筆者があこがれの事務所兼ガレージを手に入れて3年が過ぎました。置き場所があるのでバイクは増える一方で、ついに二桁の大台に乗ってしまいました。さらに物欲の赴くままに増やしたのがガレージ工具の数々です。
エアコンプレッサーや高圧洗浄機、メンテナンススタンドなどは当初から導入済み。ハンドツールは昔から所有していましたが、せっかくなのでガレージを手に入れたタイミングで一新。電動ツールも導入し、作業効率がぐんと上がりました。ガレージの一番の利点は、作業中のバイクや工具をいちいち片付ける必要が無い点。作業の途中であっても、ドアに鍵をかけるだけで外出することができます。
そんな色々と拡充してきたガレージ設備の中から、最近導入した「ガレージライフを快適にするアイテム」をご紹介します。
大型ロールキャビネットの導入
工具は壁に有孔ボードとフックを設置しそこへ引っ掛けていましたが、続々増える工具を掛けきれず、ガレージ内の至る所へ分散してしまうことに。こんな状況で作業をしていると、とにかく効率が悪いです。使いたい工具が見つからず、いろんな引き出しを開けては閉めての繰り返しに陥ります。
「工具を置いて置く場所を一元化したい」
友人がガレージに遊びに来たタイミングで、その悩みを打ち明けたところ「大きなロールキャビネットを購入した方が絶対によい」と力説され、そのまま工具店へ買いに行くことになりました。
据え付け型も考えましたが、頻繁にガレージ内で撮影をするので、移動しやすくちょうど良いサイズのロールキャビネットに決定。よくある赤色ではなく黒色という点にも惚れて購入。かなりの重さがありましたが、二人がかりでトランポに載せて帰ってきました。
値段を調べようと、アストロプロダクツのホームページを見たところ、記載がありませんでした。どうやら廃番のようです。自身が購入したのは店頭特価品で、恐らく5万円弱だったかと。
整備時の効率を向上するために、このキャビネットにガレージ内のいくつもの収納場所に散らばっていた工具を集め一元化しました。
キャビネット上部にはKTC NEXTの工具セットを設置。ここにはよく使うハンドツールを収納しました。
新規で購入したロールキャビネットは、KTCのメガネレンチやオープンスパナを入れています。黒いトレーはアストロプロダクツ製で、ロールキャビネットと同時に購入。種類別に仕分けができて整理整頓に役立っています。
下段には、あまり出番のない1/2インチサイズのソケットレンチが入っています。バイクでは足回り整備やエンジンの脱着時以外ではあまり使用ないので、今まではガレージの奥の収納スペースにしまっていました。しかし、ロールキャビネットの大容量の収納スペースのおかげで、使用したい時にすぐに取り出せるようになりました。
さらに下段には、仕事道具であるカメラ一式を収納しています。工具よりもこちらの収納場所ができたのが、実は一番嬉しかったりします。
キャビネットはスチール製のなので、下記のような磁石が仕込まれたオプションパーツを取り付けできます。サイドトレイ、ペーパーホルダー、スプレー缶ホルダーなど。自分好みにカスタマイズできて楽しい!
ロールキャビネットを導入したおかげで工具を一元化でき、整備中に工具を探しまわる無駄な時間がなくなり、作業効率がかなり向上しました。少々高価なアイテムでしたが、費用対効果を考えると抜群に良い結果になったと思いますので、大満足です。
樹脂製タイル「TECTile(テックタイル)」
元々、ガレージの床はコンクリートの打ちっぱなし。表面が粉っぽく、至る所に染みがあったので自分で塗装しました。油性シーラーで足付けをしてその上に灰色の水性塗料を塗装。しかし、この3年の月日でオイルやパーツクリーナー、攻撃性の高いケミカルによりせっかくの塗装がどんどん薄汚れ、しまいには剥げてきました。
実は、1年前に再塗装をしたのですが、水性塗料を上塗りしただけだったので、長くは持ちませんでした。もう一度、塗料を剥がし、油性シーラーからやり直せば、耐久性のあるきれいな床に仕上げられるのですが、ガレージに詰まったバイクと荷物を逃すところがありません。
そこで今回目をつけたのが床の上に敷くだけの樹脂パネル「TECTile」です。東京モーターサイクルショー2023で見つけたガレージアイテムです。
一枚33センチ四方の樹脂製タイル。これをつなぎ合わせます。
タイルの端の突起の穴に、タイル裏面の爪をはめ込み連結していきます。
爪を折らないように、注意が必要です。
爪の部分を上から抑えつけると「パキ」という音と共に爪がはまります。
慣れると足で抑えつけて連結することもできます。
敷きたいスペースに合わせてタイルを連結していきます。筆者は濃いグレーと薄いグレーのタイルを使い市松模様になるように組み合わせました。11色ありますので、自分好みの配色で選ぶことができます。
タイルの端には傾斜のついたエッジパーツを装着します。バイクやキャスターの上げ下ろしで引っかかることはありません。
筆者のガレージの床は表面がツルツルしていますので、連結していてもTECTileが滑ります。バイクを載せようとすると全体が滑ってずれるので、その防止策として、薄いゴムシートを下に敷きました。
5枚×8枚、合計40枚を敷きました。
オーダーしたのは、Bike-2セット 2,080mm × 2,410mm(6×7枚)(価格:税込53,900円)でしたので、2枚余りました。
バイクを載せてみます。BMW R1200GSアドベンチャーは、装備も含めると240キロを優に超える重量車です。
センタースタンドをかけてもタイルの表面が凹むことはありません。
TECTileのカタログスペックをWEBサイトから抜粋してきました。
●耐回転荷重 80000ポンド(約36トン)
●耐圧 3120psi 219kgf/cm²
●耐温度性 -30℃~120℃
●防炎レベル 日本の消防法における防炎物品「認定製品」防炎性能試験クリア
●耐性 耐衝撃性、紫外線防止、酸化防止、耐家庭用化学薬品、耐石油製品(変色の可能性あり)
●使用環境 屋内
上から二つの数値を見る限りでは、大丈夫そうです。防炎レベルもバッチリなので、ガソリンが入ったバイクを保管するガレージアイテムとして使用するにも安心です。
タイルを敷くのにかかった時間は正味30分ほど(実際は撮影の手間もあったのでもう少しかかりましたが)。ほんの一手間でガレージの雰囲気はがらりと変わりました。こだわりのあるおしゃれな空間に様変わり。
ただ残念なのが、右下に見える、元の床の塗装の禿げた箇所。ここも隠したいので、手前側に2列タイルを追加して敷きました。
2列×8枚=16枚の追加ですが、元のセットの2枚を余らせていたので、追加で14枚とエッジ4枚を追加注文。このように自分の好みに合わせて自由にオーダーできるのもTECTileの強みです。
今まではマフラー交換をする際に重い金属パーツを床に直接置きたくなかったので、段ボールを敷いていましたが、その必要がなくなりました。上の写真のように外装パーツも同様です。
工具やボルトを落下させても、「キーン」という金属音がガレージ内に響かなくなったのも嬉しい効果です。
オイルやグリスをこぼしても染み込むことがないので、ウエスで拭いたり、パーツクリーナーで洗浄するだけで綺麗になります。どうしても落ちない汚れや、破損があったとしても該当するパネルだけを交換すれば元通りになります。
床を美しく維持できるようになったので、撮影時に床の状態を気にすることもなくなりました。写真映えも抜群に良くなったので、大満足の逸品です。
ロールキャビネットとTECTileでガレージが華やかにそして機能的になりました。
TECTileの施工動画はこちらから。
おまけ:ロータリーエンジンのハウジングとローター。
一方で、ガレージライフを豊かにしてくれたアイテムがもうひとつあります。バイクにもガレージにも全く関係ない品ですが。
マツダが誇るロータリーエンジンのハウジングとローター。たまたま訪れたイベント会場のブースで販売されている物を見つけました。20年前にRX-7に乗っていたので懐かしさから購入。スポーツカーの中古車相場が高騰し、富豪でないと買えないレベルに。車は買えないけど身近にロータリーを感じられるので、ガレージ内で過ごす時間が豊かになりました。
古いバイクもどんどん値が上がってきてますね。CB750KやGPZ900Rなどエンジンだけでも購入して手元に置いておこうかしら。