浜松で2度目のバイクラブフォーラムが開催!

9月8日(金)、静岡県浜松市のえんてつホールで「第11回バイクラブフォーラムin静岡・浜松」が開催されました。浜松市でバイクラブフォーラム(以降BLF)が開催されるのは2回目で、第2回BLFin浜松以来の開催となります。

静岡県と言えば、ホンダ、ヤマハ、スズキの創業地であり、ヤマハとスズキは現在も本社を置いています。日本のバイクカルチャー発祥の地であり、誰もが認めるバイク県であり、毎年秋には「バイクのふるさと浜松」というバイクイベントが開催されていることでも知られています。

テーマは若年層の交通安全教育!

今回のBLFの開催テーマは「バイクカルチャー発祥の地、静岡で若年層の交通安全教育を考える。」というもの。これまでにも三ない運動や交通安全教育を題材としたプログラムが行われたBLFは複数回ありましたが、メインテーマに置かれたことは初めてです。

さて、今回のBLFは開会挨拶が豪華でした。西村康稔(やすとし)経済産業大臣からのビデオメッセージが届いたんです。経済産業省はBLFのメンバーなので不思議がることはないのですが、驚かされたのはその内容です。

▲西村康稔(やすとし)経済産業大臣がメッセージをくれた


なんと西村大臣、こってこてのバイク乗りでした。「最近は乗る機会が減ってしまいましたが、私は大のバイク好きです! 大学時代にはホンダVF400Fインテグラで学校に通っていましたし、議員になってからはヨルダン国王と九州ツーリングをして親睦を深めました(要約)」と笑顔でコメント。

▲ホンダ「VF400F INTEGRA」で正丸峠によく走りにいったらしいですよ


西村大臣のライダーとしてのコメントに会場はかなりざわつきました。ちょっと衝撃的な開会挨拶となりました。

経産省自動車課長もバイクLOVE!

▲経産省さんの課内ツーリングの様子。ぜひ参加してみたいものです


また、昨年に続いて、課内のメンバーとツーリングを楽しんできたことを報告したのは経産省自動車課長の清水淳太郎さん。ゴールデンウイークに江ノ島ツーリングに行ったことをスライドでレポートしてくれました。

▲経産省自動車課長の清水淳太郎さん


「青空のもと、スラムダンクの聖地に行ったり島内で海鮮丼を味わうなどバイクの楽しさを満喫できました。バイクLOVEというものを我々も改めて感じられました。今後も公私ともどもバイク産業を盛り上げたいと思います(要約)」とバイクに増々ハマっている様子でした。シメシメ…。

▲ツーリングに参加したバイクにまたがっての記念撮影


BLFが開催されてはや11年目になりますが、経産省の自動車課長さんがツーリングレポートを報告してくれることに、個人的には時代の変遷を感じてしまいました。基本的には日本の主要産業を担うお硬いところというイメージですからね。バイクLOVE、いいですね!

静岡県のものづくりは徳川家光のおかげ!?

▲静岡県副知事の森 貴志さん


続いては、静岡県副知事の森 貴志さんが挨拶を行いました。静岡県がバイクも含めたものづくり県になった経緯には、江戸時代に3代将軍・徳川家光が静岡浅間神社(静岡市)を大改修するにあたり、徳川幕府の威信をかけて全国から腕のいい職人を集めたことにあるそうです。

▲駿河国の総社として歴代幕府の崇敬を受けた静岡浅間神社。国の重要文化財に指定されています


それにより、明治時代にはヤマハが楽器を、大正時代にはスズキが織機を、昭和にはホンダが自動車をと自動車産業が発展する要因になったことを説明してくれました。

ちなみに、タミヤやハセガワ、アオシマなど静岡県のプラモデル(模型)産業が強いのも同様の理由だそうですよ。

静岡県が地域の企業を支援して部品が進化!

▲スロットルワイヤーにも技術革新があります


さて、プログラムの第1番もとても興味深いものでした。開催自治体からの案内ということで「バイクづくりを支える静岡県 -県の支援と元気な地域企業-」と題して、静岡県・浜松市がバイク関連企業をいかに支援しているかという内容でした。

▲軽二輪エンジンの生産数の伸びがえげつないです! 戦後の経済を支えたことがわかります

 

▲静岡の自動車産業は織機(しょっき=布を織る機械)から始まりました


ヤマハやスズキ、ホンダの工場が建ち並ぶ静岡県ですが、全ての構成部品をバイクメーカーが作っているわけではありません。ネジやボルト、ケーブルやマフラーなど個々のパーツは中小の部品メーカーが設計・生産し、そうした企業の中で技術革新が起きるからこそ、パーツは小さく軽く使いやすく高性能なものに進化しているんです。

▲静岡県工業技術研究所 浜松工業技術支援センター長の鈴木敬明さん


静岡県はそのお手伝いをしているわけですね。プレゼンしてくれたのは、静岡県工業技術研究所 浜松工業技術支援センター長の鈴木敬明さん。

同センターは新機能として今年の9月にデジタルものづくりセンターをオープンするなど近年のデジタルものづくりに対応した設備も備え、様々なソフトや3Dプリンタのセミナー・ワークショップなども開催し地域企業の技術相談や研究・試験を支援しているそうです。

▲デジタル領域での起業支援も活発に行われています


こうした仕組みが備わっているから、静岡県ではバイクのパーツを始めとした地域の中小企業が次々と新たな製品を生み出していけるんですね。

▲大ヒット映画「トップガンマーヴェリック」に登場したあのバイクのマフラーも静岡県の企業によるもの

 

▲チタンマフラーの溶接技術がすごすぎます!


いかがだったでしょうか。BLFin静岡・浜松のひとつ目のプログラムを紹介しました。「ものづくりに歴史あり」ですね。

昔と比べて大型バイクが小さく軽くなっているのも、こうした部品メーカーのたゆまぬ努力、それを支える静岡県・浜松市といった自治体さんのおかげです。グラム単位、ミリ単位で製品を進化させるパーツメーカーの皆さんはまさに「MADE IN JAPAN バイク」の縁の下の力持ちですね!(続く)

 

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