キャンプ用ストーブの燃料について

 ガス、ガソリン、灯油、アルコール、固形燃料。キャンプ用のストーブは、どんな燃料を使うタイプなのかで大きく分けることができます。どのタイプを選ぶかは、はっきり言って、自分の好み。だって、キャンプツーリングはレジャーですから。
 ただし、燃料によって特徴が異なります。火力の強さ、使いやすさ、燃料の入手がカンタンかどうか。道具としての味わい……。細かく説明していくには、膨大な数の画像とテキストが必要になりますので、今回はガスストーブのお話でまとめます。

ガスストーブ

 これはガスストーブの燃料。右は家庭用の卓上コンロにも使われるカセットボンベで、CB缶とも呼ばれています。左は登山などでよく使われているタイプで、OD缶と呼ばれています。OD缶を使うストーブは火力が強く、非常にコンパクトなものもありますが、燃料のOD缶は比較的高価で、ツーリング先で入手しにくいというデメリットも。その点、CB缶は入手しやすく、安い。スーパーやコンビニ、ホームセンターなどで、3本セットで販売されています。100円ショップではバラ売りもされています。北海道でも、沖縄でも、離島でも手に入ります。筆者は海外でキャンプツーリングした際、ニュージーランドやモンゴルなどの国々で買い求めたこともあるぐらいです。
 登山でも使いたい、というのならば話は別ですが、ツーリング重視で選ぶとなれば、入手しやすくコスパのいい、CB缶タイプが無難でしょう。まあ、各自のお好みで、という大前提はありますけれども。

CB缶タイプのベストセラーがこれ

SOTO レギュレーターストーブ ST-310

 発売以来、ベストセラーになっているのが、SOTOというブランドの「レギュレーターストーブ ST-310」。愛知県豊川市の新富士バーナーが製造・販売しています。画像の製品はずいぶん汚れていますね。それだけ長く筆者が愛用してきたのだと、ご理解ください。こいつが優れているのは、火力が強く、安定しており、燃料のガスを最後まで使い切れること。それまでのCB缶タイプは、そこが大きな弱点だったのですが、SOTOは独自開発のマイクロレギュレーター機能で解決したのです。外気温25℃~5℃の環境下でも常に一定の火力を発揮するので、一般的なキャンプツーリングの環境では充分に使えます。

使いやすいのが何よりうれしい

SOTO レギュレーターストーブ ST-310

 ストーブにCB缶をセットし、器具栓つまみをひねればガスが出ます。つまみの下にある黒い点火スイッチを押せば、バーナーヘッド部に火花が飛び、ガスに点火する仕組み。たったこれだけでOK。ガソリンストーブだと燃料タンクの内圧を高めるためにポンピングしたり、プレヒートしたりと準備が必要ですけど(その儀式が楽しいという人もいます)、レギュレーターストーブST-310は面倒いらず。

SOTO レギュレーターストーブ ST-310

 超コンパクトなOD缶仕様のガスストーブに比べると、レギュレーターストーブ ST-310のごとくは大きなもの。けれども、底面積の小さなシエラカップだって載せられる形状になっています。

SOTO レギュレーターストーブ ST-310

 ゴトクが大きいから、大型のクッカーを載せた場合に安定感があります。大型クッカーを火にかけた際に発生する底面からの輻射熱は、ステンレス板によってしっかりガード。輻射熱でCB缶が加熱されると、爆発する危険性がありますから、これは非常に安心です。

サイズも価格もちょうどいい

SOTO レギュレーターストーブ ST-310

 レギュレーターストーブST-310を、畳んだ状態。使用時のサイズは幅166×奥行142×高さ110mm(本体のみ)ですが、収納時は幅140×奥行70×高さ110mmに。手のひらに乗るサイズです。
 こんなにコンパクトなのに、発熱量は最大2.9kW(2,500kcal/h)と充分すぎるほど。しっかりした火力がありながらも、燃費はよく、1本のCB缶で1時間以上は余裕で使えます。これだけ優秀なのに、お値段は税込6380円。ベストセラーになるのも、よくわかります。
 扱いやすくて、コンパクトで、燃料が安くて入手もしやすい。キャンプツーリング用に初めてストーブを買う、という方には、選択肢のひとつに加えて欲しい製品です。
 で、そのうちに他のストーブも欲しくなってきたら、どうぞお好みで。OD缶仕様のガスストーブもガソリンストーブも固形燃料タイプも、どれもこれも気になって買っちゃうって人、たくさんいますから(筆者もその一人)。

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