「JAIA試乗会」って?

“JAIA(ジャイア)”という組合を知っていますか?  「Japan Automobile Importers Association」の略で、日本語表記では「日本自動車輸入組合」。つまり外国車を日本に輸入する「インポーター」と呼ばれる会社による、日本で自動車の輸入が自由化された1965(昭和40)年に設立された、50年以上の歴史を持つ組合のこと。

このJAIAが毎年、メディア向けに最新輸入車をずらりと揃えた試乗会を行っています。四輪と二輪、それぞれ別に行われるのですが、昨年はコロナウィルスの影響により二輪試乗会が中止、今年は四輪が中止となり、二輪のみ4月上旬に行われました。

JAIA二輪試乗会

4月上旬、神奈川県の大磯ブリンスホテル駐車場を起点に行われたJAIA試乗会

 

バイク、クルマのメディア業界では“イッキ乗り”とも言われ、年中行事ともなっているこの試乗会に参加したので、報告します。この日、僕が試乗したのは8台。1台あたりの試乗時間は45分なので、あくまで“チョイ乗り”ですが、簡単な感想を書こうと思います。今回は8台中3台を占めた「ドゥカティ編」をお届けします。

ドゥカティ・ムルティストラーダV4S/世界初の“レーダー”を装備したモデル!

ドゥカティ・ムルティストラーダ

2021年春、日本市場に導入されたばかりの最新モデル、ドゥカティ・ムルティストラーダV4S

 

試乗会は神奈川県の大磯プリンスホテル駐車場を起点に行われます。そこにハーレー、BMW、ドゥカティ、トライアンフ、アプリリア……などのインポーターが並べる最新モデルを借り出し、一般道または駐車場内につくられた特設コースで試乗することができます。

最初に乗ったのはドゥカティ・ムルティストラーダV4S。これは今回のJAIA試乗会で、僕がいちばん乗ってみたかったモデルのひとつ。“美味しいものは先に食べる”に限る、ということで。ムルティストラーダとは英語で言うと“マルチストリート”。つまり「あらゆる道」となる。その名の通り「4Bikes in1」、スポーツ、アーバン(街乗り)、ツーリング、エンデューロという4つのカテゴリーに対応すると謳う万能系アドベンチャーバイクです。

ムルティストラーダV4はこの春、日本に導入されたばかりの新型。最大のトピックはスーパースポーツモデルの「パニガーレV4」と同様、V型4気筒エンジンを搭載したことです。ドゥカティの“伝統”であったVツインエンジンから新開発の1158ccV4エンジンに進化したことで従来のムルティストラーダ1260から12psアップの170psを発揮します。

ドゥカティ・ムルティストラーダ

カラー液晶のメーターはモードによりさまざまな情報を切り替えて表示することができる。

 

まあ、正直言えばそうした最大パワーなどは、公道を走る限りは実感するのは難しいのですが、V2からV4になったことで、エンジンの回転が劇的にスムーズになったこと、低回転域でもギクシャクせず粘ってくれるので、とても運転しやすくなったことは感じられました。

もうひとつは世界で初めて二輪車にレーダーシステムを装備したことで、車体の前後に備わるレーダーにより他車との距離、速度、加速度などをモニターして演算、エンジン出力やブレーキをコントロールしてくれる。つまり四輪車ではかなり一般的な装備となっている、アダプティブタイプのクルーズコントロールが可能になっています。じっさい公道で試したのですが、前者とのバイクが自動で減速、加速して、全車との距離を一定に保ってくれるのは驚き! 四輪以上にシビアなアクセル、ブレーキのコントロールが必要と思うのだけど、非常にスムーズで違和感なかったです。ちなみにこのコントロールは時速30km以下でオフになるので、極低速で走ったり停止する場合は自分でブレーキをしないとだめ。

ドゥカティ・ムルティストラーダ

車体は大きいが、足つきは思いのほか良好。日本仕様はローシートが標準装備となる

 

試乗したのは上級グレードの「V4S」で、足まわりにはザックス製のセミアクティブサスペンションを採用、アップ/ダウン両方に対応したクイックシフター、オートクルーズなども装備する。価格は288万円(税込み)だが、パニアケース、センタースタンド、グリップ&シートヒーターなどを含む「トラベル&レーダーパッケージ」を含めると優に300万円オーバー(!)。まさに“全部入り” の世界最高峰クラス・アドベンチャーバイクなのです。

ドゥカティ・パニガーレV2/伝統のVツインを積むスーパースポーツの“竹”モデル

さて「感想を簡単に」と言いつつムルティに文字数を割いてしまったので、駆け足でいきます。続いて乗ったのは「パニガーレV2」。パニガーレとは現在のドゥカティのラインナップで最もスポーツ性の高いモデルのシリーズ名。トップエンドに君臨するのは先のムルティとも同様にV4エンジンを搭載した「パニガーレV4」。この「パニガーレV2」はその名の通りVツインエンジンを搭載し、排気量も955ccとV4(1103cc)より小さい。

もちろん最新、最高のモデルを好むドゥカティスタは多いのですが、いっぽうで「扱いやすい」「使いきれる」を好むライダーも少なくない。ドゥカティも常にトップモデルと基本設計を共有しながら少しコンパクトなエンジンを積んだモデル(748、749、848、955など)をラインナップしています。この「パニガーレV2」もその流れを汲むモデル。

ドゥカティ・パニガーレV2

955ccのVツインエンジンを搭載したドゥカティ・パニガーレV2

 

試乗したパニガーレV2はつや消しのホワイト。このカラーリングも「V2」だけのもの。またがってみると、前傾姿勢であることは間違いないのだけど、思っていたほど極端にキツくはない。これならツーリングもギリいけるか?(個人の感想です)と思う。

エンジンの出力特性をコントロールする「ストリート」「スポーツ」「レース」というモードがあるが、一般道での試乗では「ストリート」で十分。というか、僕の走り方やスキルでは、仮にオーナーになっても「スポーツ」や「レース」を使うシチュエーションはまずないだろうな……と思う。パワーは“使いきれる”というレベルではないが、とはいえ200psオーバーの「V4」に比べればやはり扱いやすい気がする(V2は155ps)。

ドゥカティ・パニガーレV2

モノコックフレームを採用。ショートマフラーはパニガーレシリーズに共通するディテール

 

ドゥカティ・パニガーレV2のメーター

メーターパネルはカラーTFT液晶を採用。エンジンの出力特性をコントロールするストリート、スポーツ、レースのモードを備える

 

ドゥカティ・パニガーレV2

車体はコンパクトで、ライディングポジションの前傾は思ったほどキツくない

 

ドゥカティ・スクランブラー1100スポーツPro/ストリート最強のイケてるネイキッド

さて、最新ドゥカティ試乗最後はこれ!スクランブラー1100スポーツProです。スクランブラーはオフロードバイクの“風味”を持つストリートバイクで、レトロ&カジュアルなデザインともあいまって、幅広いユーザーから人気を博すモデル。ベーシックなスクランブラーは空冷803ccのVツインエンジンですが、こちらは車名どおり1100ccを積んだハイパワーモデル。

さらにこの「スポーツPro」は前後にオーリンズ製サスペンションを採用、カフェレーサーを思わせるバーエンドタイプのミラーを備えるなどよりカスタム色の強いモデルで、さらにマットブラック系のカラーリングとも相まって、とにかく超かっこいい。いや、好みなんですね、これ。

 

ドゥカティ・スクランブラー1100スポーツPro

ドゥカティ・スクランブラー1100スポーツProは前後オーリンズ製サスペンションを備える

 

やや低めセットされたフラットなバーハンドルを採用したライディングポジションはユルすぎずキツ過ぎず、絶妙。先のパニガーレV2では「思ったよりキツくない」と描いたけれど、このスクランブラーでは奥歯にモノを挟まずに「乗りやすい!」と言える。まあ、好みなんですね、これ。あ、2回言いました。

ドゥカティ・スクランブラー1100スポーツProのメーターまわり

メーターは丸型のデジタル計に横長楕円の速度計、ギアインジケーターを組み合わせた独特なデザイン

 

803ccのスクランブラーは気軽なドゥカティのエントリーモデル的なキャラクターがあるのに対して、この1100スポーツProはより硬派でこだわりを感じさせる。ブラックで統一されたボディに濃いブラウンのシートの組み合わせ、チラリと効かせた光モノ(ゴールドのオーリンズ製倒立フォーク)もアラフィフオヤジ(つまり私)のココロをくすぐります。

ドゥカティ・スクランブラー1100スポーツPro

2本出しのマフラーと裁ち落とされたシートまわりがリアビューを引き締める

 

ということでJAIA試乗会で乗ったドゥカティ3台。いずれもよいバイクでしたが、個人的に惹かれたのはスクランブラー1100Proでした。この日乗ったほかのモデルの感想はまた別の記事で書きたいと思います。

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