ヤマハはインドで、150ccクラスのレトロ系クロスオーバー「FZ-X」の2024年モデルと発表した。2023年にはトラクションコントロールシステムやLEDウインカーを新装備している。また、同モデルの台湾への導入も明らかに。

●文:ヤングマシン編集部(ヨ)

クロスオーバーテイストのネオレトロ!

ヤマハモーターインディアは、ロングストローク設定の空冷149cc単気筒エンジンを搭載したネオレトロスタイルの「FZ-X」にニューカラーを設定し、2024年モデルとして発表した。2023年モデルではトラクションコントロールシステムやLEDウインカ―を新たに採用していた。

インドで導入されたニューカラーはマットチタンで、従来のマットブラックと入れ替わりでのラインナップとなる模様。

台湾では昨秋2023年モデルが導入されている。インド、台湾ともに排出ガス規制はユーロ5(≒日本の令和2年排出ガス規制)に近く、日本への正式導入も障壁は低そうに思えるが、XSR125などが発売されたばかりという状況もあって近々での可能性は薄そうだ。

FZ-Xの乗り味は、小排気量ながらホンダGB350やロイヤルエンフィールド・クラシック350に近い濃さを持っており、殿様乗りポジションでゆったり走れるキャラクターだ。前後17インチホイールにはブロックパターンのタイヤを履き、クロスオーバー的な雰囲気もある。

エンジンは空冷149ccの単気筒で、SOHC2バルブながらインドの排出ガス規制に適合するヤマハ独自の“ブルーコアエンジン”だ。ボア×ストローク57.3mm×57.9mmから発生する最高出力は12.4ps/7250rpmと控えめかもしれないが、1.4kgf・m/5500rpmという低めの回転で発生する最大トルクは、扱いやすく力強い走りを実現する。

前後にディスク式を採用するブレーキにはボッシュのシングルチャンネルABS(フロントのみ作動)を装備し、厚みのある2段シートやブロックパターンタイヤ、フロントフォークブーツの存在が安心してどこまでも走れる快適性を約束。バイファンクショナルLEDヘッドライトにはDRLが備えられ、LEDテールランプと併せてレトロな外観にアクセントを与えている。

メーターは反転表示のLCDで視認性良好。エンジンガード的なデザインのアンダーカウルを備え、悪路でも安心だ。Yコネクトというスマートフォンアプリに接続することができ、スマホ画面には燃費やメンテナンス情報、最後に駐車した場所の情報、タコメーターなどを表示することができる。

インドでの価格は13万6200~13万7200ルピー(日本円換算約24万2000円~24万4000円・1/18現在)。ちなみに台湾仕様は13万5000台湾ドル(日本円換算約63万3000円)だ。

“RIDE FREE”がコンセプト。どう乗っても、どこへ行ってもいい。そんなメッセージが込められている。

YAMAHA FZ-X[2024 India model]のカラーバリエーションとスペック

YAMAHA FZ-X[2024 India model]Matte Titan(13万7200ルピー)

YAMAHA FZ-X[2024 India model]Dark Matte Blue(13万7200ルピー)

YAMAHA FZ-X[2024 India model]Matte Copper(13万6200ルピー)

車名 FZ-X
全長×全幅×全高 2020×785×1150mm
軸距 1330mm
シート高 810mm
装備重量 139kg
エンジン型式 空冷4ストローク単気筒SOHC2バルブ
総排気量 149cc
内径×行程 57.3×57.9mm
最高出力 12.4ps/7250rpm
最大トルク 1.4kgf・m/5500rpm
変速機 常時噛合式5段
燃料タンク容量 10L
タイヤサイズ前 100/80-17
タイヤサイズ後 140/60R17
ブレーキ前 φ282mmディスク+ABS
ブレーキ後 φ220mmディスク
価格 13万6200ルピーから
※諸元等はインド仕様

新色のマットチタンを採用。ホイールはゴールド仕様のアルミニウムアロイだ。

ABSはフロントのみ作動するシングルチャンネル。肉厚の段付きシートにはタックロールタイプの表皮を採用する。

信頼性と環境性能を高めた空冷ブルーコアエンジンを搭載。トラクションコントロールシステムを新採用するほか、E20燃料(20%エタノール混合)にも対応する。

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