’21年3月に発売された新型グロムに続き、同系のエンジンを搭載するモンキー125とスーパーカブC125がモデルチェンジした。平成32年(令和2年)排出ガス規制に適合するため、ボア×ストロークを変更した新型エンジンを搭載しているのが最大のポイントで、モンキー125はグロムと同様にミッションを4段から5段へと増やしている。小排気量車にとって新排ガス規制の影響はどれほどのものか、じっくりチェックした。まずは両車の仕様比較から。

●文:ヤングマシン編集部(大屋雄一) ●写真:真弓悟史 ●外部リンク:ホンダ

【テスター:大屋雄一】セロー最終型に乗り換えたことで小排気量空冷シングルの楽しさに目覚めたモーターサイクルジャーナリスト。スーパーカブを買い増しするにあたり、今回の試乗は有意義だったという。

’22 モンキー125:念願の5速化!

半世紀以上の長い歴史を誇る元祖レジャーバイクのモンキー。50cc版が’17年8月に生産を終了し、その翌年7月に発売されたのが「モンキー125」だ。グロムをベースにツインショック化し、前後12インチ&ディスクブレーキを採用。
【’22 HONDA MONKEY 125】
■空冷4スト単気筒SOHC2バルブ 124cc 9.4PS/6750rpm 1.1kgf-m/5500rpm ■車重104kg シート高776mm 燃料タンク容量5.6L ■タイヤサイズF=120/80-12 R=130/80-12 ●色:パールネビュラレッド,パールグリッターリングブルー,パールシャイニングブラック ●価格:44万円
バナナイエローを廃止して全3色に。車体と同色だったフレーム/スイングアーム/ヘッドライトステーを黒で統一した。

’22 スーパーカブC125:より上質に!

初代スーパーカブのC100誕生60周年にあたる’18年9月に発売されたパーソナルコミューター、それが「スーパーカブC125」だ。車体は110をベースに構成部品を最適化。エンジンはウェイブ125iを基に質感を高めるため改良を施した。
【’22 HONDA SUPER CUB C125】■空冷4スト単気筒SOHC2バルブ 124cc 9.8PS/7500rpm 1.0kgf-m/6250rpm ■車重125kg シート高780mm 燃料タンク容量3.7L ■タイヤサイズF=70/90-17 R=80/90-17 ●色:パールニルタバブルー,パールネビュラレッド ●価格:44万円
初代C100の印象を踏襲したパールニルタバブルーを継続し、黒とグレーを廃止。新たにパールネビュラレッドを設定した。

スタイリング

【モンキー125ホイールの塗色がシルバーから黒へ】フレームはグロムのモノバックボーンを基にリアサスをモノショックからツインショックに。’22年モデルでホイールはシルバーからブラックに。車重は前年のABSモデルよりも3kg軽くなっている。ブレーキディスクはフロントがφ220mm、リアがφ190mmだ。

【スーパーカブC125ABSが標準装備に。車重はそのまま】フロントのみが作動するABSが標準装備となったが、車重110kgは変わらず。4段ミッションの変速比は従来と同じだが、取扱説明書にある速度範囲が1速は0~30km/h→0~35km/hに、2速は13~55km/h→15~60km/hとわずかに変わっている(3速/4速は共通)。

ライディングポジション

【モンキー125ライディングポジション】シート高は775→776mmにアップしたが、足着き性はご覧のとおり優秀。ライディングポジションはコンパクトだが、身長170cmを超えるライダーでも窮屈さはなし。[身長175cm/体重67kg]

シート高780mmは新旧で不変。同じスーパーカブでも110の735mmより高めだが足着き性は良好。背筋がスッと伸びるコミューターらしいライディングポジションだ。[身長175cm/体重67kg]

エンジン:新規制対応後も諸元維持。ホンダの技術力に感心

’21年9月27日、新エンジンを搭載したレジャーバイクのモンキー125と、パーソナルコミューターのスーパーカブC125が発売された。今回のモデルチェンジのきっかけは、ユーロ5相当の令和2年(平成32年)排出ガス規制への対応であり、同系のエンジンを搭載するグロムは、ひと足早く’21年3月25日に新型がリリースされた。

搭載されるこの新エンジン、横型伝統の空冷SOHC2バルブはそのままに、ボア径を2.4mm小さくし、ストロークを5.2mm伸ばしている。つまり、よりロングストローク比となったのだ。

ここでひとつの疑問が生じる。というのも’21年1月、同じく排ガス規制対応を理由にホンダのPCXがフルモデルチェンジして発売されたのだが、こちらの水冷エンジンは反対にストローク量を短縮しているからだ。

燃焼効率向上を理由に2バルブから4バルブとし、そのためにボアを拡大したからという事情もあろうが、新型PCXのeSP+エンジンのストロークをショート化した理由として、ホンダは摺動抵抗の低減を挙げている。

同じホンダの125ccでも、かたや空冷2バルブの横型エンジンはストロークを伸ばし、かたや最新の水冷エンジンは4バルブ化しつつ短縮している。ボア×ストロークの変更はエンジン設計の根幹に関わる事案であり、旧型から流用できるパーツが激減するなどコスト面でも大打撃だ。裏を返せば、そこまでしなければ今回の新排ガス規制に対応できなかったということ。モンキーもC125も、スペック的には従来モデルとの差はほとんどなく、エンジンが新しくなったことすら気付きにくい。だが、そんな厳しい規制に対応しながらもスペックを維持できたことこそが、今回の注目ポイントなのだ。

主要装備

【モンキー125】
丸型&LEDで統一された灯火類。灯火類はナンバー灯も含めてオールLED。ヘッドライトはラウンドタイプで、外周の左右にポジションランプを配置。ロービームで上段、ハイビームで上下が点灯する。標準装着タイヤはヴィーラバー(VeeRubber)製のV133。キャリパーは前後ともニッシン製で、’22年からABSモデルのみに。スチール製のクロームメッキフェンダーを前後に採用し、φ31mm倒立式フォークのアウターを車体と同色とする手法は継続。やや絞り気味のアップハンドルを採用。メーターは反転液晶タイプで、回転計やギア段数表示はなし。イグニッションオンで速度計がウインクする演出も。
台形タンクはそのまま。燃料タンク容量は5.6Lで、燃料計がひとつだけ点滅したときの残量は約1.80L。
タックロールシートもそのまま。シートはシングルで乗車定員は1名。高密度ウレタンの厚さは70mmで、タックロールの表皮とパイピングが懐かしさを演出。
フロント側と同様に、テールランプやウインカーも丸型だ。


【スーパーカブC125】
初代の造型を最新技術で再現。初代C100をオマージュした灯火類はオールLED。ヘッドライトは中央にポジションランプを配置し、上段がロービームとなる。
ブレーキはフロントディスク/リアドラムで、’22年モデルから1チャンネル式ABSが標準装備に。
純正アクセサリーに半周タイプのグリップヒーター(2万900円)が新登場。
指針式の速度計と液晶画面を組み合わせたメーターパネル。ギア段数表示もある。
燃料タンクはシートの下に配置。
シートと右サイドカバーは電磁式ロック。スマートキーを携行した状態でオープナースイッチを押すとシートが開く。その下には燃料タンクキャップとヘルメットホルダーがある。さらに上面にあるボタンを押すと右サイドカバーが開く仕組みだ。
スマートなリアキャリアを標準装備。新たに純正アクセサリーとしてピリオンシートが登場している。

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