1957年に初代が誕生して以来、絶大な人気を誇る空冷XLスポーツスターの歴史に幕を下ろしたのは、XL1200Xフォーティーエイトだった。絶版の噂で持ちきりだった2021年12月に、ハーレーダビッドソンジャパンは日本限定のファイナルエディションを’22モデルとして1300台のみ最後に発売することを明かし、ビッグニュースとなったのは記憶に新しい。

●文:ウィズハーレー編集部 ●写真:ハーレーダビッドソンジャパン ●外部リンク:ハーレーダビッドソンジャパン

XL1200Xフォーティエイトファイナルエディションの特徴

1948年のモデルSに由来する小振りな燃料タンクをそのままに、最後を飾るにふさわしい特別パーツとして、ヴィンテージムードあふれるボバーソロサドルシート/ノスタルジックな樽型ハンドグリップ/ラウンド型エアクリーナーケース/クラシックタイマーカバーを標準装備。車両右側のサイドカバーには、シリアルナンバー入りの専用デカールも配された。

ボバーソロサドルは、ゴールドのスタッズとレザーに刻まれたバー&シールドが象徴的で、ファイナルエディションにおける最大の見所となっている。

握りの太いハンドグリップや、クロームの中にバー&シールドが彫り込まれたエアクリーナーケースは、スポーツスターの伝統を感じさせ、細部に至るまでノスタルジックな装いだ。

車体カラーはブラック/リーフブルー/ホワイトサンドパールの3色が用意され、’21モデルとは異なる新たなカラーバリエーションとなった。

65年もの長い間、脈々と受け継がれてきた4カム空冷45度Vツインエンジンを新車で手に入れるラストチャンスとあって、発表と同時にオーダーが殺到し、またたく間に完売。伝説になる1台だ!

【’22 HARLEY-DAVIDSON XL1200X FORTY-EIGHT FINAL EDITION】’22年式としてリーフブルー/ビビッドブラック/ホワイトサンドパールの3色が選べた。※写真は北米仕様/ファイナルエディション装備なし

1948 フォーティーエイトタンク誕生

1948年に登場したモデルSのタンク形状をフォーティーエイトは継承。H-Dでは初となる2サイクルエンジンを搭載し、排気量は125ccと小型軽量。1947年にミルウォーキーで開催されたディーラーミーティングで初披露され、その発表年から生産を開始。初年度には約1万台の完成車を用意した。リジットフレームにガーターフォークを装着し、燃料タンクにはビッグツインモデルと同じバッジを使用するなど、堂々たるスタイルを演出。若者など新規ユーザーを獲得している。

フォーティエイトが一目瞭然、年式別解説

フォーティーエイト

ハーレーダビッドソン フォーティエイトが登場したのは’11年式から。以降これまで12年間、ラインナップに欠かせぬモデルとして強い存在感を示してきた。ここでは各年式別に見てみよう。2018〜2020年までの3年間は、兄弟車となるフォーティエイトスペシャルも販売された。

ハーレーダビッドソン|XL1200X|2011年式【2011年式・初代】アンダーマウントされたミラー/小振りな燃料タンク/ファットタイヤなど、その装備は個性的なものばかり。容量7.9Lのフォーティエイトタンクには「Sportster」と「HARLEY-DAVIDSON」のロゴ。ホイールはクロススポーク仕様だ。
【2012・タンクロゴ変更】タンクロゴが「FORTY-EIGHT」となり、車体色は写真のHDオレンジのほか、ビッグブルーパール/クロームイエロー/ビビッドブラックへ。MT90B16だったフロントタイヤは、互換性のある130/90B16となった。
【2013年式・ハードキャンディー登場】ド派手なハードキャンディーカスタムが登場し、話題となった。ブラックベースコートに7 回以上メタルフレークを吹きつけ、何層にもクリアコートを施し、ハンドサンディングを経て仕上げた珠玉のペイント。写真はコロマゴールドフレーク。
【2014年式・マフラーなど変更点多し】見た目こそ大きな違いはないものの、’14年式はスポーツスター全車で変更点が多い。マフラー連結管がなくなり、エキゾーストパイプも形状変更。O2センサーが小型化するなどしているので、マフラー交換時は’04-’13と’14以降で互換性がなく、注意が必要。車載コンピュータの接続にCANBUS(キャンバス)が使われており、インジェクションチューニングのデバイスの互換性も気をつけたい。また、グリップまわりもハウジングやレバーを刷新し、バッテリーの搭載方法やパッセンジャーのフットペグマウントも変更。前輪ブレーキディスクは292→300mmに拡大され、キャリパーピストンも34mmとなった。リアキャリパーは片押し式1ピストンを対向式2ピストンにグレードアップ。
【2015・スポークホイール最終】フロントフォークはこの年式まで、他のスポーツスターと同じインナーチューブ径39mmの細いタイプ。オーソドックスなスポークホイールも最終イヤーとなった他、リアサスも’16年式からプレミアムライドエマルジョンショックへグレードアップする。
【2016年式・太いフロントフォークへ】ABSの採用は’16年式から。クロススポーク仕様だったホイールをキャスト化し、インナーチューブ径が10mm 太い49mのダイナ用フォークを装着。フロントエンドの迫力をいっそう増した。オーバル形状だったエアクリーナーケースはラウンド型となり、スリット入りのマフラーヒートガードでブラックマフラーを強調している。リアサスペンションも上級仕様へ。
【2017年式・ハードキャンディも健在】’17年式からリアスプロケットがUS仕様に。また、’16年式から採用したバー&シールドのタンクエンブレムやストライプデザインを継続採用する一方で、エンブレムのつかないハードキャンディも設定し続け、’17年式ではゴールドとレッドの2色が選べた。
【2018年式・115周年記念モデルも登場】H-D創業115周年を迎え、’18年式ではレジェンドブルーデニムのアニバーサリーエディションも発売された。また、カスタムに興味があるなら、’17年式以降はスリップオンマフラー交換時にガスケットが必要となったことも忘れてはならない。ディーラーやショップで要確認。
【2019年式・フレーク系カラーが廃止に】’18年式ではハードキャンディーシャッタードフレークの車体色がカタログで選べたが、’19年式ではフレーク系がなくなり、トーンを抑えた落ち着いたカラーバリエーションになった。タンクエンブレムも外され、再びペイントに。
【2020年式・熟成に達した人気者】円熟期といえる’20年式は、ビビッドなパフォーマンスオレンジをはじめ、ティレットレッド/ストーンウォッシュホワイトパール/リバーロックグレーデニム/ベーシックなビビッドブラックというカラーバリエーション。
【2021年式・キーレス化、即完売】生産終了も囁かれる中、キーレスイグニッションに進化し登場。車体色はビビッドブラック/ビリヤードティール/ミッドナイトクリムゾンの3色のみで、いずれも即完売。XL1200XSはカタログ落ちし、新車のオーダーができなかった。

XL1200XSフォーティーエイトスペシャル

【2018年式・兄弟車が仲間入り!】2018年のレイトモデルとして「フォーティーエイトスペシャル」がラインナップに加わった。グロスブラックのトールボーイハンドルバーを備え、タンクにはショベルヘッド時代をイメージしたレインボーストライプがあしらわれた。

〈バイヤーズガイド〉空冷スポーツスターが生産終了し、人気No.1のフォーティエイトの人気が急騰。価格は年式を問わず、天井知らずのままに急上昇中だ! なかでも、発売期間が短いレインボータンクの48スペシャルは超人気!!

【2019年式・Sならではの装いが見事】エンジンもロッカーカバーがブラックアウトされ、腰下をクローム仕様となるなどコントラストを演出するフォーティエイトスペシャル。1200Xにはあるマフラーヒートガードのスリットやキャストホイールの切削加工がSではなくなっている。

【2020年式・カラバリは3色】ストーンウォッシュホワイトパール/ビリヤードレッド/ビビッドブラックという3色を設定した’20年式。’19年式ではウィキッドレッド/ビリヤードホワイト/ビビッドブラックという顔ぶれだった。短命に終わっただけにレア車だ!

 

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