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傷の大きさや種類に応じて様々な補修法がある
車体の塗装面に小さな傷が入ってしまった場合、いくつか対処策があります。
例えば塗装のクリア層に付いた浅い傷は、コンパウンドやキズ消し用の磨き剤で磨き込めば、ほとんど目立たなくなると思います。
それより深い傷で、クリアの下の塗装部分まで到達してしまった傷に関しても磨けば、ある程度は目立たなくなるかも知れません。ただ、完全に消し切ることが難しいかと思います。
さらにそれより深い傷で、素材の金属や樹脂まで露出してしまっているような傷の場合は磨いても対処できません。大きく凹んでいる場合は、専門業者による板金補修や部品交換が必要になるので、バイクショップでプロに修理方法の判断を仰ぎましょう。
しかし、傷の範囲がごく少ないのであれば自分でタッチアップ補修することができるかもしれません。
小さな傷に対して有効なタッチアップペイント
タッチアップは補修専用のペイントで、凹みを伴わないような少ない範囲の傷に対して補修を行うものです。
特に燃料タンクなど、鉄部品の塗装が剥がれたような傷の場合、そのまま鉄が露出した状態で補修しないと錆が発生しますので早めの対処が必要となります。そんな時、タッチアップペイントなら、傷の部分にちょっと塗りつけるだけで補修できますので気軽に使うことができます。
しかし、ただ塗っただけでは傷の痕跡を消し切る事はできません。
実際に補修を行ってみた
ここでは、タッチアップペイントを使った、より効果的な補修方法を解説していきたいと思います。
写真はこの記事のためにわざと付けた点傷です。
腰につけた鍵の束をタンクに当ててしまったり、工具やカメラを落としたりすると、こういった傷が付くことは良くあることです。
傷を拡大して見てみると、塗膜の分、表面がマイナスして凹んでいることが理解いただけると思います。ここで行う補修は以下のイラストの方法で行います。
タッチアップの補修では傷に対して塗料を盛りに盛って、傷の凹みを無くすことで補修の完成度を高めることができるのです!
ペン型で使いやすいDAYTONAイージーリペア
タッチアップペイントはメーカー純正品でも用意されていることと思うのですが、ここではDAYTONAの「イージーリペア」を使いました。
イージーリペアはペン型の先端なので筆タイプより扱いやすく、各メーカーの純正色に合わせた商品が数多くラインナップされています。
※今回は補修するタンクカバーはヤマハVmax1200mのものなのですが、イージーリペアは手元にあった別の色となります。
早速補修をスタート!
付近に塗料が付着しないように傷の周囲を囲むようにマスキングテープを貼っておきます。マスキングテープは一般的に手に入るもので構いません。
パーツクリーナーで傷部分の油分を洗浄しておきます。
実際に塗る前にイージーリペアをよく振って、ペン先を押し込んで塗料をたっぷりペン先に蓄えておきます。
傷に塗料を盛り付けるイメージで塗ります。
しばらく自然乾燥後にヘアドライヤーなどで強制乾燥させます。時間に余裕があるなら自然乾燥でも構いません。
塗料は塗った直後はたっぷり塗膜があるように見えても
乾くと痩せて凹みはなかなか埋まりません。
10回近く重ね塗りを繰り返す
傷のない部分の塗膜以上の高さにまで塗料を盛り付けるのに10回近くイージーリペアを重ね塗りしました。作業に2~3日要しました。
写真の状態で補修塗装は完了です。指先で触ると盛り上がっているのがよくわかります。完全に乾燥させて(場合によっては数日乾燥させて)から磨き工程に入ります。
研磨用に目の細かいサンドペーパーを用意
800番~1000番くらいのサンドペーパーを用意し、水を付けながら塗料の盛り上がり部分を削っていきます。
まずはマスキングの上から研いでいきます。
イージーリペアで塗った塗膜がマスキング面まで到達したらマスキングテープを剥がします。
周囲の塗膜より補修箇所は高さがあるのがわかります。
更にサンドペーパーで水研ぎを続けて、ほぼ周囲の塗膜と同一面になったところで
さらに目の細かい2000番のサンドペーパーで仕上げの研ぎを行います。
補修に使ったイージーリペアが純正色ではないので補修位置がわかりますが、純正色のイージーリペアを使えばこの段階でほぼ補修箇所は分からないはずです。
最後はコンパウンドで仕上げの磨き
塗装磨き用のコンパウンドでサンドペーパーの磨き目を消します。
コンパウンドはホームセンターなどで手に入る車用のもので大丈夫です。
少量ずつコンパウンドを使って、磨き上げていきます。電動ポリッシャーを使えば一瞬ですが、手作業だと時間がかかると思います。根気よく磨きましょう。
サンドペーパーの磨き目が消えて曇りの無い塗装が復活しました。指先の場所が補修部分です。
純正色とは違いますが、離れてみれば分からないぐらい綺麗に仕上がりました。しっかり純正と同じ色のイージーリペアを使えば傷がわからないくらい仕上げるのことも可能です。
技術や経験は必要なく、根気よく手間をかければ誰でもかんたん綺麗に補修できるので、まずは目立たない部分の傷でDIY補修に挑戦してみてはいかがでしょうか?