二輪車新聞が2022年上半期のバイク新車出荷台数(125cc以下)/販売台数(126cc以上)の推定値を発表した。原付二種クラスのみ前年同期比を割り込んでいるのは令和2年排出ガス規制への適合なども関係ありそうだ。そんな中で、CT125ハンターカブは前年の2倍近い出荷台数を記録した。

ヤングマシン編集部 ●出典: 二輪車新聞

大人気過ぎて生産が追い付かず……

二輪車新聞は、10月14日号で2022年上半期の二輪車総需要を総括した。これは毎年発表されるデータであり、どの排気量クラスが盛り上がっているのか、売れた機種はなんだったのかをつぶさに見ることができる貴重な特集号だ。ここでは二輪車新聞のデータをもとに、原付二種(51~125cc)クラスにフォーカスした記事をお届けしたい。

需要台数とは販売台数を意味するが、原付一種/原付二種クラスは全国的な販売データがないため出荷台数でカウントしているとのこと。

まず原付一種(50cc以下)の出荷台数は前年同期比9.0%増の6万6155台で、2年連続となるプラスでの折り返し。ホンダ、ヤマハ、スズキそれぞれで台数増となり、ヤマハが2年連続の上半期トップシェアに。スズキは前年同期比48.1%の大幅アップで2017年以来5年ぶりのプラスとなった。原付一種を持たないカワサキを除き、シェアはホンダ43.0%、ヤマハ45.3%、スズキ11.7%と分け合った。

気になる原付二種(51~125cc)は、全体で前年同期比26.5%減の4万9797台。ホンダは16.7%減となりつつもこのクラスを牽引(シェア70.3%)し、これにシェア17.8%のヤマハ(台数は前年同期比3.6%減)と、シェア11.6%のスズキ(台数は前年同期比55.8%減)が続く。2020年モデルのZ125プロ以来、同クラスの新車発表がないカワサキは前年同期比で20分の1を切る161台、シェア0.3%となった。

いずれもマイナスの数字が目立つようだが、2021年通期の原付二種は2020年比22.9%増を達成しており、これが大きなヤマを作ったことも理由のひとつ。2020年は通期で6万4500台(2019年比2.8%減)であったことから、2022年上半期で約5万台という数字はけっして悪い水準とは言えまい。

ちなみに、軽二輪クラス(126~250cc)は前年同期比2.8%増、小型二輪(251cc以上)は前年同期比32.1%増となっており、全てのクラスを足すと全体では0.4%増(919台増)の20万5595台(輸入車含む)になっている。

そんな中で目立った数字を残したのは、ホンダの「CT125ハンターカブ」だった。ハンターカブがこれまで年間1万5000台ペース(国内)で出荷されているが、2022年は上半期だけで9200台(前年同期4700台)を記録。PCX(125)やグロム、CB125R、クロスカブ110などが大きく前年割れをしている中、ハンターカブは2倍近い出荷台数になった。

ランキングを見ると、トップセールスはCT125ハンターカブ[9200台]。これに、唯一ハンターカブに比肩するレベルの出荷台数になったPCX[7600台](前年同期は1万4300台)が2位で続いた。これら2車は、ホンダが断トツの7割シェアを得た大きな原動力になっていると言えるだろう。

3位は惜しくも生産終了が決まったアドレス110[5000台]、4位はシグナス[4700台]で、アドレス110&シグナスは前年同期比で2倍以上の出荷台数に。これにリード125[3900台]、ディオ110[3000台]、スーパーカブ110/プロ[2900台]、アクシスZ[2800台]などが続く。

※出荷台数は全て二輪車新聞による推定値

ハンターカブの勝因は、AT小型限定普通二輪免許で乗れる気軽さに加え、アウトドア志向が強まった潮流にタフな外観と使い勝手がマッチしたことだろう。2022年10月7日には新型が発表され、12月15日に発売されることになった。従来型は7月6日の時点で受注を停止しており、受注している分についてはギリギリまで継続生産車の出荷が続くものと思われる。

以下に上位5傑を紹介しよう。

【1位:CT125ハンターカブ】2020年6月26日に発売され、2022年で累計販売台数3万台超えは確実と思われる、ホンダ横型エンジンの1番人気車種がハンターカブだ。2021年10月にグリーンが追加され、2022年12月15日には新エンジンを搭載した2023年モデルが発売予定。

■空冷4ストローク単気筒 124cc 8.8ps/7000rpm■車重120kg シート高800mm 燃料タンク容量5.3L ●価格:44万円 ※諸元は現行2022年モデル

【2位:PCX】2021年1月にフルモデルチェンジを受け、コロナ禍のバイク通勤需要に応える形で爆売れした。新型需要が一段落してか、2022年上半期の出荷台数は前年同期比の約半分になり、台数増のハンターカブに首位の座を明け渡した。PCXハイブリッド、電動バイクのPCXエレクトリック(リース販売のみ)、軽二輪クラスのPCX160などバリエーションも豊富だ。

■水冷4ストローク単気筒 124cc 12.5ps/8750rpm■車重132kg シート高764mm 燃料タンク容量8.1L ●価格:35万7500円

【3位:アドレス110】クラストップの軽量な車体や前後14インチの大径アルミホイール、48.9km/Lの低燃費を誇り、22万5500円という国産原付二種クラスで最安のスクーター。残念ながらすでに生産終了が告げられているが、新型のアドレス125やアヴェニス125が登場して、新たなラインナップを敷いている。

■空冷4ストローク単気筒 112cc 8.8ps/7750rpm■車重100kg シート高755mm 燃料タンク容量5.2L ●価格:22万5500円

【4位:シグナス】可変バルブ採用の水冷ブルーコアエンジンを搭載し、人気モデル・シグナスX(空冷)に対しパワーで20%以上プラス、燃費は約20%改善(WMTCモード/クラス1)したスポーティな原付二種スクーターがシグナスグリファス(写真)。なお、空冷のシグナスXもラインナップに残っており、10月末生産分まではグリファスと併売される模様だ。写真の60周年記念車は1000台限定だった。

■水冷4ストローク単気筒 124cc 12ps/8000rpm■車重125kg シート高785mm 燃料タンク容量6.1L ●価格:35万7500円

【5位:リード125】2022年3月にモデルチェンジした新型が発売された。高い利便性とシャープなデザインで、1982年に初登場したリード/リード80(2ストロークエンジン搭載)からの伝統の名を受け継ぐ、コンパクトなラグジュアリー系スクーターがリード125だ。出荷台数は3900台で、新型需要もあってか前年同期3000台からプラスの結果に。

■水冷4ストローク単気筒 124cc 11ps/8750rpm■車重116kg シート高766mm 燃料タンク容量6L ●価格:32万4500円 ~

2022年上半期 原付二種(51~125cc) 国内出荷台数 上位18機種(二輪車新聞推定)

●データ提供: 二輪車新聞

2022年上半期ランキング|原付二種(51-125cc)軽二輪(126-250cc)小型二輪(251-400cc)小型二輪(401cc以上)

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