皆さん子供の頃のクリスマスプレゼントを貰った時のようなとても嬉しい感情を爆発されてました。

●CBRオーナーズミーティング事務局 相談役・たるとさん

この度、初めてHRC様のイベントに呼んで頂けるという夢の機会を賜り、本当に感謝しかございません。我々事務局スタッフもゲストとして扱って頂き、ホンダ様の懐の深さを感じました。参加者の皆さまへのサプライズや豪華景品まで頂けただけでなく、実際にCBRで戦っておられるライダーの皆様、RR-R開発者様とのコミュニケーションの場まで設けて頂き、参加者様も事務局スタッフも皆、終始笑顔でありました。大変貴重な場に参画させて頂き誠にありがとうございました。次回のミーティング予定は現在計画中ですので、お知らせをお待ちください!!

●大阪府から参加したNaoさん

いやもう最高のイベントでした。いろんな方とも交流できたし参加者特典も豪華でしたしCBR系のライダーにもサインをもらったりもできたので。もしまた開催してくれるなら、必ず参加したいです。そう思えるくらい良かったです!

 


<CBRオーナーズミーティング>
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