チェーンのクリーニングや注油、ホイール磨き、タイヤのチェックなど、これがあれば作業がラクになる。今回はそんなスタンドをご紹介します。
メンテナンスローラースタンド
センタースタンドがないバイクのホイール&チェーンメンチナンスに最適な、デイトナの「メンテナンスローラースタンド」(税込4,400円)。2本のローラーにタイヤを乗せれば、あとはタイヤを手で回せるようになる。リアタイヤ、フロントタイヤ、両方に使えます。
ネットのレビューを見ると「そう簡単にはタイヤが回らない」なんて書き込みもありますが、この製品は耐荷重が200㎏ですから、それ以上の重さの大型バイクには推奨されていないのです。
筆者の所有するヤマハXSR700は車両重量が188kgですから、充分に使えています。
サイズは長さ345㎜、高さ42㎜、幅215㎜と、意外とコンパクト。しまっておく際もそれほど困りません。
対応タイヤは10~19インチ
ローラーの取り付け位置は3段階から選べるので、まずはローラーの軸を押し込み、愛車のタイヤサイズに合わせて最適な位置にセットします。
この位置にセットすれば、目安として10~12インチのタイヤに適合。
この位置なら、17~19インチのタイヤに適合。ちなみに真ん中の穴にセットすれば、13~16インチのタイヤに適合します。
繰り返しますが、耐荷重は200kg。そしてタイヤ幅は200㎜までとなっています。
タイヤの乗せ方が重要
メンテナンスローラースタンドの片側は、滑り止め付きのスロープになっています。このスロープ側を、持ち上げたいタイヤの前にまっすぐ置き、ゆっくりとバイクを前進させます。タイヤがスタンドの中心、2本のローラーの間にまっすぐ収まってくれれば、よりタイヤを回転させやすくなります。
タイヤの位置が左右どちらかに片寄っていたり、メンテナンスローラースタンドの向きがタイヤの向きとズレていたりすると、タイヤは回しにくくなります。
作業を開始する前に
作業する際はサイドスタンドを出して車重を預けるわけですが、車体が前後に動いてしまっては、倒れる危険性がありますよね? なので、タイヤを乗せていないほうのブレーキを、かけておく必要があります。
リアタイヤの作業をするのなら、フロントブレーキをロックさせる。フロントタイヤの作業をするのであればギアを入れ、リアタイヤが動かないようにします。
フロントブレーキをロックさせるのに、こんな便利なものがあります。デイトナの「フロントブレーキロック」(税込902円)。
ブレーキレバーとグリップを固定して、フロントブレーキをロックさせる道具です。整備中の不意な転倒を抑止するだけでなく、傾斜地にバイクを停めておく際にも使えます。
メンテ作業がはかどる!
試しにホイールを磨いてみたら、まあ汚いこと。タンクやエンジンやマフラーなどは、汚れるとすぐに磨きたくなるものですが、ホイールってついついサボりがち、なんですよね。
でもメンテナンスローラースタンドがあれば、ホイールもチェーンも手軽にメンテできるはず。片手でひょいひょい回せるわけではありませんが、ローラーにはベアリングが仕込まれているので、両手を使えば比較的ラクに回すことができます。
タイヤを回す際は、サイドスタンドが解除されそうになったり、タイヤがローラーからズレたり、メンテナンスローラースタンドが動かないように注意しながら行なってください。
チェーンのメンテナンスに関しては、ミヤシーノ宮下豊史さんがForRに詳しい記事を載せていますので、そちらをご参考ください。この本文の最後にリンクを貼っておきます。
フロントタイヤの場合は
フロントタイヤをメンテナンスローラースタンドに乗せる場合は、リアタイヤの時よりも慎重に。
リアタイヤを乗せる際は、乗った瞬間にフロントブレーキレバーを握って車体の動きを止めることができますが、フロントタイヤを乗せる場合、ブレーキレバーを握るとタイヤがローラーの上で滑り、やや不安定になるのです。なので、ブレーキレバーに頼らなくても済む力で車体を前に押し出してください。
また、フロントタイヤを乗せる場合は、作業中に車体が安定するよう、ハンドルを内側に完全に切った状態にしておく必要があります。
フロント、リア、どちらのタイヤにも言えることですが、作業時はサイドスタンドに車重を預けるため、車体はサイドスタンド側に傾きます。するとタイヤも左側に傾くため、タイヤの接地面が左側にズレることになります。
タイヤは、メンテナンスローラースタンドの中心に置くのがベストですので〈乗せた後に接地面が左側にズレる〉ことを予測した上で、タイヤをスロープに進入させてください。早い話が、乗せる際は中心よりもちょっと右側に乗せる、ということです。そうすれば、傾けた際に接地面が中心に来る、というわけです。
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