スズキは2機種を導入
昨今、原付2種(51〜125cc)クラスが人気なのは、いろいろなところで報じられている通り。日本自動車工業会や二輪車新聞の発表によると、新車の販売台数は41万台規模(2021-22年)で、そのうちの3割程度を原付2種が占めており、近いうちに原付1種(〜50cc)を追い抜くとも言われています。
原2ブームとも言われている人気の秘訣は、気軽さと機動性の高さ、経済性に優れる点などが挙げられます。50ccクラスに課せられる時速30km制限や二段階右折、タンデム不可といった制約がないだけでなく、ファミリーバイク特約が任意保険で使え、燃費も抜群に良いなど良いこと尽くめ。2018年7月以降、クルマの免許を持っていれば、最短2日で免許が取得できるようになったことも、エントリーユーザーにとっては魅力となりました。
そんななか、メーカーもこのセグメントには力を入れ、各社のラインナップは充実する一方です。スズキは昨秋、新型2機種を導入。フルモデルチェンジを果たした『アドレス125』とオールブランニューの『アヴェニス125』です。その報道向け発表会に参加しました。
丸みを帯びてオシャレになった!
今回はまず『アドレス125』をご紹介いたしましょう。じつはボク、先代のオーナーでして、リアル原2スクーターユーザーなのです。レッドバロン葛飾で購入したホンダ『CRF250L』にももちろん乗りますが、「ちょっとそこまでお買い物」だったり「お仕事の足」として先代『アドレス125』をフル活用しているので、登場したばかりの新型には並々ならぬ興味を持つのでした。
最初に見た第一印象は「ずいぶんオシャレ!」。丸みを帯びたスタイルで、スズキだと『薔薇』や『蘭 RUN』(1983年)がそうだったように、欧州ブランドなどのヴィンテージスクーターの雰囲気も感じさせる普遍的でエレガントなデザインになっているではありませんか。
大柄な車体は先代を踏襲
写真だけを見ると「ひと回り小さくなったのかな?」と思いきや、実車で確かめると従来どおりのサイズ感で、原2スクーターにしては相変わらず大柄。ボクの乗る従来型と新型の寸法を参考までに記しておきましょう。全長やホイールベースが若干短くなっていることがわかります。
■■■アドレス125新旧車体サイズ
■従来型
全長/全幅/全高:1,900mm/685mm/1,135mm
軸間距離/最低地上高:1,285mm/120mm
シート高:745mm[フラットシート仕様]■新型
全長/全幅/全高:1,825mm/690mm/1,160mm
軸間距離/最低地上高:1,265mm/160mm
シート高:770mm
LEDが羨ましい!
ヘッドライトは長寿命のLEDが新たに採用されています。リムにメッキが施され、レンズも大きい。明るくて被視認性に優れ、印象的な輝きを放ちます。
フロントウインカーには、上質感のあるクリアレンズを採用。ボディデザインにマッチする上下に伸びやかなデザインとなりました。
リヤのコンビネーションランプの上、テールエンドに給油口があるではありませんか。従来型はガソリンを入れるとき、シートを開ける手間がありました。新型はキャップを外すだけなんですね! もちろんキーロック付きです。
足もと広々がアドレスの持ち味
フロアボードが広々としているは、スズキの原2スクーターの持ち味! 足を置く場所に自由度があり、ボクはこれが気に入っています。新型も足元に窮屈さを感じることはありません。
大きくて、ほぼ真っ平らなフラットシート。座面が広く、ゆったりと座れるんです。タンデムもしやすく、新型ではリヤキャリアの標準装備をやめて、スタイリッシュなグラブバーに刷新されています。
シート下のトランクスペースは容量21.8Lを確保。ボクが使うフルフェイスやディフューザーのついたジェット型ヘルメットは従来型でも入りませんでした。新型も同様で、左右に1個ずつ合計2つ備わったヘルメットホルダーを利用するのがよろしいかと思います。ボクはこれで特に困っておりません。
欲しかったUSBソケット!!
羨ましい部分はいろいろとありますが、USBソケットをフロントインナーラックの上に備えたことも、そのうちの1つ。従来型に乗るボクは、社外品のUSBソケットを追加で付けています。
ストッパー付きの折りたたみ式ホルダーが、シート先端の下、股ぐらに新たに備わっているのも羨ましい限り。これ、すぐ下がフロアボードですから荷重を預けられて、かなり使えそうな予感です。
地味だけど必要な時計機能
スピードメーターは指針式でアナログのままですが、小型ディスプレイが埋め込まれ、燃料計をはじめ、オイルチェンジインジケーター、さらにオド/トリップメーター/電圧/時計を切り換えて表示することが可能になりました。
じつは従来型に乗っていて、いちばん欲しいと思っているのが時計なんです。シンプルな装備ながら、あると便利、ないと不便なんですよね。これも羨ましい〜!!
というわけで、今回は新型『アドレス125』を目の当たりにし、従来型オーナーならではの「羨ましい〜!!」を連呼させていただきました。そんなボクの嫉妬に最後までお付き合いいただきまして、ありがとうございました。次回は同時にスズキが発表したニューモデル『アヴェニス125』について、アレコレとお話させていただきたいと思います。