誰もが1度は経験する!? レバーの破損

軽微な立ちごけでもレバーが曲がってしまったり、折れたりすることは良くある話。

よく曲がったり、折れたりしているレバーに慣れてしまって「むしろ交換したくない」と強弁する人が居ますが、本来の形状の新品レバーの方が圧倒的に操作しやすいはずなので、なるべく早く交換していただきたいものです。だってメーカーが設計し販売している形なのですからね。

レバーの交換は簡単な作業の部類に入りますが、適合外のレバーを無理に装着したり、取り付けが不十分だったりすると非常に危ないので、少しでも不安があるならショップに交換を依頼するのが最善です。
(特に注意して欲しいのが、ネット通販やネットオークションでかなり安く出回っているレバー。適合車に記載があっても形状が合わないもの、精度が低いものなどが出回っていることもありますので、信頼のおけるショップで購入することを強くお勧めします)

ここでは、ヤマハセローのレバー脱着&グリスアップ作業の手順をご紹介します。今回はレバーを一旦外して同じレバーを装着していますが、新品レバーの取り付けであっても基本的な手順は同じになります。

実際のブレーキレバーの交換手順

セローのブレーキレバーは、10mmのレンチが2つあれば脱着が可能です。今回は10mmのメガネレンチ(左)と10mmのソケットレンチ&ラチェットハンドル(右)を使用しました。

ヤマハセローのブレーキレバーには砂利や泥などの異物の侵入を防止するゴムカバーが付いていたので、これをずらして根本のピボットボルトを露出させます。

ブレーキレバーのピボットボルトは上からボルト、下からナットで固定されています。まず上側のボルトを固定しておいて、下側のナットを緩めます。

外したナットは再使用するので落として紛失しないように注意します。

上側のボルトを緩めます。レバーのピボットはナットとボルトで二重の緩み防止&脱落防止措置が施されています。

ボルトが抜けたらレバーが外れます。驚くほど汚い見本車で申し訳ありません。

レバーピボットのボルトは段付きタイプになります。レバーのカラー部分に著しい腐食や摩耗がある場合、ボルトも含めて交換したほうが良い場合があります。写真の状態はグリス切れ状態で摺動痕が付いていますが再使用許容範囲です。

新品レバーは心配無いですが古いレバーを再使用する際は、レバーのピボット部分の摩耗が無いか、ボルトを通してガタを確認しておきます。楕円形に摩耗しているような場合は、レバーが折損していなくとも交換対象になります。

大型車の場合、レバーのピボット穴に摩耗抑制のため真鍮のカラーが入っていることが多いです。

セローのブレーキマスターにはレバーのリターンスプリングが組み込まれています。これを紛失しないように注意します。

レバーを再使用する場合は、汚れや古いグリスを、パーツクリーナーを使用し、綺麗に洗浄します。

マスターシリンダー側のレバーホルダーも綺麗に洗浄しておきます。旧グリスや汚れを残したままにすると、レバーの動きが悪くなったり、砂利で摩耗が進んだりします。

レバー装着時はグリスアップを実施!

レバー装着前に各部をグリスアップします。ここで使用するグリスはマルチパーパスタイプです。ヤマハ純正「グリースB」を使いました。レバーピボットのボルトは汚れを落としたあとでグリスアップします。

マスタシリンダーのピストン端面に摩耗が見られました。本来、平滑なはずですが窪んでしまっています。この窪みが深くなってくるとブレーキのタッチが悪化していきますので、マスターシリンダーのオーバーホールを実施し、部品交換が必要となります。ブレーキの分解整備はプロの領域と言っても過言ではありませんので、少しでも違和感や、疑問、もちろん不安を感じたら、整備工場を持つバイクショップにお願いしましょう。

綺麗に清掃した後、なるべく摩耗が進行しないようにグリスを塗布しておきます。

レバー側もグリスアップしておきます。マスターシリンダーを押し込むボルトは新品レバーに付属していない場合は外して移植します。

ピボット部分周辺もグリスアップしておきます。

脱落しやすいスプリングの先端にグリスをちょっと付けて接着剤代わりにすると組み付け時に脱落しにくくなり、作業がしやすくなります。

外した時と逆の手順で復元します。上側からボルトを締めて行きます。レバーの位置を調整しつつ、ホルダーの穴とレバーの穴が合うように慎重にボルトを通し締めていきます。

ボルトを斜めに刺して無理やりレンチを回すとホルダー側の雌ネジを舐めてしまうので注意してください。

レバー組み付け後は作動状況をしっかり確認!

ブレーキを作動させて確認を行います。ブレーキの遊びを変更した際は、特に念入りに確認を行います。特にレバーを離してもマスターシリンダーのピストンを押し込んでいるままになっている(遊びがゼロより少ない場合)と、油圧が蓄積されてブレーキが突然効きっぱなしになってしまうことがあります。

非常に危険なので、レバーを離すと同時にマスターピストンがしっかり戻っているか目視確認しておきます。社外レバーに交換する場合も念入りに適合を確認しましょう。

また中古車の場合、マスターシリンダーが非純正のアフターマーケット品に交換されている可能性もあります。そうなると適合レバーがわからないので、少しでも不安があるならバイクショップにレバーの適合確認と交換作業を依頼しましょう。

 

最後にブレーキランプの点灯タイミングもしっかり確認しておきます。

ブレーキランプの非点灯や点きっぱなしは、追突事故を招きますので十分注意しましょう。

最後にくどいようにお伝えしますが、ブレーキ関連パーツの個人でのメンテナンスやカスタムはリスクの高い作業です。

レバーとはいえブレーキパーツを構成する重要部品です。作業に不安を感じたり、工具やグリスを用意できない場合は、バイクショップに相談し、作業をお願いするのが確実です。

 

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