造り手の意志やマシンの個性を端的に表し、当代の先進技術とデザインが色濃く反映されている部品=メーター。’00年代はデジタル式の速度計/タコが一般化し、液晶パネルの採用が拡大。加えて、樹脂などの成型技術が上がり、デザイン上の制約も少なくなったことで、より多種多彩なメーターが登場した。本記事では、抜群のデザイン性で気分を盛り上げてくれる名品揃いのクルーザー編をお届けする。

●まとめ:ヤングマシン編集部(沼尾宏明) ●写真:YM/BM ARCHIVES

ホンダ ゴールドウイング[’02-]:ジャンボ機長の如く

先々代ゴールドウイングのコクピットは、中央に大型のタコを配した3連アナログ、真下にトランクやリヤサスの状態などを示す液晶パネルを設置。メインスイッチなどを経て、タンク前方にラジオやCDのオーディオ用ボタンが整然と並ぶ。巨大旅客機の機長気分で旅できる。

【’02- HONDA GOLD WING】日本を代表するツアラーの王。4代目で水平対向6気筒を1832ccに拡大した。

〈現代〉ホンダ ゴールドウイング[’18-]:操作性にも徹底配慮

17年ぶりの全面刷新で軽量化。メーターは、アナログ2眼の中央に7インチの巨大なTFTカラー液晶を導入。タッチ式ではないが、中央のコンソールや手元で快適に操作できる。
【’18- HONDA GOLD WING TOUR】

スズキ ブルバードM109R[’06-]:スクエアと曲線の妙味

丸みを帯びたボディに対して、メーターは精悍な角基調。ハンドルポストにエアロ形状の横長バーグラフタコを備え、新時代のドラッガーらしい雰囲気を醸す。

【’06- SUZUKI BOULEVARD M109R】当時の旗艦クルーザーで流線形フォルムが美しい。水冷Vツイン1783cc搭載。

ヤマハ Vスター1300シリーズ[’07-]:オメガかロレックスか

傑作メーターが揃うスターシリーズの一発目。デザイン性に富む大型ベゼルはクロームメッキに輝き、手前に五角形の速度計を配置する。まさに高級腕時計。

【’07- YAMAHA V-STAR 1300 SERIES】水冷Vツインの次世代クルーザーとして開発された。

ヤマハ ウォーリアシリーズ[’07-]:オーバルのWメドレー

一体感のある上下楕円メーターが調和したコクピット。青いバックライトも美しい。下部の速度計は燃料の容量を稼ぐため、ハンドルとタンクの間に収まる。

【’07- YAMAHA WARRIOR SERIES】初代は’02年登場。当時のスター系最大の1670ccで倒立フォークなど足まわりも充実。

ヤマハ ロイヤルスターツアーデラックス[’05-]:アンティークラジオ

古き良きアメリカのラジオを思わせるメッキ×オレンジバックライトの長いメーターが絶品。上段はバー式のタコ、下段の液晶は速度計で、指針もデジタルだ。

【’05- YAMAHA ROYAL STAR TOUR DELUXE】VMAX系の水冷V4エンジンを積むツアラー。

ヤマハ ロードライナーシリーズ[’07-]:フランクミュラー風味

メッキベゼルの形状と文字盤の歪んだ書体が、高級腕時計のフランクミュラーを彷彿とさせる。下部に配置したアナログの小型タコ+燃料計もクラシカル。セピアの文字盤を淡い青の発光指針が巡り、夜間は白地に青い文字が浮かび上がって二度美味しい。芸術!!

【’07- YAMAHA ROADLINER SERIES】1854cc空冷Vツインを抱く当時の旗艦クルーザー。意匠は’30~ ’40年代風だ。

ボスホス8200cc V8ビッグブロック[’00-]:言葉は不要。ただ圧倒されるべし

オブジェのように巨大なタンクは、心臓部の8200ccシボレーV8ユニットに対応したゆえの産物。その上に、速度計を中心とする5連メーターが鎮座した様子は異様であり威容だ。ミッションはオートマチックで、下部にクルマ的なATインジケーターがある。バックも可能だ。

【’00- BOSS HOSS 8200cc V8 BIGBLOCK】クルマ用のエンジンを搭載したアメリカンモンスター。車重は500kg超だ。

ハーレーダビッドソンFLHXストリートグライド[’06-]:本家アメ車のカンロク

ほぼ垂直に切り立ったパネルに6眼アナログとオーディオをセット。速度とタコに加え、燃料計/油圧/電圧/気温までもアナログで、昔ながらのアメ車の雰囲気に浸れた。ウルトラ系はメーターが共通で、中央のオーディオにはMP3対応のCDプレイヤーも装備。

【’06 HARLEY-DAVIDSON FLHX STREET GLIDE】ウルトラのストリート系バガーとして’06年デビューし、一躍人気車に。

〈現代〉ハーレーダビッドソン CVOストリートグライド[’21-]:4眼に減ってタッチパネル化

現行ウルトラ系は、速度/タコ/電圧/燃料計の4眼アナログ。タッチパネルのフルカラー液晶を備え、別売ハーネスを使えばスマホアプリも映せる。ラジオは健在だ。
【’18- HARLEY-DAVIDSON CVO STREET GLIDE】


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