ヤマハは北米で、2023年モデルの「XT250(日本でいうセロー250とほぼ同じ)」と「TW200」を発表した。XT250はセロー250よりも大きいヘッドライトなどが特徴で、TWは初代と同じ四角いヘッドライトの200cc版だ。日本でもジャストサイズ・デュアルパーパス車の復活が待ち望まれているが……。
●文:ヤングマシン編集部
XT250はインジェクション、TW200はキャブレター仕様
ヤマハが北米で発表したデュアルパーパスの2023年モデルは、我々日本人にも馴染みが深い2車だった。
「XT250」は、2005年にモデルチェンジして225→250となったセロー250の北米版で、現行モデルは2008年にFI化されたものがベースになっているようだ。セローは2018年にリヤフェンダーまわりのデザインが大きく変わっているが、XT250はそれ以前のものを下敷きに、北米独自のレギュレーションに基づいた灯火類が装着されている。ヘッドライト/テールランプ/ウインカーは広大なアメリカでも視認性を確保するためか大ぶりだ。このヘッドライトに合わせて、メーターバイザーの形状もセローとはだいぶ異なる。
もう一方の「TW200」は、1987年に誕生した極太タイヤのアレだ。日本では2000年にキムタクのドラマの影響から大ブームになり、2002年には小ぶりな丸眼1灯のTW225にモデルチェンジ、2008年に生産終了となっている。北米のTW200は、初代モデルの四角いヘッドライト+メーターバイザーのスタイルのまま、排気量も196ccを採用。さすがにフロントブレーキは初代のドラム式ではなくディスクブレーキを採用しているが、懐かしいシルエットは全くと言っていいほど変わっていない。
ともに2023年モデルは2021年から採用された従来カラーを継続しており、価格は未発表。ちなみに2022年モデルはXT250=5199ドル、TW200=4799ドルだった。
これら2車が生き残っているのは、北米独自の排出ガス規制が日本やユーロ圏ほど厳しくないことが主因だが、日本では今でも、特にセロー250の復活を願っているユーザーは少なくない。
セロー250は2020年1月15日にファイナルエディションが発売され、2020年7月31日にはヤマハの工場から最後の1台が出荷された。個人的な話で恐縮だが、筆者は今までに家族の分も含めて4台のセロー(225/250)をお迎えしてきていて、これほど初心者からベテランまで安心してすすめられるバイクはなかなかないと思っている。言ってみればオフロード界のスーパーカブのようなもので、ライダーだけでなくオフロード文化そのものを育ててきた立役者のはずだ。
セローは終わってもヤマハのオフ車は終わっていない、そんな声もヤマハ社内には根強いと聞く。なんらかの形で後継モデルが登場することを切に願ってやまない。新しくセロー(的なバイク)の文化に触れるライダー、そしてセローから買い替える先が見つからないでいる多くのライダーたちのためにも。
▲参考・ヤマハXT250[2020北米モデル]
▲参考・ヤマハTW200[2020北米モデル]
上記のベージュカラーは、XT250は2018年~2020年に採用、TW200は2020年に登場したもの。2021年以降は下記で紹介する現行カラーになっている。ちなみにXT250はオーストラリアやニュージーランドでもラインナップに残っていたが、現在はカタログ落ちしている模様。旧セロー225の兄弟車であるTT-R230(ナンバーなし)は北米同様に存続している。
YAMAHA XT250[2023 U.S. model]
■空冷4ストローク単気筒SOHC2バルブ 249cc 車重132kg ●北米現地価格:未発表
Radical Gray
YAMAHA TW200[2023 U.S. model]
■空冷4ストローク単気筒SOHC2バルブ 196cc 車重126kg ●北米現地価格:未発表
Radical Gray
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