ハーレーの“新顔”速報記事がランキングトップに!

 こんにちは青木タカオです。5月下旬にココで公開したボクの記事が、「ForR ニュースランキング」(PV数6月)で月間トップであったことがわかりました。


 最後にリンクを貼っておきますが、どんな記事だったかと申しますと、まずタイトルは「ハーレーの顔が変わる歴史的瞬間!? ヤッコカウルやロードグライドが生まれ変わる!!」というもの。


 つまり、ブランドを象徴する“ヤッコカウル”(バットウイングフェアリング)やロードグライドのシャークノーズフェアリングが、これから発売されるニューモデルで新しくなったという速報ニュース記事です。

 速報記事の反響が大きかったからには、ボクとしてはもっとこれについて書きたいというのがホンネですし、読者の皆さまにとっても、きっと大きな関心を寄せているんだろうと信じてやみません。

 と同時に、ボクはWEB/雑誌、バイク専門・一般大衆向け、ジャンルを問わずいろいなメディアに寄稿していますが、編集長を務めているのがハーレー専門誌『WITH HARLEY/ウィズハーレー』(内外出版社)でして、ハーレーに関するニュースは特に敏感。アンテナを絶えず、張り巡らせています。

 というわけで、今回は続報としまして、ハーレー専門誌編集長でもあるボクが「ハーレーの新顔」について、しっかりと詳細を解説させていただきましょう。

オメガデザインを新採用

 まずはハーレーダビッドソンのアイコンとも言える“ヤッコカウル”、「バットウイングフェアリング」から見てみましょう。6月8日発売の最高級プレミアムモデル『CVO ストリートグライド』に新採用されました。


 ベンチレーションを備える完全新作のフェアリングは、LED式のウインカーやシグネチャーライトが埋め込まれ、ライトまわりのデザインはギリシャ文字の「Ω」のようであることから、ハーレーダビッドソンでは「オメガシェイプ」と呼んでいます。


 新採用したシグネチャーライトをはじめ、灯火器類はすべて被視認性に優れるLED式で、先進的なスタイルによく似合うもの。フェアリング形状は見るからに新しく、ひと目でニューモデルであることがわかると同時に、伝統のシルエットを踏襲することでハーレーだと誰の目にも明らかなデザインとなっています。

ハンドリングが軽いのはナゼか!?

 同時発売の『CVO ロードグライド』もまた「シャークノーズフェアリング」を刷新しました。ライトをフルLEDにしたのはもちろん、伝統を受け継ぎながらオールブランニュー。人気モデルであるがゆえ、注目度はひときわ高くなっています。


 デュアルヘッドライトの独創的なフロントマスクはファンの間でお馴染みの顔。シルエットも個性的ですが、構造的にも「バットウイングフェアリング」と大きな違いがあります。


 それは「バットウイングフェアリング」がハンドルにマウントされているのに対し、「シャークノーズフェアリング」はフレーム側、つまり車体側にマウントされているのです。

 ハンドルを切れば一目瞭然でしょう。フロントタイヤの向きに関わらず、ヘッドライトは正面を向いたままとなります。

 ステアリング機構にカウル、ヘッドライト、メーター類を備えていないことから、ハンドリングが軽いという利点があります。アメリカでおこなわれているバガーレースでも、ハーレーダビッドソンのファクトリーチームがフレームマウントのシャークノーズフェアリングを採用しているのは、こうした優れた点があるからなのです。

画像はKING OG THE BAGGERS (キング・オズ・ザ・バガース)参戦のハーレーダビッドソンファクトリーチームのレーシングマシン。「WITHHARLEY Vol.12 (内外出版社)」の巻頭特集より。

▲上の画像はKING OG THE BAGGERS (キング・オズ・ザ・バガース)参戦のハーレーダビッドソンファクトリーチームのレーシングマシン。「WITHHARLEY Vol.12 (内外出版社)」の巻頭特集より。

登場した80年代は人気がなかった!?

 ラインナップに欠かせないツーリングモデルの代表格のひとつ“ロードグライド”は、1980年の『FLT ツアーグライド』をルーツにします。

右下が1980年に登場した『FLTツアーグライド』。「WITHHARLEY Vol.13 (内外出版社)」の特集記事より。

▲右下が1980年に登場した『FLTツアーグライド』。「WITHHARLEY Vol.13 (内外出版社)」の特集記事より。

 この「シャークノーズフェアリング」。発売当初はあまり人気が出ず、カタログから姿を消してしまった時代もありました。

日本向けには2000年式ラインナップで登場した『FLTR ロードグライド』。排気量1450ccのツインカム88エンジンを搭載する。

▲日本向けには2000年式ラインナップで登場した『FLTR ロードグライド』。排気量1450ccのツインカム88エンジンを搭載する。

 1998年に『FLTRI ロードグライド』として、フェアリング形状を新しくし北米市場で復活。日本向けには2000年式から導入され、心臓部を「エボリューション」から「ツインカム88」に刷新した新しいツーリングファミリーを象徴するモデルとなりました。

シャークノーズフェリングを持つロードグライド。ついにリヤ2輪のトライク版『ロードグライド3』も2023年式のニューモデルとして登場している。

▲シャークノーズフェリングを持つロードグライド。ついにリヤ2輪のトライク版『ロードグライド3』も2023年式のニューモデルとして登場している。


 その後、個性的な2眼マスクはジワジワと人気が高まり、バリエーションモデルもロードグライド系に増えていきます。

スゴイのは顔だけじゃない!!

 誰が見てもすぐにわかるハーレーの顔“ヤッコカウル”=バットウイングフェアリング。そして、ヤッコカウルを持つモデルと双璧をなすハーレーのフラッグシップ、そんなポジションにまでのぼりつめたロードグライドのシャークノーズフェアリングが、大きく変わったのですから歴史的一大事と言えます。

 新型フェアリングはスタイルやデザインだけでなく、調整可能なエアコントロールベーンによって空力快適性も改善。風洞実験では振動が同等の2022年モデルと比較して平均60%減少しています。ハーレーダビッドソン創業120周年を記念するイヤーモデルに相応しい大改革であり、ニューモデルと言えるのです!

 熱い、あまりにもアツすぎる……。我ながら、解説に力を込めすぎました。両車のフェアリングについてだけで、ココまでたっぷりと力説しすぎて、長文となっているではありませんか。


 というわけで、長くなってしまったので、今回はココまで。続きは次回といたしましょう。『CVO ストリートグライド』と『CVO ロードグライド』は伝統のVツインエンジン、そして公開された「インフォテイメントシステム」がまたスゴイのです! 次回はその辺りをじっくり解説いたします。

 今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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