CB750フォアからCB750Fに乗り換えたらフィーリングはこんな違い?

2018年にホンダがリリースしたCB125Rが2021年型で早くも大幅に刷新された。といってもぱっと見では分からないアップデートで、言われなければ異なるエンジンが搭載されていることに気付かないだろう。だが乗ると違いは明確で、大きな変化に気付くことになる。正直「最初からこうしていれば?」と思わなくもなかったくらいだ。

新型CB125Rに搭載されたDOHCエンジンは、機構上バルブ面積を大きく取ることができるので高性能バイクに向いたメカニズム。これはもちろん125ccにも当てはまることで、従来のSOHC2バルブユニットに比べて最高出力が2PSもアップしている。スペック上の最高出力発生回転数は10000rpmで変わらないのだが、出力特性にも大きな影響がある変更だ。

近年のスポーツバイクはDOHCを採用していない方が珍しいので、この時代にこれほど分かりやすくSOHCからDOHCへの変化を味わうことができたのは貴重な経験だ。まるで、1969年のCB750フォアが1979年にCB750Fになったようなドラスティックな進化を目の当たりにできたのは、タイムスリップ的な比較試乗といってもいいかも知れない。

2021年型でモデルチェンジしたホンダCB125Rは、DOHC4バルブエンジンに進化。さらにサスペンションを改良するとともに、レッドはフロントフェンダーをタンクと同色にしている。

エンジンは従来のSOHC2バルブからDOHC4バルブを採用することで、最高出力は13→15PSに向上している。ホンダには元からSOHCとDOHCユニットが存在しており完全新作という訳ではない。

9000~1万rpmキープで走る面白さと豪華装備で十分メインのバイクになりそう

では、DOHCの新型CB125Rに実際に乗ってみた印象はどうだろうか? SOHCの従来型に比べて力強く高回転まで吹け上がるので加速が鋭くなる感じだ。速さも多少は上乗せされていると思われるが、街乗りでそこまでは分からないしその必要もないだろう。それでもゼロ発進で1万rpm以上まで回すことができるのは125ccの特権。DOHC化のメリットは大きい。

一方、SOHCのメリットは低中速域での扱いやすさにあるが、新型CB125Rは低回転域でノンビリ走ることもできるので、従来の領域を維持しつつ上を伸ばしている感じだ。これに慣れてくると、「バイクはこの一台で十分かも?」と思えてくるのは、グロムやモンキー125といった同じ125ccクラスのミッション車に比べてサイズが大きく、本格的な装備を採用していることが理由だろう。

CB125Rは兄弟車のCB250Rと同じシャーシを使っておりエンジンを載せ替えている。前後17インチのラジアルタイヤに倒立フォーク、ラジアルマウントキャリパーのブレーキを装備しており、上級モデルに憧れる理由がほとんどない。高速に乗ることがないならCB125Rは十分メインのバイクとして通用するのだ。さらに専用デザインが与えられているので、125が用途に適していれば250などに劣等感を抱くこともないだろう。

身長170cmのライディングポジションは、ハンドルが近くほぼ前傾はなし。ヒザの曲がりもきつくなくネイキッドモデルの標準的なポジションだ。

足着き性は体重65kgで少しかかとが浮く。シート高は815mmあるので、スポーティな走りを狙っていることが分かる。

CBR1000RR-Rに通じる技術で軽快なハンドリングが味わえるのも魅力

さらに新旧CB125RやCB250Rが採用しているフレームは独自の構造を採用しており、軽快なハンドリングを生み出していることにも触れておきたい。

通常リアサスペンション上部はメインフレームにマウントされているが、CB125Rではピボットプレートにマウントさせて、リアまわり一式をフレームから独立させた構造としている。これによりメインフレームがリアホイールの入力ストレスから解放されるので、軽量化が可能となる。構造的には、CBR1000RRーRのリアサスペンション上部がエンジンに直接マウントされているのと同じで、年式的にはCB-Rが先行した構造を採用しているのだ。

この強度パート部分がリアサスペンションの荷重を受け止めるピボットプレート。これのおかげでメインフレームのパイプとプレス鋼板の薄肉化による軽量化を図っている。

他にも捻じれのチューニングを最適化するなど同社のノウハウを結集し、軽快で安心感のあるハンドリングを実現している。扱いやすさ故にこの特徴に気付けないことの方が多いと思われるが、恩恵に預かっていることに変わりはないのだ。

新型CB125R価格は従来型から1万5000円(税抜き)アップとなり、同クラスのスズキGSX-S125に比べて8万2000円(税抜き)も高額となるが、狙っているのはセカンドではなくメインバイクとも言えるもの。そこに合致するのならDOHC化で付加価値を増した新型がおすすめだ。

反転表示のデジタルメーターは、時計や燃料計、ギアポジション表示もあり必要十分な内容だ。

テーパー形状のバーハンドルを採用したコックピット。フォークトップにはSFF-BPの刻印も入れられている。

CB1000RやCB650Rなどで採用されているSFF-BP(セパレート・ファンクション・フォーク・ビックピストンタイプ)を125ccクラスで初採用。ABSも標準装備している。

マフラーはミッドマウントでエンド部分はスラッシュカット風。スイングアームは高張力鋼板製で機能美と高級感を両立した造りだ。

ネイキッドらしい丸目のヘッドライトはLEDタイプでポジション灯は外枠上下に配置されている。シャープなエアインテークはダミーとなる。

2021年型CB125R主要諸元

・全長×全幅×全高:2040×820×1055mm
・ホイールベース:1345mm
・シート高:815mm
・車重:130kg
・エジンン:水冷4ストローク単気筒DOHC4バルブ 124cc
・最高出力:15PS/10000rpm
・最大トルク:1.2㎏-m/8000rpm
・燃料タンク容量:10L
・変速機:6段リターン
・ブレーキ:F=ディスク、R=ディスク
・タイヤ:F=110/70R17、R=150/60R17
・価格:47万3000円

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