スズキが誇るアドベンチャーツアラーのV-ストロームシリーズに「800DE」が新たに加わった。GSX-8Sと基本設計を共有しながら、多くのパーツが専用設計されているのが特徴だ。ビッグバイクとしての風格を漂わせる1050と、名作と名高い650の間に挟まれた新作。本記事ではこの800DEの魅力を、まずスタイリング/エンジン/シャーシ/足まわりから解説する。

●まとめ:ヤングマシン編集部(沼尾宏明) ●外部リンク:スズキ

実は心臓も骨格もタフ仕様。数々の専用パーツを奢る【スズキ V-ストローム800DE】

最大の特徴は、シリーズで最もオフロード指向の高いキャラだ。V-ストローム650や1050のVツインに対し、本作はパラツインを搭載。V型より前後長が短く、より前輪荷重を稼げるレイアウトとしている。

フレームはGSX-8Sと同じ鋼管ダイヤモンド。アルミフレームを採用する650と1000はオンロード指向が強いが、スチールはアルミより振動吸収性に優れる。また、スチールは高強度のためフレームを小型にできるのがメリット。並列2気筒エンジンの横幅はV型より広くなるが、鋼管フレームによってVストローム650と同程度のスリムさを実現しているのだ。

外観はシリーズの血統を思わせるDR750S譲りのクチバシを踏襲しながら、六角形状の縦2眼LEDヘッドライトで差別化。さらに8Sにはない、高さ調整可能なスクリーンや、電源ソケット、お尻が痛くなりにくい快適シートなど専用パーツもふんだんに投入した。

軽く扱いやすい650と、ヘビーながらパワフルな1050のいいとこ取りと言える本作。ツーリングでは快適にオンロードを駆け抜け、未舗装路に迷い込んでも引き返さなくて済む。そんな冒険心をかき立てるマシンに仕上がっている。

【SUZUKI V-STROM 800DE】●チャンピオンイエロー ●予想価格:120万円前後 ●予想入荷時期:’23年春

コンパクトな顔と堂々とした筋肉質なフォルム。ホイールベースはGSX-8Sの1465mmから1570mmにロング化し、最低地上高も75mmアップの220mmとしている。

クチバシ状シュラウドと連結したボリュームたっぷりの容量20Lビッグタンクに対し、シートまわりはギュッと絞られている。

一目で800とわかる縦2眼LEDヘッドライトは独自の個性。ロングサスが際立ち、軽快なデザインだ。

●グラスマットメカニカルグレイ

●グラススパークブラック

伝統のデザインを最新形にリファイン

【’88 SUZUKI DR750】ADVで流行のクチバシは、パリダカレーサーレプリカのスズキDR750が元祖。本作もこの流れを汲みつつ、一段と軽量スリム感を演出している。外装はシャープかつフラット面構成でタフさを強調した。

スズキ V-ストローム800DE エンジン/シャーシ/足まわり【電脳もダート仕様に! フロント19インチも期待】

前述のとおり心臓と骨格はGSX-8Sと同様だが、様々なチューニングを施しつつ専用の足まわりに換装し、旅性能や走破性を高めている。

エンジンは独自のFIマッピングとロングマフラー、ドリブンスプロケットを採用。低速からレスポンスが鋭く、なおかつスムーズに高回転まで回る特性とした。

電脳は、トラクションコントロールのスリップを許容し、未舗装路に対応したグラベルモード、ABSの切り替え機能を追加。ABSはオフのほか、2段階の介入モードから選択できる。GSX‐8Sと同様に双方向対応のクイックシフターは標準装備だ。

サスペンションはよりグレードの高いショーワ製で、前後ともフルアジャスタブル。ストローク量は220mmと十分で、最低地上高は8Sの145mmに対し、220mmとしている。ダートに適したスポークホイールに専用設計のチューブタイヤも与えた。

フレームはキャスター角を変更し、専用のシートレールを採用。アルミスイングアームも専用設計だ。

詳細は未発表だが、国内導入は確実。気になる価格は、現行1050(143万円~)と650(101万1000円)の中間程度になるらしい。登場時期は1050DEの直後、’23年の年明け頃と予想される。

これでV-ストロームシリーズは全5機種の大所帯に。800はデュアルエクスプローラー=DE仕様だが、フロント19インチ+キャストホイールを履くSTDの登場にも期待だ!

スズキ V-ストローム800DE エンジン

【大容量マフラーで出力は1.4ps増】2軸バランサー搭載の並列2気筒はECUセッティングを変更。さらに大容量マフラーなどで8Sから1.4ps上乗せの84.3psに。2into1エキパイや触媒、エアクリーナーボックス、ギヤ比などの構成は8Sと同じだ。

スズキ V-ストローム800DE 足まわり

フロント21インチにショーワ製倒立フォーク、アキシャル2ポットキャリパー+φ310mm大径ペータルディスクの組み合わせ。フル調整式だ。

リアはショーワ製で、イニシャル調整ダイヤル付きのピギーバックタイプ。二次減速比はショート化され、ステップはラバー付きの鉄製だ。

スズキ V-ストローム800DE シャーシ

【フロント21インチで不整地力最強/ストロークは前後220mm】

スズキ V-ストローム800DE|フレーム

【冒険向けのシートレール+リヤアーム】トレリス構造のシートレールは居住性と積載性を考慮し、より剛性が高く、形状も長い専用品。アルミスイングアームも未舗装路に対応するべく、剛性や長さを最適化した。基本設計を共有しながら細かく造り込んでいる。

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