カワサキは空冷単気筒エンジンを積むトレールモデル・KLX230に、上級バージョンとなるKLX230 SE(スペシャルエディション)を追加した。オフロードを重視した4点の装備を追加し、さらにSTDとは異なる独自のグラフィックを身にまとう。

●文:ヤングマシン編集部

オフ適性を向上させつつストリート感も

新開発の233cc空冷シングルをスチール製ペリメターフレームに搭載するカワサキのトレールモデル・KLX230。同時開発の姉妹車としてクローズドコース専用車のKLX230Rが存在することもあり、扱いやすいエンジンに、走破性を重視した本格的なサスストロークの足まわりを組み合わせているのが特徴。ヤマハのセローなどよりもやや上級者に振った設定と言っていい。

今回追加されたSEグレードは、もともとオプション設定されていたオフロード指向パーツを標準装備したのがポイント。まずは取り付け部を太く、グリップエリアに向けて細くなるテーパードハンドルを採用し、振動吸収性を持たせて手や腕へのショックを軽減。左右レバーにはハンドガードも追加される。さらにフレームのスイングアームピボット周辺には擦り傷を防ぐ樹脂製のフレームカバーを、エンジン下にはダウンチューブ下部を完全に覆うスキッドプレートを装備した。

そうしたオフロード向け装備に加えて、SEをより魅力的に見せるのがブラックアルマイト加工されたホイールリムと、ストライプを配した2色の専用カラーリングだろう。オフ適性を高めつつもストリートっぽいオシャレ感を兼ね備えている。SOHC2バルブの233ccエンジンをはじめ、37mm径の正立フロントフォークやユニトラック式リンクを持つリヤショック、フロント21インチ、リヤ18インチのホイール径といった、パワートレーンや車体まわりについては変更のアナウンスはない。

2022モデルの北米仕様KLX230は、サスストロークを短縮してシート高を34.8mm(≒884mm)→32.7インチ(≒830mm)へ下げたローダウン仕様「KLX230S」を既に追加している。それらに対して200ドル増(≒約2万3000円)の4999ドル(≒約57万5000円)というSEの販売価格は、装備内容を考えればボーナスと言っていいだろう。なお、現時点では日本国内への導入計画などは発表されていない。

KLX230 SE 主要諸元(北米仕様)■全長2106 全幅836 全高1166 軸距1379 シート高884(各mm) 車重132kg(装備) キャスター/トレール27.5度/117mm ■空冷4スト単気筒SOHC2バルブ 233cc 内径×行程67×66mm 圧縮比9.4 最高出力/トルク未発表 変速機形式6段リターン 燃料タンク容量7.6L ■ブレーキF=ディスク R=ディスク ■タイヤF=2.75-21 R=4.10-18  ※数値は公表されたインチ/ポンド/ガロン表記の換算値

KLX230 SE【ファイヤークラッカーレッド】

KLX230 SE【オリエンタルブルー】

SEは中央を太く、グリップ部は細くして吸収性を高めたテーパードハンドルを装備。

小枝や風雨からライダーの手を保護するハンドガードも標準装備された。

スキッドプレートにはドレン穴が設けられ、オイル交換時の取り外しを不要としている。

ブーツが擦れてフレームが傷つくことを防ぐフレームガードもSEの追加装備。

標準仕様のKLX230。スペック面はSEと共通だ。

シート高を約50mm下げたローダウン仕様がKLX230S。フロントトラベルは約63.5mm、リヤトラベルは約56mm短縮している。

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