カワサキモータースは、EICMA 2021のプレスカンファレンスで伊藤浩社長がスピーチを行い、そこで水素エンジンやライダー支援システムといった新たな技術についての展望を述べたほか、最低でも3台の電動ビークルを2022年に登場させると、聴衆を前に約束した。

●文:ヤングマシン編集部

バイオ燃料やeFuelsなど、あらゆる選択肢を検討

カワサキモータースは、EICMAプレスデーの11月23日にプレスカンファレンスを行い、将来に向けた様々な施策や可能性について言及した。その中で、どうしたって見過ごせない文言があった。

記事タイトルにもあるように、2022年には最低でも3台の電動ビークルを登場させるというのだ。電動モーターサイクルという言葉を使っていないあたり、二輪車のみならずATVやサイドバイサイド(乗り込み型のオフロード四輪)も含めた可能性を示唆しているようにも思えるが、いずれにせよこれについては「約束です」と述べ、『検討している』や『そうしたいと思っている』というようなレベルではない。

カワサキモータース 伊藤浩社長

カワサキは近年になってカウル付き電動スポーツバイクなどの開発中の姿も公開しており、ということはコミューター領域にとどまらず、カワサキらしくバイクを趣味として楽しむユーザー層に向けた製品が(少なくとも1台は)登場すると見て間違いないだろう。

このほか、スピーチでは新型コロナウイルスのパンデミックにともなう需要増や、サプライチェーンの遅延や停止について、そして2022年は充実したラインナップを顧客に届けたいといった旨について述べられたほか、新会社カワサキモータースの発足による迅速な開発、カワサキの125年の歴史を象徴するシンボルである「リバーマーク」の採用についても説明があった。

電動バイクについては、伊藤社長自身も電動車両に試乗する機会があったといい、ガソリンエンジンと並んで素晴らしいパワーユニットだったことを実感したと語っていた。また、カーボンニュートラルな社会の実現に向けては、電動ビークルだけでなくバイオ燃料やeFuelsなど、あらゆる選択肢を検討していくと明言した。

水素エンジンについては、日本では政府の支援を受けた全ての産業が水素を実用的な代替エネルギーとして利用できるようにするため、多大な努力を払っているとし、カワサキグループは水素の製造、輸送、貯蔵、使用をリードする役割を担っていくと語った。11月13日にはヤマハとともにバイク用水素エンジンの開発へ踏み出していくことも発表されており、こちらにも期待は高まる。

そして、スーパーチャージドエンジンを搭載するニンジャH2 SX SEに採用するライダー支援システムARAS(関連記事参照)や、新しいアプリなどについて触れ、スピーチは締めくくられた。

カワサキは電動バイク、ハイブリッド、水素エンジンと、すでに広範囲の技術開発について積極的にアピールしているが、実車を目にする日は想像していたよりも早くやって来そうだ。

2019年のEICMAで展示された電動バイクは、その後も開発が続けられている。最新の姿(関連記事参照)では、EVながらクラッチ付きの4段トランスミッションを採用していた。

※本記事の内容はオリジナルサイト公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。 ※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。

WEB YOUNG MACHINE - NAIGAI PUBLISHING, Co., Ltd. All rights reserved.

SHARE IT!

この記事の執筆者

この記事に関連する記事