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3年ぶりのリアル開催となったKATANA Meeting
2022年9月11日(日)、静岡県浜松市にある「はままつフルーツパーク時之栖(ときのすみか)」で開催された「KATANA Meeting(カタナミーティング)」の模様をお届けする。新型コロナウイルスの影響で過去2年間はグッズ販売やビッグフラッグ制作といったオンライン上の催しのみとなっていたが、リアル開催としては3年ぶり、オンラインも含めて通算4回目のミーティングとなった。
昨年のオンライン開催に合わせて制作されたビッグフラッグがリアルミーティングの場で披露された。自分の写真と一緒に自撮りするオーナーも多く、常に賑わいを見せていた。
リアルでは開催されなかった第2回(2020年)、第3回(2021年)のステッカーを貼っている参加者も。
会場内には用品メーカー等のブースも出展された。購入したパーツやウェアをその場で送れるように宅急便のブースも用意されていた。
静岡県交通安全協会もブースを出展し交通安全について啓発活動を行った。プロテクターやエアバッグベストなどの安全装具の大切さ、ヘルメットのあご紐を締めることの重要性などを来場者に説いた。
天⻯浜名湖鉄道も出展し、運行されているKATANAラッピング列車が描かれたオリジナルの硬券セット、天浜線グッズなどを販売し、こちらも行列ができるほどの人気!
それでは、イベントの模様についてお伝えしよう!
ゲートオープンと共にKATANAオーナーが大挙来場!
午前9時にゲートオープンとなると、そこからはひっきりなしにKATANAが会場へとなだれ込む。広大なテーマパークの駐車場があっという間にKATANAだらけになる様は圧巻だ! 2019年のミーティングに比べると明らかに新型KATANA(2019年~)が増えているのもわかる。
GSX1000Sカタナ(1981~2000年)、GSX750Sカタナ(1982~1985年)の様々な年式のほか、水冷エンジンを搭載したGSX250Sカタナ(1991~1998年)、GSX400Sカタナ(1992~2000年)の姿もたくさん見られた。
750カタナの中では異色なデザインでリトラクタブルライトが特徴的だったⅢ・Ⅳ型カタナ(上写真)もちらほら。
世界に誇る日本の名車にして名ブランドとなっているKATANAシリーズだけに、集まったオーナーの車両は千差万別! カスタムのレベルも他車種では見られないような奇抜なものも目立ち、KATANAシリーズの歴史と魅力を会場の至る所で実感できた。
さすがはKATANAブランド! カスタムもぶっ飛んでいた!
KATANAの歴史を感じさせることの一つにカスタムの多様さがある。サイドカーやトライクのような車体構造を変えてしまうような大掛かりな改造から、凝りに凝ったカスタムペイント、さらには空冷エンジンの油冷化やターボチャージャーの装着まで走り系にこだわったカスタムも多い。
KATANAというかなりとがったコンセプトを持つバイクなのに、みんな自由にカスタムを楽しんでいるようだ。
どノーマル車両もそれはそれで大きな価値を持つのがKATANAだが、中には1982年に発売された耕運機ハンドルのGSX750Sの姿もあった。これには同業メディアも驚いていた!
新型KATANAのカスタムトレンドとは?
今回のミーティングでは新型KATANAが目立っていたが、カスタムトレンドはあるのだろうか? なんて散策していると木陰でまったりと展示されている怪しげな車両(上写真)を発見! 話を聞いてみたら「会場内に出展できなかったんで、ここで展示してます」という。大爆笑させて頂いたのはマジカルレーシングさん。
「新型のカスタムトレンドはやっぱりテール回りですね。フェンダーレスにしてシートカウルを伸ばすというのは人気があります。やっぱり刀の鞘(さや)のイメージなんですよね、シート部分は。」
なるほど。確かに会場にも同様のカスタムがちらほら。やっぱり先代のイメージが好きな人も多いんだなぁと実感。
物販への長い行列こそKATANAへの情熱!(炎天下)
なんてやってる間に、遠くでは何やら行列ができている。どうやら10時からの物販開始に備えた行列とのこと。確かに来場してバイクを駐車するやいなや小走りで行列に向かう人の姿も多い。
この会場でしか買えない限定グッズもあるとのことで、KATANAファンにとってはこの物販販売は大きなイベントなのだ。オリジナルのTシャツや折り畳み傘、トートバッグなど、どれもデザインが統一されていて、シブくてカッコいい。このために行列に並ぶのもわかる気がするよ。
待ちに待った10時になると、5~6人ずつが売り場に向かうという整列販売が始まった。ちょっとヤバめな炎天下ではあったが、皆さん、ちゃんと順番を守っていて揉め事もない。KATANAオーナーさんは忍耐強く、ジェントルなのだ。
恒例! 鈴木俊宏社長がKATANAに乗って会場入り!
KATANAミーティングのオープニングを飾るのは、鈴木俊宏(としひろ)社長自らが新型KATANAに乗って会場入りするというもの。ステージの横に乗りつけると、さっとミーティングTシャツに着替えて、ステージ上で開会宣言を行った。御年63歳とは思えない若々しさ。来場者は拍手喝采で、会場は一気にミーティングムードに切り替わった。
なお、俊宏社長は午前(下写真)・午後の集合写真に参加したほか、新型KATANAの中でも「S-MALL(エスモール)」内で100台限定で販売された特別色「キャンディダーリングレッド」カラーのオーナーたちとの記念写真にも収まった。この通称「赤カタナ」には専用の駐車スペース「S-MALL × KATANAパーキング」が用意されており、まさにプレミアム感の漂う待遇かつ写真撮影となった。
新型KATANA開発者によるトークショー(かなりぶっちゃけ)
昼過ぎからはステージで新型KATANAの開発者4名によるトークショーが開催。登壇者はチーフエンジニアの安井信博さん、エンジン設計担当の滑川恵介さん、車体設計の三池翔太さん、テストライダーの大城光さんで、MCは声優の難波祐香さん(にゃんばちゃん)が担当した。
このトークショーの内容がかなりマニアックかつぶっちゃけたもので、会場からは時折爆笑も。新型KATANAがどのようなことに重点をおいて開発・調整されていったのか、どのようにテストをしていたのかなど赤裸々に語られた。排ガス規制に対応させつつも電子制御スロットルの開け具合をどう後輪出力・駆動に伝えていくかなど、スズキならではの各部への繊細な味付け、いわゆる「パラ感」やエンジン音と吸気音へのこだわりも面白かった。
各種の賞やじゃんけん大会も開催!
トークショーの後は「遠くから来たで賞」の表彰となった。東日本、西日本のそれぞれ最も遠くから来たオーナーをたたえた。東は山形県(なんと下道で13時間!)、西は宮崎県から来場したオーナーが受賞し、Tシャツがプレゼントされた。
続いては、お楽しみのじゃんけん大会。ブース出展企業からの様々なグッズ・アイテムが登場し、じゃんけんガールはにゃんばちゃんが務めた。元気な小学生がおじさんに競り勝つなど大いに盛り上がった。
父親から譲り受けたKATANAが愛車です!
福島県郡山市から就職を機に浜松市に移り住み、職場の先輩と一緒に来場したという渡辺さん(27歳)。昨年、社会人になった折にお父さんから譲り受けたというホワイトでオールペンされたGSX1100Sカタナ(お父さんがレッドバロン郡山で購入)がお気に入り。「大型はこれしか乗ったことがないんですけど、見た目からして好きですね。今のバイクにないデザインや音が気に入ってます」。
最後は社長自らオーナーをお見送り!
14時、ミーティングは閉会となった。来場者が会場を出ていく際には、俊宏社長ほかスズキのスタッフが手を振って見送ってくれる。これも当ミーティングでは恒例となっている。「ありがとうございました」「気を付けて」という温かい声のなか来場者は家路についた。このアットホームなおもてなしもスズキのミーティングの魅力だ。
コロナ禍が収まることを祈りつつ来年の開催にも期待したい。なお、来場者数は1,453名で、バイクは1,115台(うち新型KATANAは186台。そのうち赤カタナ20台)が来場した。