今ではウインカーやストップ&テールランプなど灯火類にLEDを採用する機種が増えてきていますが、まだまだ主力は白熱球。コストに優れた白熱球ですが、LEDに比べると寿命が短いのでいずれ球切れが発生し、交換が必要になります。

特に、ウインカーやテール球は球切れしても自分では気づきにくいので、バイクに乗る際は運行前点検を実施し、点灯しているか確実に確認したいものです。

もし、点灯しないのであればまず疑われるのは球切れ。灯火類すべてが点灯しない時などは別の原因かもしれませんが、どれか1灯のみ非点灯の場合は、まず電球を外してフィラメントを目視で確認し、切れていないか確認します。

もし、球切れを確認したら新品に交換です。灯火類のバルブは交換しやすい構造になっていることが多く、少し古い車種の取扱説明書には交換手順が記載されている場合も。そのような車種に乗っている方は、参照すればメンテナンス初心者でも自分で電球の交換ができるかも。
(説明書に交換方法の記載がない場合は、お店にお願いしましょう。実践したい方はサービスマニュアルを手に入れてからトライしてみてくださいね)。

ここでは、基本的なウインカーバルブの交換方法と球切れ以外で点灯しない原因について解説していきます。参考にして作業をしてみるも良し。お店に頼んだ場合はこのような作業をしているんだな、と知識を蓄えるも良し。すべてはみなさん次第です。

多くのネイキッドモデルのウインカーはレンズを外すだけで交換できる!

これからウインカーバルブの交換を行うヤマハVMAX1200の場合、プラスドライバー1本あればウインカーバルブの交換ができます。テールバルブも同じくプラスドライバーのみで交換できます。

 

ウインカーレンズを固定するビス2本を緩めます。

ビスを抜き取ればレンズが外れます。レンズを落とすと割れてしまいますので、注意しましょう。レンズが防水ゴムパッキンとくっついて外れにくいこともあります。

バルブを押し込むようにして緩める方向に回転させると

バルブは簡単に外れます

装着は逆の手順でバルブの口金部分のピンを車体ソケットの溝に合わせて押し込み、固定方向に回転させればOKです。

バルブにはフィラメント1本タイプと2本タイプがあり!

バルブには大きく分けてフィラメント(発光部)がふたつのダブル球とフィラメントがひとつのシングル球があります。写真左がダブル球、右がシングル球です。

それぞれ共用できないようにダブル球は口金のピンが段違いになっていることが多いです。
※一部平行ピンのダブル球もありますので、購入時はご注意ください。

フィラメントが2本のダブル球は1つの灯火でふた通りの機能を持つ場合に使われます。

例としては

ポジションランプとターンシグナルの役目を担うフロントウインカーや

テールランプとストップランプの点灯を行うテールランプの場合などです。

一方のシングル球は

ポジションランプを有しないウインカーやナンバー球などに使われます。

外したバルブのフィラメントを目視してみて、切れているのが確認できれば新品に交換します。

バルブのレンズの部分や口金に記載してあるワット数と、口金やレンズの大きさが同じものを準備します。
(用品店に行くと、ラックにずらりと並んでいて戸惑うことも。店頭で購入する際は、外したバルブの持参をお勧めします)。

フィラメントが切れていないのにバルブが点灯しない例

フィラメントが切れていないのにバルブが点灯しないこともあります。

口金の錆

レンズとボディの間から水が侵入してバルブの口金部分が錆びると、そこに電気が流れなくなり、点灯しなくなることがあります。

純正ウインカーの場合、ウインカーボディとレンズの間には防水パッキンが入るのですが、これを組み忘れたり、ゴムが痩せて隙間ができると水が入ってしまうこともあります。組み付け時のよじれにも注意!

端子の摩耗

バルブが長持ちして交換の機会が無かった場合、走行中の振動などでバルブの端子部分が摩耗して接触不良になることがあります。

ハンダを盛って修正するという方法もありますが、こうなってしまったら交換するのが最善です。

口金を持たないウェッジ球タイプもあり!

先に紹介したものとは別形状の白熱球「ウェッジ球」を採用するバイクもあります。主にスクーターなどに採用例が多いです。

ウェッジ球の交換はまず、レンズ裏側のソケットを外します。ソケットは緩める方向に半回転させることでロックが外れて抜き取れます。

電球はソケットに刺さっているだけなので、引き抜くことで外せます。

フィラメントが切れていないように見えることも……

目視でフィラメントが切れているように見えなくても実は球切れしているという場合もあります。

その場合、テスターの通電確認機能を使えば球切れか否かの判断が簡単にできます。

デジタルでもアナログでも、測定レンジを抵抗(Ω)に合わせます。通電ブザー機能があればこれを設定するとよりわかりやすいです。

テスターのリード同士が接していなければ抵抗はゼロです。

リード同士が触れれば、通電するので抵抗値が表示されます。

テスターのリード線を電球の口金の部分、端子の部分にそれぞれ当てます。

球切れの場合、電気が流れないので抵抗はゼロのままですが、球切れしていないなら抵抗値が変化して数値が現れるはずです。
※ブザー機能があれば、通電するとブザーが鳴ります。

写真は球切れしていない状態です。

車体側を改造せずに電球のみLED化もできる!

今では電球型LEDも様々な種類が販売されているので、白熱球と交換するだけでLEDライト化することができます。写真は白熱球と同じ口金形状のLEDです。

白熱球とは比べ物にならないパキッとした明るさです!

LEDは長寿命、高輝度、省電力などメリットは様々ありますが、白熱球に比べて価格は高い傾向にあります。
また、安い粗悪品はLEDなのに暗くて寿命が短いケースも少なくありません。公道を走る以上、車や歩行者から視認しづらいと事故につながりますし、そもそも法律上NGですので注意してください。

また、ウインカーをLED化すると、純正ウインカーリレーの適合W(ワット)数に合わずに、点滅が異常に速くなったり、点きっぱなしになることがあります。その場合、ウインカーリレーの交換やハイフラ防止用の抵抗を別途取り付ける必要がありますので、バイクショップや用品店にパーツ購入から取り付けまでをお願いする方が無難でしょう。

 

ウインカーやテールのレンズがドライバー1本で外れる機種であれば、バルブ交換は家の電球を変えるくらいの手間。非常に簡単で、自分で挑戦できるメンテナンスなので、挑戦してみてはいかがでしょうか?

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