4月10日(日)、静岡県東部や伊豆半島北部の高校生らによる地域クラブ「原動機研究部(以降、原研)」が、かねてから実施していた「修善寺 虹の郷」への電動モビリティ導入を実現した。今回は、対外的な発表の場として開催されたイベント「Motto!!伊豆 e-キックオフ!」の模様をお届けしよう。

選定から導入まで、高校生が主導したプロジェクト

原研のメンバーは、伊豆市・修善寺のテーマパークである虹の郷に導入する来園者向け電動モビリティのピックアップ、試乗テスト、選定、カラーリング(周辺の高校を交え、コンテスト形式で実施)、導入までを担当してきた。

「高校生でも、バイクやクルマなどのモビリティに、もっと親しめるように」というコンセプトで活動している原研だが、今回の電動モビリティ導入プロジェクト「Motto!!伊豆」に関しては、本日の導入・運用をもって一区切りしたことになる。

地元の高校もプロジェクトやイベントに参加!

原研の活動には、周辺地域の複数の高校も協力している。本イベントの共催にも、県立伊豆中央高校、私立知徳高校、私立飛龍高校が名を連ねていて、各校の美術部やデザイン科の生徒は電動モビリティのカラーリングコンテストにも参加。選ばれたデザインは、デザインをした生徒自らが車両にカラーリングを施していた。
また、開会式のオープニングを務めたのは長泉町にある私立知徳高校の吹奏楽部の生徒たちだ。昼前には再び演奏会を行なって、会場は大いに盛り上がっていた。まさしく、高校生が主体となって進めたプロジェクト、イベントなのだ。スマホやビデオカメラを抱えた父兄も大勢訪れていて微笑ましい光景だった。

虹の郷へは4社の電動モビリティが導入された

オープニングの後は、虹の郷への導入が決まった電動モビリティメーカー各社による車両紹介となった。glafit(グラフィット)社の代表でありJEMPA(日本電動モビリティ推進協会)会長でもある鳴海禎造氏(上写真)は立ち乗り型スクーター「LOM(ロム)」の操作方法や乗り方を自らレクチャーし、来場者の前で軽快に走ってみせた。
それに続くように、SWALLOW(スワロー)社、FreeMile(フリーマイル)社、STICK STREET(スティックストリート)社といった導入メーカーも自社車両の取扱い方法や乗り方などをPRした。

ヘルメットとプロテクターの装着も実演!

その後は、園内走行時の交通ルールやヘルメット、プロテクター、グローブの装着方法が説明された。園内は私有地であり、運用される電動キックボードにもバックミラーやナンバープレートなどは備えられていないが、安全運転への意識はとても高いと感じた。
説明が終わった後は、カラーリングを担当した高校生や関係者が園内コースを試乗ツーリング。生徒からは「初めて乗ったけど楽しい!」といった声が聞かれた。

電動キックボードに乗りたくて、静岡市から来ました!

午後からは一般来場者への貸し出しが始まった。貸し出し可能な時間になると、貸し出しカウンターの前にはあっという間に列ができていた。
手続きは簡単で、乗りたい電動モビリティを決めたらQRコードを読み取り、YouTube上の各車専用チャンネルを閲覧(2~3分ほど)することで、操作方法を確認する仕組みだ。ちなみに、レンタル料金は2時間1,000円となっている。
皆さん、意外とスムーズに行なっていたのが印象的。園内コースの説明を受けたら、いざ出発だ。ちなみに、園内コースの設定や検証なども原研メンバーが行なったものだ。

レンタル第1号となったのは静岡市から来た池谷(いけがや)さん。「とにかく電動キックボードに乗ってみたくて…。調べたら、今日、虹の郷で乗れるということを知って、このために家族と来ました。坂道では少し遅くなるけど、ほんとラクで楽しいですね!」
なお、虹の郷では、電動カートを借りることもできる。足の悪い方や高齢者の方でも園内を自由に散策することができるのだ。


●虹の郷支配人の山下篤さん
「虹の郷は、1990年にオープンして今年で32年になります。園内ではこれまで鉄道とバスの移動でしたが、新しい移動の手段やアクティビティとして電動モビリティを導入しました。導入にあたり原研の皆さん、関係者の皆さんにはお世話になりました。今後も地域に愛される虹の郷を目指していきたいと思います。」
●原研部長の田中海豊(かいと)さん
「『Motto伊豆!!』は虹の郷でのプロジェクトです。ここで一区切りになりますが、新機種の導入や園内アクティビティとしてのモトクロスみたいな電動モビリティ導入も考えています。」

イベント後は、原研メンバーとその保護者や支持者、伊豆市の菊地市長、波多野市議らが原付一種・二種によるマスツーリングを楽しんだ。県道18号から西伊豆スカイライン、道の駅「天城越え」と、市内の走り処や名所を巡った。こうしたファン領域での活動にも期待したいところだ。
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