ホンダは欧州で、日本ではCBR400Rとして販売されている機種の欧州版「CBR500R」のモデルチェンジを発表した。フロントブレーキをダブルディスク化したほか、SHOWA製倒立フロントフォークSFF-BPを採用。ホイール&スイングアームも新作だ。エンジンはFIセッティングなどを変更した。
●文:ヤングマシン編集部(ヨ)

CBR650Rゆずりの高機能パーツをふんだんに採用

ホンダは欧州で新型CBR500Rを発表した。エンジンは基本を継承しつつFIのセッティング変更などに留め、足まわりのパフォーマンスアップに注力している。

注目はなんといってもフロントブレーキのダブルディスク化だろう。φ296mmのディスクを2枚装着(従来はφ320mmシングル)し、これにラジアルマウントの2ピストンキャリパーを組み合わせた。

増大したストッピングパワーに合わせて、フロントフォークは従来の正立からφ41mm倒立タイプのSHOWA製SFF-BP(セパレートファンクションフォーク・ビッグピストン)に変更。左右のフォークで役割を分け、優れたリアクションと走りのクオリティを提供する。これは4気筒モデルのCBR650Rが採用するものと同一で、倒立化にともないフロントフェンダーも変更された。また、5段階のプリロード調整機構を持つリヤショックは、フロントに合わせてリセッティングされている。

ホイールは新作の軽量5本Y字スポークで、タイヤサイズは継承した。スイングアームも最薄部の板厚が2mm(従来は2.3mm)の新作となり、こちらもグラム単位の軽量化を達成している。アルミ製フットペグも104g軽量な新作だ。

これらの結果、車重は従来と変わらぬ192kgをキープ。前後荷重配分は従来の50.1:49.9から、50.7:49.3になり、フロント荷重が増している。ホイールベースやキャスター/トレールといったジオメトリーは変わっていない。

新しく、より彫りの深いヘッドライトはCBR650Rから継承。これは灯火類のレギュレーションに対応したもののようだ。またLCDメーターパネルにはギヤポジションインジケーターを備え、シフトアップインジケーターは5750~8750rpmの範囲で250rpm単位の調整が可能だとしている。

471ccの並列2気筒エンジンはPGM-FIのセッティングを変更したほか、ラジエターのデザインをより軽量かつスタイリッシュなものに改めた。アシストスリッパークラッチの装備やユーロ5適合は変更なし。

なお、現地で用意される純正アクセサリーは35Lトップボックス、リヤキャリア、タンクバッグ、シートバッグ、ハイスモークスクリーン、グリップヒーター、12V/USBタイプCソケット、シングルシートカウル、ホイールリムステッカー、タンクパッドが揃う。

日本では普通二輪免許に合わせて排気量を変更し、CBR400Rとして販売されているが、こちらも同様のモデルチェンジを受けた2022年モデルが登場しそうだ。こちらについても続報が入り次第お伝えする。

HONDA CBR500R[2022 EU model]

主要諸元■全長2080 全幅760 全高1145 軸距1410 シート高785(各mm) 車重192kg(装備)■水冷4ストローク並列2気筒DOHC4バルブ 471cc 47.6ps/8600rpm 4.38kg-m/6500rpm 変速機6段 燃料タンク容量17.1L■キャスター25.5°/トレール102mm タイヤサイズF=120/70ZR17 R=160/60ZR17 ※諸元は欧州仕様

HONDA CBR500R[2022 EU model]Grand Prix Red

HONDA CBR500R[2022 EU model]Matt Gunpower Black Metallic 

φ43mm倒立タイプのSHOWA製SFF-BP(セパレートファンクションフォーク・ビッグピストン)と、φ296mmダブルディスク+2ポットキャリパーを新たに装備。※写真からは4ポットキャリパーのようにも見える

カラーリングはアグレッシブなグランプリレッドと、シックなマットガンパウダーブラックメタリックの2色。メーターは反転表示のLCDタイプで、デジタル数字のスピードメーター、バーグラフ式タコメーター、ツイントリップ、燃料残量計、燃費表示、時計、水温計、ギヤ段数表示、シフトアップインジケーターを備える。

エンジンは従来型から継承しつつPGM-FIのセッティングを変更。ヘッドライトは一見変わっていないようにも見えるがCBR650Rから継承した新作とされる。 

【動画】欧州ホンダ CBR500R

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