樹脂パーツは転倒などで割れてしまう
燃料タンク以外の外装パーツには樹脂製のものが使われていることが多いですが、樹脂部品は転倒などで割れてしまうことがあります。
破損した場合、補修用の純正部品がメーカーから供給されているのであれば、新品に交換するのが見た目と機能を回復させる最善策であるのは言うまでもありません。
しかし、外装パーツは高額であることが多いですし、見た目さえ気にしないならば、割れさえ直せればそのまま使い続けることができます。また、古いバイクで補修部品が手に入らない場合は、今ある部品をなんとか修理しなければなりません。
割れた樹脂を補修するにはいくつか方法がありますが、接着剤ではやはり修理部分の強度を保つのは難しいものがあります。
プラスチックパーツをしっかり補修できるツール
そこでおすすめしたいのが、ストレートの「プラスチックリペアキット AC100V 17-620」です。
このツールは電熱によって溶着ピンをパーツの裏側から割れた箇所に渡すように埋め込むことで、補修することができるものです。
割れた部分を繋ぐ溶着ピンはステンレス製なので割れた部分を繋ぐしっかりとした骨となり、うまく使えばかなりの強度が期待できます。
補修が成功すれば、補修部分が再び割れることは無く、無理に力を加えて割ろうとしても、補修部以外のところが割れてしまうほどです。
ただ、しっかり補修はできるものの表面の割れ目は見えてしまいますので、より補修の完成度を高めるには割れ目表面のパテ埋めと補修ペイントが必要となります。
プラスチックリペアキットの使用手順
溶着ピンは本体に3種類付属します。別売りで様々な種類のピンのラインナップが存在しますが、バイクの外装修理であれば付属のもので事足りると思われます。
出力温度を3段階に調整できますが、あまり違いが体感できません。バイク外装修理で付属ピンを使うなら中間の「MIDDLE」固定で良いような気がいたします。
溶着ピンをハンドルにセット。
溶着ピンをハンドル先端部分に差し込みます。このピンに電気が流れて樹脂を溶かす熱が発生します。
ハンドルのボタンを押している間だけ通電するので、ボタンを押しながらカウルの割れ目に渡すように溶着ピンを押し付けます。
煙を出しながらピンが樹脂にめり込んでいきます。なるべく表面よりも奥までめり込ませたいのですが、欲張りすぎると突き抜けて表側まで飛び出してしまうので注意が必要です。
溶着ピンの間隔は指定されている訳ではないですが、あまりピンが多すぎると重量が増したり、他の部分への負担となってさらなる破損を招くこともあるのでほどほどに留めておきます。
接着剤のように硬化するまでのリードタイムも必要無いですし、樹脂にステンレスを埋め込んでいるので、長期間に渡り補修箇所の耐久性を望む事ができます。
最後に溶着ピンの足の部分をニッパーで切断しておきます。切り口が鋭くなるので怪我に注意します。やすりをかけておくと良いでしょう。
割れた樹脂パーツを補修するためだけの工具なので、一般ライダーからすると頻繁に使うことになるとは思えませんが、バイク以外の樹脂部品の補修にももちろん使えますので、使うあてがある程度予想できるなら持っておいても良いかも知れません。
ストレートのホームページで確認すると価格は1万800円。これを高いと感じるか、むしろいっぱい直したいから安く感じるのか、それはこれを読んだ皆さん次第です(自分は安く感じました)。