バイクにトップケースを装着しているライダーって、ずいぶん増えたような気がします。ツーリングにも便利だし、通勤・通学、買い物でも役に立つ。人気ブランドはやっぱりイタリアのGIVIかなあ。世界70カ国での販売実績があり、40年以上の歴史を有しています。GIVIのトップケースを装着する際、どんなキャリアだったら取り付け作業がラクなのか、今回はそんなお話です。
トップケースの実用性は極めて高い
筆者もGIVIのトップケースを活用しています。雨が降っても中の荷物が濡れないし、出かけた先でヘルメットを保管しておくのにもいいですよね。盗難の心配が激減しますから。取材でカメラ機材を運ぶ際も、トップケースに入れておくと安心できます。フタがフラットなものだと、キャンプの際のテーブル代わりにもなったりします。以前は「箱なんて積んじゃうと、見た目が不格好」なんて思っていたものですが、いまはいろんなデザインのものがあって、装着しても雰囲気を壊しません。
筆者が活用しているのは、GIVI「E43NTL-ADV モノロックケース」。スタンダードなE43NTLに、インナーボトムマットやバックレスト、上蓋フック&ネットを付加した特装モデルで、アドベンチャールックなところが気に入って購入。定価は33550円ですが、アマゾンではこれより1万円ほど安く売っています。ちなみに製品名の「ADV」は「アドベンチャー」じゃなくて、「アドバンス」の略。
トップケーズ外装サイズは、奥行×幅×高さが455×545×318mm。容量は43L。ヘルメットも、形状やサイズによってはふたつ入りました。……いやいや、今回は「E43NTL-ADV モノロックケース」を紹介するのが目的じゃなくて、どんなキャリアだったら取り付け作業がラクなのか、でしたね。それでは先へ進みましょう!
意外とコツがいるベースプレートの取付
GIVIのトップケースは、車種専用設計のモノキーシリーズと、汎用のモノロックシリーズがあって、今回のお話は汎用の方なのですけれども、トップケースを取り付けるにはまず写真のベースプレートをリアキャリアに装着する必要があります。ベースプレートをしっかりとキャリアに装着しておかないと、トップケースをがっちり固定することができない、そういう構造になっています。で、そのベースプレートを装着するためには、ボルト、波型ステー、ワッシャー、ナットなどをそれぞれ4個ずつ使って、リアキャリアに固定するのですが、まあこれが面倒なこと面倒なこと。
まっすぐ正確に取り付けようとしても、ベースプレートのどの穴にボルトを差せばうまく行くのか、リアキャリアを挟み込む波型ステーがいい感じのところに来てくれるのかどうか、思案しつつ工夫しつつトライ&エラーの繰り返しは必須。
筆者のようなサンデーメカニックには荷が重いと言わざるを得ません。波型ステーとナットを指先で慎重にはさみ、キャリアの裏側にそーっと運んで、反対側の手でベースプレートの上からボルトを差し込みます。ボルトの先端がうまい具合に波型ステーの穴を通過し、さらにナットへまっすぐ到達し、ナットをポロリと落とすことなく回し締め…、息を止め、全神経を集中させても、そううまくは行かないのです。なので、どうにかして取り付けがうまく行った場合にはもう、二度とこんな苦労はしたくないと、ベースプレートは生涯つけっぱなしに決定。トップケースを外して出かける際も、ベースプレートだけは付けたままの状態に。これって、トップケース愛好者にとっての「ベースプレートあるある」じゃないでしょうか。
マルチウィングキャリアなら、話は別!
ところがです。ある日、気づいたんですね。デイトナの「マルチウィングキャリア」ならば、苦労いらずだということを。
イタリアのGIVI製品を、日本で取り扱っているのがデイトナです。そしてマルチウィングキャリアは、そのデイトナが開発設計・製造販売しているリアキャリアです。ちゃんと考えてくれていたんですね、デイトナは。マルチウィングキャリアにあらかじめ開けられている穴の位置と、ベースプレートの穴の位置が、ドンピシャだったのです!
マルチウィングキャリアの上に、GIVIの汎用ベースプレートを載せると、こうなりますの図。あれこれ検討を重ねなくても、汎用ベースプレートを重ねれば答えが出るのです。
しかも! マルチウィングキャリアのアルミトッププレートは平たいので、ベースプレートに付属していた波型ステーを使わなくてもガッチリ固定できます(ただし筆者は責任を負えませんので、自己判断でお願いしますね)。平らなアルミトッププレートに、平らなベースプレートを重ねて取り付けるんですから、装着後の安定度も高いというもの。
取付簡単、つまり取外しも気軽!
取り付けが簡単ということは、トップケースを外して使う際、ベースプレートも気軽に取り外せる、ということ。せっかくのリアキャリアに、意味もなくベースプレートを付けたままにしておかなくてもいい、ということです。リアキャリアをリアキャリアとして、その機能をフルに活用できる、ということです。
ベースプレートを外せば、こう。ストレッチコードをかけるための穴が、あっちにもこっちにもあります。そもそも車両に付いている荷掛けフックも合わせれば、どのようにも荷物が積める、というわけ。
で、トップケースを装着したい場合は、ベースプレートをささっと取り付ける、と。マルチウィングキャリアは、車種専用フィッティング。もしご興味がおありなら、ご自分の愛車に装着が可能かどうか、こちらからお調べください。
DAYTONA マルチウィングキャリア
ちなみに筆者のCRF250RALLY用は、税込14850円でした。ではまた!