テントが先行で届けられたので、さっそくキャンプツーリングで使ってみたぞ!

●文/写真: 大屋雄一(OYA Yuichi) ●取材協力: ワークマン

テントはSG基準に準拠し、キャノピーポールまで付属する

今回テストしたのはFieldCore(フィールドコア)のFTE01 BASICドームテントだ。設営しやすいダブルウォールのドーム型であり、一般的には別売りとなることが多いキャノピーポールまで付属してのお値段は何と4900円(!)。6種類ものカラーバリエーションを展開し、こちらに届いたのは「迷彩」というカラーだ。

本体サイズは長さ215cm×幅104cm×高さ98cmで、ソロ用としては標準的な大きさ。収納時の寸法は直径13cm×55cm、公称重量は2.5kgとなっており、キャンプ用途も考慮した大きめのシートバッグであれば中に収納することが可能だ。

このテント、4900円!

筆者の愛車であるヤマハのツーリングセロー。モトフィズ(タナックス)のキャンピングシートバッグ2にツアーシェルケース2を組み合わせるのがキャンツー時の定番スタイルだ。

左手前からFieldCoreのアルミテーブル、BASICドームテント、THP02アウトドアマットレスで、このほかにシュラフやコットなどが未拡張のシートバッグに収納できてしまった。

収納時サイズは直径13cm×長さ55cmを公称するが、実際にはメインポールを畳んだ状態での最小長さ(約50cm)ほどとなる。収納袋の開口部はロールクロージャーで、側面には2本のコンプレッションベルトがあり、テントの畳み方が少々雑でもあとからコンパクトに圧縮できるのはビギナーにとってありがたい。

これが内容物で、左から収納袋、フライシート(75Dポリエステルタフタ)、本体(75Dポリエステルタフタ、フロアシートは210Dポリエステルオックス)、ガイロープ×6本、取扱説明書、ペグ×13本(収納袋内)、天井ネット、メインポール×2本とキャノピーポール×2本(まとめて小袋に収納されている)だ。

設営手順は非常に簡単、使用前は取扱説明書に目を通そう

設営手順はダブルウォールのドーム型としては一般的なもので、組み立てた経験のある人なら説明書を読まずとも設営できるはず。それだけシンプルで分かりやすい設計となっているわけだが、破損や事故を未然に防ぐためにも、初めて使用する前には取扱説明書を一読してほしい。

手順を簡単に説明すると、まず本体(インナーテント)を広げて前後を確認する。設営場所と向きを決めたら、次に2本のメインポールを伸ばして本体の対角線上に置き、両端を本体の四隅にあるそれぞれのリングに差し込む。あとはポールを立ち上げて本体にあるフックを引っ掛けていき(これを吊り下げ式という)、頂点の交差部分にヒモを結べばインナーテントの完成だ。

インナーテントが完成した状態。このまま片手で持ち上げて移動することも可能だが、裏を返せば強風時には飛ばされやすいということ。設営場所と向きを決めたら早めにペグダウンを。

バック側は換気のために上方1/3ほどがメッシュ地となっている。中で火気を使用していなくても呼気で酸素不足に陥る可能性があるため、寒いからといってここをふさぐのは厳禁だ。

インナーテントの中央部にあるヒモは、メインポールが交差している部分に結び付ける。

フックはポール1本につき6か所、計12か所ある。引っ掛ける際、皮膚を挟まないように。

フロントドアの上半分は通気量を調整できる2WAYメッシュゲートとなっており、ポケットとしても利用可。

インナーテントには付属の天井ネットが取り付け可能で、天井のランタンフックが通せるという工夫も。

一般的にテントの下には傷や汚れ、浸水を軽減するためのグランドシートを敷くことが多いが、荷物が増えてしまうことから、フロアシートを厚手の210Dとしてこれを不要とした。

本体中央にあるポケットとコーションラベル。ヘルメットなどの安全基準で知られるSG基準に準拠していることがこれで分かるだろう。なお、このラベルは切り取らないように。

続いて本体の四隅に付属のペグを打ち込み(これをペグダウンという)、この時点で内側に天井ネットを取り付ける。あとは向きを確認しながらフライシートをかぶせて本体の四隅とバックルで接続し、各部をペグダウンしてガイロープを張ればテントの設営は完了だ。

これが完成図だ。ガイロープ(張り綱)を張らなくても自立はするが、耐風性が低くなるだけでなく、結露などによりフライシートと本体が密着して発生するトラブル(浸水、酸欠など)を防ぐためにも必ず張っておきたい。

フライシートのバック側にはベンチレーションが設けられており、収納時にはこれがベルクロで閉じられている。本体にかぶせたらここを立ち上げるのを忘れないようにしよう。

フライシートのドアはこのようにロールアップしてトグルで留めておける。開口部の高さは地面から約80cmで、身長175cmの筆者でも出入りのしやすさはまずまずといったところ。

付属のキャノピーポールとガイロープを使うことでフライシートのドアがひさしに。高さを20cm増やすためのキャノピー延長ポール(299円)がテントと同時に発売される予定だ。

フロアシートとフライとの間に生まれるエリアは前室と呼ばれており、ブーツなどを夜露から守るのに重宝する。ヘルメットを置くにはギリギリのボリュームといったところか。

これが付属のペグで、安価なテントではごく一般的なもの。今回設営した大洗キャンプ場はこれが手で刺せるほど地面が柔らかかったが、それでも何本かはうっすら曲がってしまったので、2~3回キャンプしたら買い換えは必至だ。

最低気温マイナス1.5℃! 大洗キャンプ場でガチ1泊してみた

テントの性能はやはり泊まってみなければ分からない、ということで実際に朝まで過ごしてみた。場所は茨城県東茨城郡大洗町にある大洗キャンプ場。テストしたのは1月上旬なので明け方の気温はマイナス1.5℃まで下がったが、結果的には何の不満もなく朝を迎えることができた。空気が乾燥していたからかインナーテント内側の結露は一切なし。また夜半に雨予報があったものの結局降ることはなかったので、防水性のチェックについては次回以降に持ち越しに。

寒さ対策として、地面からの冷気を遠ざけるためローコットを使用した。写真はAmazonで入手したものだが、同様のアルミローコットがワークマンからも5800円でリリース予定だ。

コットの上にTHP01 アウトドアマットレス(1900円)を敷いた。低反発ウレタンフォームを用いたマットレスで、バイクで運ぶには少々かさばるが、寝心地はなかなか良かった。

冬キャンの醍醐味と言えばやはり焚き火だ。暖を取るためにも有効な手段であり、バイクで携行しやすいコンパクトサイズの焚き火台や、薪ハサミもワークマンから発売される。

テントの外はマイナス1.5℃まで冷え込んだのに対して、人間が寝ているテントの内側は2.6℃までしか下がらなかった。たった4.1℃の違いとはいえ、体感的にこの差は大きかった。

エントリーモデル以上の満足度。ローコストでソロキャンを始めたい人へ

生地や縫製、シームテープの処理などは1万円台のテントに比肩し、実際に1泊してみたが特に不満を感じなかった。これが蒸し暑い時期ならもっと通気性を高めたいだろうし、また小石がたくさん落ちているようなサイトならグランドシートがあった方が良かった、などという不満が出ただろうが、そうした問題は現場で使ってみなければ分からないもの。ちなみに高価なウルトラライト系のテントは軽量化のため薄い生地が使われており、取り扱いが難しいものも多い。このBASICドームテントはそこそこ厚手の生地なので、ビギナーの少々乱雑な扱い方も許容してくれるはず。そういった点も含めて、これはローコストでソロキャンを試してみたいというライダーにピッタリな商品と言えよう。

なお、商品販売ルートはアイテムによって異なり、2月下旬にワークマンオンラインストア内(直送なし、店頭受け取り限定)、もしくは店舗販売の2パターンを予定しているとのこと。また、これらは販売中に変更される可能性もあるので、詳しくは2月下旬にワークマンオンラインストアのアナウンスをチェックしてほしい。


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