CT125・ハンターカブ 。予約が多く生産が追いついておらず、注文から納車までに半年近くかかる人気のバイクです。その人気ぶりに社外パーツメーカーも乗っかり、2020年6月の発売から2年近く経った今でも、カスタムパーツの新製品情報が頻繁に雑誌やWebニュースを賑わせています。
それに刺激され、自分のハンターカブをもっとカスタムしたいという欲望がむくむくと湧き上がってきますが、闇雲に購入してはいけません。カスタムで重要なのは、バイクの使用目的や目指すスタイルを明確にすることです(潤沢な預金残高とまめな家族サービスも重要)。
自分の主な用途はキャンプツーリング&林道走行。そのため、転倒時の車体へのダメージを軽減するハンドガードやライトガードなどのパーツを装着し、さらに積載性能も向上させています。今回は新たにエンジンガードを購入しました。ノーマル状態ですでに装着されていますが、より「ごつい」パーツに取り替えます。
守備力アップカスタム
購入したのは、デイトナ製の「パイプエンジンガード」。純正に比べて、大きく、幅があり、パイプ径も太く、防御力向上が期待できそう。性能もさることながら見た目がワイルドでかっこいい。ロールプレイングゲームで例えるならば、ゲーム後半に苦労して獲得する伝説の鎧のようです。装備することで防御力が著しく向上し、雑魚モンスターからの攻撃なんぞ物ともしない無敵さを、このパーツから感じます。
色が銀と黒の2種ありましたが、他の部品とのカラーバランスを考え銀色をチョイスしました。
DAYTONA
パイプエンジンガード (CT125・ハンターカブ 用)
2万5300円(税込)
詳細はこちら
純正パーツの取り外し、新エンジンガードの装着は簡単です。詳しい説明書がついているので、サービスマニュアルを用意する必要はありません。特殊な工具は不要ですが、長めのスピンナーハンドルがあると取り外しが楽です(ボルトがきつく締まっている場合があるため)。一方、装着時はトルクレンチを使用して締め付けトルクを管理した方が安心です。
作業が不安、または工具を持っていない場合はバイク販売店や用品店に作業をお願いしましょう。
撮影しながらだったので少々手間取りましたが、1時間強で作業は完了しました。
手前がデイトナ製でφ25.4。奥が純正のエンジンガード。パイプ径がひとまわり違うので頑丈そうです。重さも比べてみました。
純正は1287gでした(板の重さは初めからマイナスしてあります)。
一方、デイトナ製は2363gとかなり重い。純正に比べて大きく太いので、予想通りの結果です。
純正:1287g
デイトナ製:2363g
差し引き:+1076g
結構な重量増です。そこで予ねてから実行しようと考えていた、軽量化カスタムをすることにします。
軽量化カスタム
タンデムステップの取り外し
一つ目はタンデムステップの取り外し。日頃からトップケースを装着しているので、タンデムすることは今後恐らくありません。タンデムステップはスチール製の武骨なデザイン。2本のボルトを緩めるだけで、簡単に取り外せます。
タンデムステップの重さは1935g。しかも、スイングアームに装着されていたパーツなので、バネ下の軽量化になります。一般的にバネ下(サスペンションより下のパーツ)を軽くすると、バネ上の軽量化に比べその効果は2倍以上と言われています。
ボルトを外したままだと、ネジ穴が露出してカッコ悪いのと、水が入って錆びる可能性がありますので、樹脂パーツで塞ぎます(ハリケーン製)。
ステップゴムの取り外し
二つ目の軽量化カスタムは、ステップゴムの取り外しです。ステップ裏側のバンクセンサーを緩めて取り外します。
オフロードを走る際はスタンディングすることが多いのですが、ゴムを装着したままだとステップで足が滑り怖い思いをします。オフロード車のほとんどが、ギザギザのステップを採用しています。これは靴底への食いつきを良くし、滑らなくするためです。
ハンターカブも同じ形状のステップを採用していますが、上部にゴムが被せてあります。振動をゴムで吸収し快適性を向上、さらに靴底やズボンの裾へのダメージを軽減するためです。
しかし、林道走行をすることが多い自分にとって、ステップで足が滑らないことの方が重要です。ゴムパーツを取り外すことで車体のホールド性が向上して踏ん張りが効きますので、荷重移動もしやすくなります。もちろん軽量化にも貢献します。
ゴムを取り外したステップ。純正パーツなのにカスタム感が出ます。キックペダルも取り外したくなりましたが、エマージェンシー用として残しておくことに。
ステップゴムとバンクセンサーは238gでした。
タンデムステップと合わせて、合計2173gの軽量化に成功です。
エンジンガードを交換し、1076gの重量増となりましたが、差し引きで1097g軽くなりました。
とは言え、ハンドガードやスクリーン、トップケースなど、多くのカスタムパーツを装着しています。ひとつひとつのパーツの重量を計測していませんが、それに比べたら今回の軽量化は微々たる物。差し引いても、ノーマルに比べてどれくらいの重量増となっていることやら。今更、外して計測することはしません。だって恐ろしくて……ねえ。
さて、次回の予告です。今回の写真にチラリと映り込んでいるのでお気づきかもしれませんが、リアサスペンションをカスタムします。自分仕様のCT125・ハンターカブ用リアサスペンションを開発しました。スプリングレートを変更しつつ2年ほどテストを繰り返し、ついに完成しました。その開発奮闘記を掲載いたします。
お楽しみに。
作業動画
今回の作業動画をYouTube「バイクメンテナンスチャンネル」に投稿しました。ご参考ください。