ウソだろ!? 片岡義男氏の書籍に自分の写真が!!

 見本誌が届いて、思わず「嘘だろ、信じられない! 夢のようじゃないかっ!! でもこんなに大きく、たくさん載っているなんて……」と、ボクは独り言をもらしました。こんにちは青木タカオです。

 このような大役を仰せつかったこと、身に余る光栄です。

あの道がそう言った 片岡義男ロード・エッセイ、50年の軌跡(JAFメディアワークスより発売)

▲あの道がそう言った 片岡義男ロード・エッセイ、50年の軌跡(JAFメディアワークスより発売)

 新刊『あの道がそう言った 片岡義男ロード・エッセイ、50年の軌跡』が2025年7月14日、JAFメディアワークスより発売されます。

 なんと恐れ多いことか、そこにボクと愛車のカワサキW1SA(1971年式)の写真が、9ページにもわたって載っているのです!!

 オートバイが登場する物語やエッセイを数多く執筆してきた片岡義男氏。小説や映画などに影響され、バイクが好きになったという人は少なくありません。ボクもそのうちの一人であることは、いろいろなところで書いてきました。

 これまで、ここ『ForR』をはじめ、『ahead』(レゾナンス)や『カワサキWファミリー大全 ~All about Kawasaki W~』(モーターマガジン社)にて影響を受けたことを書くと、なんと嬉しいことか「片岡義男.com」で紹介してくださり、もしかしたらご本人も読んでくださっているかもしれないと思うと、胸がいっぱいになるのでした。今回もまたもしかして……!? と淡い期待を抱きつつ、過去のリンクを貼っておきます。これもまた自慢ですからね。

Webサイト「ForR」で青木タカオさんが連載エッセイ
https://kataokayoshio.com/news/news_2021_0820_03

雑誌『ahead』で青木タカオさんが片岡義男作品について紹介
https://kataokayoshio.com/news/news_0720_01

『カワサキWファミリー大全』で青木タカオ氏がW1と片岡作品について書き下ろし
https://www.kataokayoshio.com/news/news_2025_0403_01

憧れの三好礼子さん

 片岡義男氏の文庫本をめくると、はっとさせれるような写真が、文章の合間に効果的に配置されています。故・大谷勲氏の撮影による三好礼子さんは、ファンたちの間であまりにも有名です。

三好礼子さんのカバー写真が今なおファンを魅了する片岡義男氏のオートバイ文学たち。

▲三好礼子さんのカバー写真が今なおファンを魅了する片岡義男氏のオートバイ文学たち。

『幸せは白いTシャツ』をはじめ、『アップル・サイダーと彼女』や『彼のオートバイ、彼女の島』、『ボビーに首ったけ』や『俺のハートがNOと言う』などに掲載され、今なおファンを魅了してやみません。

 青い空、入道雲、横浪ハイウェイ、ホンダCB450……、『幸せは白いTシャツ』の文庫本に挿入されている三好礼子さんをモデルにした写真は伝説的な人気で、白い上質な紙を繰り返し何度も眺めたものです。

 撮影時のことを振り返った「回顧録」も新刊には収録されていますから、ファンは必読ではないでしょうか。

 他にも片岡義男氏の書籍に載っている写真はどれも印象深いものばかりで、文章を読んでは写真をじっくり眺めて、その世界観に浸っているのはボクだけじゃないはずです。

赤い背表紙の片岡義男氏の文庫本。

▲赤い背表紙の片岡義男氏の文庫本。

 赤い背表紙の文庫本はもちろん、ハードカバーなども含めて、今もボクの仕事部屋にある本棚には片岡義男氏の著書がぎっしりと並んでいます。

 ふとしたときに、どれかを取り出し読み始めると、もうやめることができなくなり、そのまま興奮してダブワンで走り出してしまうことになりますので、原稿の締め切り間近に手にするのは要注意です。

ボクのカワサキW1SA(昭和46/1971年式)

▲ボクのカワサキW1SA(昭和46/1971年式)

嬉しい反面、出来上がった本を見て怖くなった

 ボクをダブワン乗りにし、生き方の道しるべにもなってきたと言っていい片岡義男氏のオートバイ文学たち。その新刊に、まさか自分の写真が載るなんて、冒頭で書いたように信じられません、夢のような気持ちです。

 ファンとして、その重大さがよくわかるだけに、出来上がった本を見て、ボクは嬉しい反面、なんだか怖くなりました。

「おまえじゃねーよ」「イメージと違う」と、ファンの方々に叱られるのではないかと思うのです。なので、この場を借りて「誠に申し訳ございません」と、謝っておきたいと思います。

 しかし、それでは起用してくださった編集者の佐々木優至さんや撮影していただいたカメラマンの奥隅佳之さんに対して、これまた合わす顔がないので、ビクビク怯えてばかりなのもやめておかなければなりません。佐々木さん、奥隅さん、本当にありがとうございます。ここでは片岡義男氏の新刊をしっかりと紹介したいと思います。

「道」をテーマにしたエッセイ集

■あの道がそう言った 片岡義男ロード・エッセイ、50年の軌跡


片岡義男初の「道」をテーマにしたエッセイ集! 『JAF Mate』誌で連載した同名エッセイに加えて、片岡義男が50年にわたる執筆活動で世に送り出してきた数多くの作品の中から、「道」にまつわる話を厳選して1冊にまとめました。車とオートバイ、そして道の魅力を描いた61のストーリーを収録。旅することの醍醐味が味わえるロード・エッセイです。

出版社:JAFメディアワークス
発売日:‎2025.7/14
言語:‎日本語
単行本:‏‏‎280ページ
寸法:‎18.8x12.7x1.8cm

片岡義男
1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、1974年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。1975年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。

宝物が一つ増えた

そうそうたるメンバー、企業名の中にボクの名前があります。なんてことだ! 『あの道がそう言った 片岡義男ロード・エッセイ、50年の軌跡』(JAFメディアワークス)より。

▲そうそうたるメンバー、企業名の中にボクの名前があります。なんてことだ! 『あの道がそう言った 片岡義男ロード・エッセイ、50年の軌跡』(JAFメディアワークス)より。

 カバーイラストは、安藤俊彦氏が手がけたもの。クルマやバイク好きなら、その画風を一度は目にしたことがあるはずでしょう。表紙からして、もう見惚れてしまいます。

 そして収録されている61のストーリーが、たまらなくいい。JAF会員向け機関誌『JAF Mate』2017年5月号~12月号で、8回に渡って連載されたエッセイ7作品、および2016年11月号から連載された「片岡義男の回顧録」5作品をベースに、片岡義男氏の50年に及ぶ執筆活動から生まれた2000本超のエッセイの中から厳選した「道」「旅」「クルマ」「オートバイ」にまつわる49作品を加えたエッセイ集となっています。

 表紙を眺め、帯にある「夏は季節ではない、それは心の状態だ。」を読むだけで、もう胸が高まります。そして、ページをめくると目次があり、その厳選されたタイトルがなんなのかを見ていくだけで、もぉ面白い!

 ネタバレしてはいけないので、ここではあまり触れてはいけません。ただし「うぁ、これが載っている!」と、感激したところを少しだけ書いてしまいましょう。

『アップル・サイダーと彼女』から『フロリダ・キーズとUSハイウェイ1号線』が収録されています。この短編は、ティーンエイジャーの頃のボクにはピンときませんでした。アメリカは遠い異国の地で、まだ関心が向かなかったのだと思います。

 しかし、大人になってからハーレーダビッドソンが好きになり、そこに描かれているフロリダ半島を実際に走る頃には傑作と思えるようになっていました。

「キー・ラーゴからキー・ウェストまで、ハイウェイはさんご礁の島々を縫い合わせた洋上だ。」

 官能的な表現で、読み返せばいつだってボクがハーレーで走ったときの情景が頭の中でシンクロし、涙が出そうになるほど心を鷲掴みにされてしまうのです。

ボクがフロリダUS1をハーレーで走行したのは2014年の頃でした。

▲ボクがフロリダUS1をハーレーで走行したのは2014年の頃でした。『フロリダ・キーズとUSハイウェイ1号線』で描かれていた景色が広がっていました。

 そして『アップル・サイダーと彼女』からは、『トリップ・カウンター・ブルースだってよ』と『深夜の地獄めぐり』も選ばれ、ボクとダブワンの写真はその間に挟み込まれた形で、掲載されているからたまりません! 

 どちらも、ボクの身体に刻み込まれているかのように影響を受けている作品。心から震えます!!

 奥隅さんの写真は素晴らしく、ボクのダブワンも本当に幸せ者です。しかし、被写体がまずい。不細工な顔もトリミングされず、これはきっと苦情がきちゃいます。大丈夫なのか……、嬉しい反面、不安でいっぱいです。

 というわけで、ボクの宝物がまた一つ増えました。片岡義男ファンの皆さま、どうかよろしくお願い申し上げます。

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