2023月5月1日に発売が開始された『ゼロスヘルメット ジェット2』。モデルチェンジしての新登場時には新製品として概要を紹介したが、今回、実際に使用してみる機会を得たのでそのレビューをお届けしたい。この『ゼロスヘルメット ジェット2』は、他のROM製品同様、インターネットなどでの通信販売は行っておらず、購入できるのは全国のレッドバロン店頭のみとなっている。

ROM ゼロスヘルメット ジェット2

ROM「ゼロスヘルメット ジェット2」税込21,780円。

 

ROM』とは、REDBARON・ORIGINAL・ MOTORCYCLE GEARの頭文字で読み方は“ロム”。レッドバロンがリリースするオリジナルの用品ブランド。“ライダーが本当に欲しがるアイテムをリーズナブルな価格で提供”をモットーに、ライディングウエアはもちろん、バイクカバーバッテリー充電器などをラインナップしている。

『ゼロスヘルメット ジェット2』最大のブラッシュアップポイントはFRP帽体の採用

2012年の登場以来、初のフルモデルチェンジを行なった『ゼロスヘルメット ジェット2』の最大のフィーチャーポイントは、兎にも角にもこれまでのABS樹脂帽体から、FRP帽体へと製造方法を変更したことにある。

『ゼロスヘルメット ジェット2』を手にすると、まず“高級感がアップした”と感じた。前作に比べると、手に持った時の剛性感というか、しっかり感というかとにかく雰囲気がよくなっているように感じるのだ。

この高級感アップの秘密がFRP帽体にあるのかちょっと不明だが、塗装の深みが出たり、持った時のしっかり感として表れているような気がする。ABS樹脂帽体にありがちな軽々しさがないと言えばいいだろうか……。

ROM ゼロスヘルメット ジェット2

FRP帽体は一枚一枚クロスを張り込んで作るため製作に手間がかかるが、そのぶん高強度で軽くできたり、細やかな凹凸の作成が可能になる。

 

『ゼロスヘルメット ジェット2』は帽体サイズも増えてサイズも豊富に!

また新作の『ゼロスヘルメット ジェット2』は、FRP帽体へと製造方法を変更したことにより帽体の大きさを2種類用意することになった。S~Lには小さいサイズの帽体を使用しており、より小さく軽く、フィット感がアップ。XL、XXLには大きなサイズの帽体を用意したことで、サイズ展開にXXLが新たに加わることになったのだ。

今回の試用にあたっては、帽体サイズの異なるSサイズとXXLサイズを用意してもらい比較してみた。

ROM ゼロスヘルメット ジェット2

右がXXLサイズで、左がSサイズ。ちなみに今回の記事で使用した写真は着用カットがSサイズ、走行写真をXXLサイズで撮影を行っている。

 

並べて置いてみると帽体の大きさの違いがよくわかる。ヘルメットはなるべく見た目が小さい方がバイクを走らせる際には絵になるもの。多くの人が使うであろう需要の多いS~Lの帽体がより小さくコンパクトになったとなればそれはとても嬉しいことだ。

一方、XL、XXLサイズは帽体を大きくしたことでより幅広いサイズ展開が可能になった。XXLサイズを被ってみると、いままで体験したことがないくらいの余裕を感じる。どのメーカーのヘルメットもなんだかキツくて……というライダーは一度このXXLサイズの『ゼロスヘルメット ジェット2』を試してみるといいだろう。

『ゼロスヘルメット ジェット2』のディティール

今までにないあご紐の取り回しでフィット感抜群

ROM ゼロスヘルメット ジェット2

チークパッドとベルトサポートが一体化しているという新しいあご紐の取り回し方を採用。これにより装着時のフィット感が大幅に向上した。

 

旧モデルからあご紐の取り回し方を一新した『ゼロスヘルメット ジェット2』。他に例を見ないあご紐の取り回しだが、これがなかなか秀逸なのだ。チークパッドのクッションごとあご紐で締め付けるようになっているのだが、頬全体を包み込む様にホールドしてくれるので今までにないフィット感がある。


そのあご紐の固定には、着脱のしやすいワンタッチバックル式を継続採用するも、ラチェットタイプから差し込み量を2段階でプリセットするタイプへと変更。これにより一度好みの締め付け具合を設定してしまえば素早い着脱が行え、しかも2段階で締め付け具合が変えられるので、薄着の夏、ネックウォーマーをする冬……といった状況での使い分けが可能になっている。

ROM ゼロスヘルメット ジェット2

2段階でプリセットするワンタッチバックルになったため、着脱がスピーディ。締め付け時には差し込むだけでロックがかかり、脱ぐ場合には赤いタブを引っ張るとバックルがリリースされるようになっている。

 

便利なフリップ式インナーシールドバイザー

ROM ゼロスヘルメット ジェット2

強い日差しを遮ることで疲労軽減に大きな効果があるフリップ式インナーシールドバイザー。

 

サングラスいらずのスモークタイプのフリップ式インナーシールドバイザーを装備。操作スイッチがヘルメット左下部の縁にあるため直感的に操作でき、とっさの時も確実な操作ができる。

ROM ゼロスヘルメット ジェット2

直感的に操作が可能なフリップ式インナーシールドバイザーの操作スイッチ。

 

また前作にもフリップ式インナーシールドバイザーが採用されていたが今回のモデルチェンジでは形状を工夫しており、メガネに接触しにくいような形状になっている。

ROM ゼロスヘルメット ジェット2

眼鏡ライダーでも使いやすいインナーシールドバイザー形状を新採用。

 

シールドの剛性感がアップ!

ROM ゼロスヘルメット ジェット2

シールド下部、1/5くらいにある折り返し箇所のリブを設けたことで前作比でシールドの強度が飛躍的にアップ。転倒時の保護能力も上がっているという。

 

モデルチェンジにあたりシールド形状も一新。シールド下部に面の折り返しを設けているのだが、これでシールド部分の強度が大きく向上しているのだろう、上げ下げ時にもシールドが歪まず確実な操作が可能だ。

これだけの剛性感があれば、当然転倒時のプロテクション性能も上がっているだろうし、高速走行時のビビリも少なくなっている。実際は走ってみてもなんの不具合も感じず快適だった。

ROM ゼロスヘルメット ジェット2

シールドは4段階で開閉具合を調整できるのだが、高い剛性感のおかげでシールドの上げ下げ作業がとてもしやすい。

 

インカムスピーカーホール

ROM ゼロスヘルメット ジェット2

帽体の内装部分には、インカムスピーカーが取り付けやすいように凹みをあらかじめ設けてある。配線が凹みのエッジに当たって断線しないよう、切り欠きが設けてあるのが心憎い!

 

Dリング標準装備

ROM ゼロスヘルメット ジェット2

あご紐の固定がワンタッチバックル式なので本来Dリングは必要ないのだが、ヘルメットホルダー使用を考慮してあご紐にはDリングも装備している。しかも使用する時だけ引き出して、走行時は邪魔にならない様に収納しておけるようになっている。

 

ベンチレーションのアウトレットが開閉可能に

前側のインテーク2ヶ所に後部のアウトレット1ヶ所というベンチレーションの数は変わらないが、今回のモデルチェンジで後部のアウトレットが開閉可能になった。インテーク側の開閉もアウトレット側の開閉もグローブのままでも操作しやすく、確実な操作が行えるようになっている。

ROM ゼロスヘルメット ジェット2

ヘルメット前方にはインテークが2ヶ所。

ROM ゼロスヘルメット ジェット2

後方のアウトレットはシャッターを備え、開閉できるようになっている。

ROM ゼロスヘルメット ジェット2

ゼロスヘルメット ジェット2

●税込価格:21,780円
●サイズ:S(55~56cm)、M(57~58cm)、L(59~60cm)、XL(61~62cm)、XXL(63~64cm)
●カラー:グラスホワイト/メタリックブラック/ダークシルバー/マットブラック

 

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