現行ラインナップには存在しなくなった魅力的なハーレーたち。同じ名前を冠していてもスタイルや搭載エンジンはその時代によって異なる。この企画では、そんな過去の魅力的な車両をレッドバロンが誇る全国の豊富な中古在庫車からピックアップし、そのヒストリーに迫る。
●文:青木タカオ(ウィズハーレー編集部) ●写真:栗田 晃 ●外部リンク:レッドバロン
フレンドリーさそのままにタフな旅仕様へとカスタム!!
フォーティーエイトファイナルエディションが2022年の限定販売にて生産を終えて以来、中古車市場でますます人気の高い空冷スポーツスター。長きに渡り1200㏄と883㏄の2本立てにしていたが、排気量がより大きいモデルが好まれるかと思えば、一概にそうとも言えなかったりする。
ボア・ストローク比がよりロングストローク設計となり、心地良いトルクフィールを生むことなどから、883ccの“パパサン”を支持するファンは少なくない。
扱いやすく、アクセルを積極的に開けられるのも大きな魅力で、スポーツスターらしい軽快な走りを、普段の街乗りから休日に出かけた先にあるワインディングまでシーンを選ばず満喫できる。
そんなXL883系は、ビッグバイクビギナーや女性を含め、幅広い層に愛され続けているが、よりフレンドリーに車高を落としたのが、今回紹介するスポーツスター883ローだ。
前後サスペンションをロープロファイル化し、シート高をスタンダードモデルの693mmから641mmにまで下げ、足つき性を飛躍的に向上。乗り手の体格を問わないことから、小柄なライダーにも選ばれ続けている。
注目は機能的なカスタムパーツをすでに備えていることで、これはユーズドモデルならではの特典。エンジンガードに取り付けたハイウェイペグは、リラックスのできるライディングポジションをもたらし、高速巡航を快適にする。
また、この個体に装着されていた工具不要で取り外しができるデタッチャブル式のバックレスト&ラゲッジキャリアは、荷物の積載力を大幅にアップ。つまり、すぐに旅立てるよう仕上がっていて、ツーリング派にはうってつけだ!
ヘッドライトバイザーやシンプルな形状の3.3ガロンタンク(容量12.5L)など、伝統のスポーツスターらしさを色濃く残す2009年式。
2007年式より吸気機構をキャブレターからフューエルインジェクション式に進化させ、リアフェンダーに電子制御モジュールECMを搭載している。
ECMが干渉しないように、2009年式まではシート裏に凹みが設けられているが、2010年式以降ではリアシリンダーの後ろにECMを移設。シート交換する際には、要確認のポイントとなることを記しておこう。
機能的なカスタムパーツがあらかじめ備わっているのは中古車の利点とも言え、また前オーナーがエンジンガードで車体を傷つけないよう配慮し、旅を好みゆったりと走らせていたこともうかがい知れる。
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