運転免許を持っている方なら誰でも乗れる身近な乗り物「原付一種バイク」のイイところとダメなところを紹介しよう。「バイクに乗ってみたいけど…」という方は、まずは原付一種から始めるのもイイぞ。
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原付一種バイクのイイところ
免許を取るのが簡単! 安い!教習所に行く必要もナシ!
原付免許は、学科試験に合格するだけでもらえる最も手軽な免許だ。クルマや大きなバイクのように技能試験がなく(合格後に実技を含めた3時間の法定講習がある)、運転免許センターで受験して合格すれば、その場で免許が受け取れる。受験・取得費用で8,000円くらいとリーズナブルだ。
軽量コンパクトで、誰にでも扱いやすい
原付一種バイクのサイズは自転車とほぼ同じ。車体の重さが100kg以下と軽いので扱いやすく、シートの高さが低いので足つき性も良い。バランスを崩したとしても片足で支えられるくらいの安心感だ。
故障しにくい!燃費がよい!環境に良い!
原付バイクのエンジン技術は熟成されており、故障しにくいのが特長。キャブレター採用モデル、インジェクション採用モデル(2003年以降)ともに、乗り物としては圧倒的に燃費が良い。1ℓで50kmも走れるなんて当たり前。燃料タンク容量が4ℓなら200kmも走れてしまうので、1日5km走っても40日間はガソリンスタンドに行かなくていい。
こうした低燃費性能から地球環境への悪影響も少なく、総合的には電動バイクよりも環境に良いのでは?なんて説もあるくらいだ。写真は、低燃費かつ環境性能を実現したHonda「eSPエンジン(49cc)」
本体価格が安い!
新車で税込16万円くらい、中古車だと2~3万円から購入でき、タマ数も多い。電動アシスト自転車の新車が12万円前後であることを考えると、安い!
保険料や駐車場代など維持費も安い!
原付バイクには車検がないので、車両を買って登録して乗るだけなら、最低限の維持費は、自賠責保険7,500円(1年間)と軽自動車税2,000円(1年間)のみだ。
さらに、事故に備えるための任意保険料は、単体でも年間18,000円から20,000円くらい。クルマの任意保険に付帯できる「ファミリーバイク特約」に加入すれば、年間1万円程度で済む。
また、駅前の自転車等駐車場や自宅マンションなど駐車場の契約費用もクルマに比べれば格段に安い。駅前でも月額2,500~3,000円くらいで契約できるので、自転車とほとんど変わらないのがありがたい。
原付一種バイクのダメなとこ
制限速度が30km/h
原付一種バイクには、30km/hの速度規制がある。一般的な道路の制限速度は50km/hなので、他車との速度差は20km/hにもなる。当然、交通の流れに乗って走れないので、後ろのクルマを抜かせるための気づかいや心得が必要となり、ストレスを感じるし、接触の危険もある。
この法規制ができたのは1952年(昭和27年)で、ホンダのカブF型(下写真・1952年発売)のような自転車にエンジンを後付けしたモペットが砂利道を走っていた時代だ。生活道路のほとんどが舗装され、電動アシスト自転車が24km/hまでモーターでアシストする時代に、原付一種バイクの30km/h制限は何ともナンセンスだ。
3車線以上の交差点では、二段階右折が必要
幹線道路など3車線以上の交差点では、二段階右折が必要となる。この法規制ができたのは1986年(昭和61年)、バイクブームの真っ只中であり、原付一種の保有台数が約1,500万台もあった時代だ。街中に原付バイクがあふれていた頃、他車との速度差などを考え、多通行帯道路の中で原付の安全を守るために施行された。
※図は広島県警察サイト(2018年3月1日掲載)より転載
第一通行帯の最も左側を走らなければいけない
原付一種バイクは一番左のレーン(第一通行帯)のさらに最も左側を走らなければいけない(キープレフト)。他車との速度差があるので、考えようによっては安全だが、実際には駐車車両が多く、その都度、追越し操作をしながらの走行となり、かえって危ないという意見も。
ただし、第一通行帯がバス専用レーンであっても、原付一種バイクだけはそこを走れるという通勤・通学時の大きなメリットもある。
二人乗りできない
これをデメリットとして感じるならば、原付二種以上のバイクを選択しよう。
最後に、普通免許ほか原付バイクに乗る資格を持った方は約8,200万人もいる。まさにメガ・パーソナルモビリティである原付の楽しさをもっと知ってほしいものだ。