映画『トップガン マーヴェリック』の大ヒットで、またまた流行中のフライトジャケット。MA-1なんてもう、1980年代後半からは定番中の定番ジャケットと呼べそうなぐらいに定着しています。筆者も若いころは、そんなフライトジャケットを着てバイクに乗ったりしていました。が、しかし! フライトジャケットはライディングジャケットと違ってプロテクターが装着されていないので、少々不安なんですよね……。ということで今回は、ミリタリーパッチを入手してお裁縫に挑戦。手持ちのライディングジャケットを、フライトジャケットっぽくカスタマイズしてみたのであります。
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そもそも「っぽい」やつをベースに
ライディングジャケットって、最初からフライトジャケット風に作られているものも少なくないですよね。
これもそう。ヘンリービギンズのHBJ-051ナイロンツイルボバージャケット。2018年に発売開始されたもので、筆者の愛用品です。肩、ひじ、脊髄パッドが付属し、別売りの胸部プロテクターが装着可能。バイクに乗るなら、MA-1を着るよりも安心。これをベースに、ミリタリーパッチを取り付けていきます。
ミリタリーパッチは統一感を持たせる
どんなパッチを取り付けようかと、いろいろ悩みました。「好きなもんを好きに貼ればいいんじゃね?」とも思ったけれど、米空軍と米海軍と米陸軍のパッチが一着のジャケットに混在していたら変です。
なので、パッチは「トップガン」を参考に、米海軍モノで統一することに。アマゾンで「TOP GUN サバゲー ワッペン屋 WappenCook tシャツ アメリカ軍 ミリタリーワッペン 刺繍 パッチ 米海軍 NAVY 多目おまかせ 5枚セット アイロン接着 TOPGUN トップガン」というやつを1,890円で購入。
届いたのは、海軍戦闘機兵器学校(通称:トップガン)の卒業生に支給されるパッチ(画像の右上)、第41戦闘攻撃飛行隊(愛称:ブラックエイセス、画像の左上)、トムキャット、米海軍士官(画像の中央上)と海軍章(左下)、筆者としては当たりくじを引いた気分。
どうやって貼り付けるか
ジャケットに直接、縫い付ける? ミシンも持っていないので、手縫いですよ。そんな器用なマネが、筆者にできるでしょうか。
ここは布用ボンドでパッチをベルクロ(面ファスナー)に貼り、その貼り合わせの要所要所を手縫いで補強するっていうのはどうでしょう。
買ったのは「コニシ ボンド 布用 クリヤー 17g入 補修 裾上げ ほつれ止め #05324」581円と、「L.Y.F LAB 面ファスナー 縫製用 【 幅広“極”大容量 12.5cm×1メートル 】 強力 マジック式 縫い付け 手芸 サバゲー オスメスセット (オリーブグリーン)」999円。
パッチのサイズにベルクロを切る
ネットを参考に作業を開始。まずはパッチのサイズに合わせて、ベルクロを切ります。ベルクロのオスもメスも、同じ大きさに切るのです(画像は、メス側を切っているところ)。ちょっと大きめにカットして、貼り合わせた後に余計な部分をハサミで切り捨てるんだそうです。
パッチを貼るのは、ベルクロのオスです(トゲトゲしてるやつ)。メス側は後で、ジャケットの表地に取り付けます。
ベルクロにパッチを貼り合わせる
ネットで購入したパッチは、裏側にアイロン接着用のノリがついていました。熱で溶け、くっつくやつ。
大きめにカットしたベルクロ(オス)にパッチを置き、あて布をしながら恐る恐るアイロンを押し当てます。アイロンの温度は低温で、押し当てる時間は10~20秒。
ベルクロはナイロン製なので、熱に弱いのだとか。ベルクロのトゲトゲが溶けてグニャグニャになったりしないだろうか。ちょっと怖いなあ。
アイロン接着後は、熱が取れるまで放置。パッチの裏のノリは、熱い状態だとニュルニュルなのです。
冷えて固まったら、余分なベルクロをハサミで切り捨てていきます。
で、どうか。パッチとベルクロは、がっちりと接着されているか! ああ、やっぱりダメでした。筆者の力量不足なのでしょう。接着されている箇所と、されていない箇所があり、これは使っているうちに剥がれそうな感じ。それも走行中に風で剥がされそうな……。
結局ベルクロに手縫いするハメに
当初の目論見では、パッチとベルクロの要所要所をチョチョッと縫うだけで済ませるつもりだったのですが、世の中そんなに甘くないですね。結局、貼り合わせた面の全周を手縫いすることに。
ここまで来たら、泣きごとは言わず、ひたすら指を動かすのみ。しっかり縫い付ければ、その分だけ丈夫になるんです。
縫い終わりました(まあまあ時間がかかった)。
パッチにベルクロのオスを縫い付けたら、今度はその大きさに合わせてベルクロのメスをカット。
この作業をパッチの数だけこなし、最後にベルクロのメス側をジャケットに縫い付けるのです。
パッチの数は5枚。どれだけの時間を要するのか、途方に暮れる筆者であります。
ベルクロのメスをジャケットに取り付ける
奮闘努力の甲斐あって、ついに5枚のパッチをベルクロのオスに接着&縫い付けしました。
ここまででも数時間を要しておりますが、頑張ります。今度はベルクロのメスをジャケットに貼り付けます。
布用ボンドをベルクロのメスの裏側に薄く延ばして、いざ貼り付け。
貼り付け位置を間違えると台なしになるので、位置その他を計算して慎重に……。
貼り付けたら一時間ほど放置して、さて、がっちりと接着されているか!
ああ、やっぱりダメでした。接着されている箇所と、されていない箇所があり、これは使っているうちに剥がれそうな感じ。それも走行中に風で剥がされそうな……。さっきと同じじゃないか!
購入した布用ボンドのパッケージには、ナイロンとナイロンの接着OKと書かれていましたが、よーく読んでみると、撥水加工された生地は接着できないとあります。もしや、これのせい?
筆者のHBJ-051ナイロンツイルボバージャケットの生地はどうなっているのか、調べてみると……。撥水加工されてました。
なので泣きごとは言わず、ベルクロ(メス)の全周をジャケットの表地に手縫いすることに。これも結局、5ヵ所です。
縫い方は、まつり縫い。ジャケットの裏地まで縫ってしまわないように、表地だけに針を刺して、慎重に。
生地が固いので、指ぬきを使いました。長い針を使う場合に便利な、皿付きの指ぬきです。
まつり縫い、指ぬき、何それ!? という方もいらっしゃると思いますが、ご安心ください。筆者もそうです。ネットで調べながら、ここまでたどり着きました。
午前中から作業を開始して、途方に暮れつつ、すべてが終わったのは日が暮れた後でした。
結果はオーライ、自己満足の世界
ここまで苦労して、仕上がりはどうなったかと申しますと、こうです。
パッチを付けない状態。これはこれで、まあまあ。この状態で着ても、いい感じです。
では、パッチを付けてみます。
いいオッサンが、よく頑張りました。それぞれのパッチが正式な位置にあるのかは不明ですが、どうせ遊び、自己満足の世界なのですから、結果オーライとします。しかしパッチもベルクロも結局はすべて手縫いで仕上げたわけだから、だったらベルクロを介さず、パッチを直接ジャケットに縫い付けても良かったのでは、という思いが脳裏をよぎります。うーむ。なんだろう、この徒労感。
ただ単にパッチ盛り盛りのフライトジャケットが着たいのなら、AVIREXや、ALPHA、さらに予算があればBUZZ RICKSON'Sなどを買えばいい。けれども、こっちは肩、ひじ、脊髄パッドが付属し、別売りの胸部プロテクターが装着可能なライディングジャケットですからね。
みなさんのご参考になれば幸いであります。