スウィッシュやアドレス125らが生産終了となった現在、スズキの原付二種唯一のスクーターがこの「アドレス110」だ。特別色をまとうスペシャルエディションが発売されたのを機に、あらためて試乗することに。この軽さは武器だ!
●まとめ:ヤングマシン編集部(大屋雄一) ●写真:真弓悟史 ●外部リンク:スズキ
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’21 スズキ アドレス110スペシャルエディション
【’21 SUZUKI ADDRESS 110 SPECIAL EDITION】かつて同名の2ストモデルが存在したが、それとはまったくの別機種として’15年に新登場したのがこのアドレス110だ。ステップスルーのベーシックな外観に前後14インチホイールを組み合わせる。灯火類は全てフィラメント球だ。■全長1845 全幅665 全高1095 シート高755(各mm) 車重100kg ■空冷4スト単気筒SOHC2バルブ 112cc 8.8ps[6.5kW]/7750rpm 0.88kgf・m[8.6Nm]/6250rpm Vベルト無段変速 燃料タンク容量5.2L ■ブレーキF=ディスク R=ドラム ■タイヤF=80/90-14 R=90/90-14 ●色:橙 金 ●価格:22万5500円
【ライディングポジション】ハイホイールスクーターならではの背筋がスッと伸びるライディングポジション。ステップスルーなので乗降車がスムーズだ。足着きもご覧のとおり優秀。[身長175cm/体重62kg]
【スペシャルなエンブレム】試乗したのは’21年8月に標準カラーと同価格で登場したスペシャルエディションで、ゴールドとオレンジを用意。上のビトロエンブレムがその証だ。
[◯] 扱いやすさに全振り。ウェット走行も安心
やみそうにない雨の中、「アドレス110」で走り始める。まず驚いたのが接地感の高さで、フルウェットにもかかわらず滑り出しそうな気配がないのだ。ハンドリングは前後14インチホイールらしい高めの安定性をベースに、ハンドルに軽くきっかけを与えればスイッと向きを変えるというイージーなもの。舗装の荒れた道でペースを上げ過ぎると、前後サスペンションとフレームがそれなりに限界らしき挙動を見せるが、それでも芯となる部分が常に進行方向を向いているという安心感がある。非常にバランスのいいシャーシと言えよう。
そして、エンジンもいい。ゼロ発進では原付二種のフルサイズである125ccモデルほどの力強さはないが、20km/h付近からの加速フィールは決して大差ではない。高回転型カムの採用や車体の軽さもこれに影響しているようだ。そして、全域で体に伝わる振動が少ないのも美点であり、毎日の通勤に使う人にとっては大きなメリットとなるはずだ。
ブレーキは前後連動式で、濡れた路面ではこれが大きな安心材料となってくれた。このクラスだと仮にABSが採用されたとしてもフロントのみになるだろうし、このコンバインド式も悪くないと感じている。
【燃費と加速感を両立】混合気の最適な流れを計算して設計された112ccの空冷2バルブ単気筒“SEP”エンジン。軽量ピストン/ローラーロッカーアーム/高回転型カムを採用し、燃費の向上と気持ちの良い加速感を両立。
【ブレーキは前後連動式。前後輪とも14インチだ】5本スポークの鋳造ホイールは前後14インチで、標準装着タイヤはIRC製のSS-530。ブレーキはフロントがディスク、リアがドラムで、左レバーで前後が連動するコンバインド式を採用。サイドスタンドあり。
140km/hまで刻まれた速度計や燃料計など、すべてがアナログ式のメーター。キーシリンダーはシャッター付きで、さらに直結始動抑止回路も装備するなど盗難対策に注力。
シート下の収納スペースは20.6Lを公称。さらにメットホルダーも2つ用意する。フロントの左右にはインナーラックと中央にコンビニフックを装備。
[△] ライバルとの装備差あり。単体性能は文句なし
ライバルであるホンダのディオ110がプラス1万6500円でアイドルストップとスマートキーを採用。しかも車重は4kg軽い。
[こんな人におすすめ] 安さと軽さ、そして走りの良さが魅力だ
直接のライバルであるディオ110にも共通するが、あえて原付二種フルサイズにしないことで車体を軽くでき、それによって得られる各部への好影響は意外にも大きい。
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