三原じゅん子参議院議員が「自民党政務調査会 二輪車問題対策プロジェクトチーム(略称、PT)の新たな座長(2代目)に就任し、1月24日にはバイク業界やメディアを集めての座談会「二輪業界の明日を考える座談会」が開催された。前編の駐車問題中編のカーボンニュートラルに続いて、後編では、4月2日(土)から実施される「二輪車定率割引(ETC二輪車限定)」へとこぎつけた高速料金問題に関する三原氏のコメントを紹介する。
自民党オートバイ議連(2001年発足)では、軽自動車とバイクが同じ車種区分とされ、バイク利用者にとって不公平な状態が続いていることから、高速料金問題を“一丁目一番地”と捉え、最優先課題として取り組んできた。三原氏も長い年月をかけて、PTや与党勉強会といった場で議論を重ねてきた問題なのだ。

軽自動車と同じ値段というのは理解できない

三原:私たちが一番時間をかけて議論してきたのは、高速道路の料金に関してだったと思います。(高速道路上の)占有率や(車体の)重量など色々なことを言われました。ただ、誰に聞いても「軽自動車と同じ値段というのは理解できない」というのが普通の感覚です。

この、“国民の当たり前の感覚”というものを大切にしない限り、政治は信頼されなくなると思います。最近では高速道路料金の定額割引ツーリングプラン(2017年度から実施)で、国民の皆さまの声を反映いたしました。割引という形に落ち着くまで、皆さまが様々な知恵を絞ってくれました。

しかし、根本的には“元の値段を改正する”ということ、そして“ETCを搭載する”ということが解決策にあたると思います。

ドライブレコーダーの義務化も必要

三原:また、今では四輪車に当たり前のように付いているETCやドライブレコーダーについて、二輪も同じようにすべきだと思います。様々な事故や煽り運転に遭遇する方がいらっしゃることを考えれば、ドライブレコーダーの義務化も必要になってくるでしょう。税金についても新たな問題が出てくるのかもしれません。

高速料金に関しても、EVになったら車両重量がどうなるのか、という心配があります。そういうことも含めて、PTの中で今まで練ってきたことをしっかり重要視しながら、未来へ向けた新たな問題を解決していこうと思います。

これらの諸問題を解決するために、携わる省庁がもっと増えていくと思います。また、各自治体にお願いしなくてはいけないことも増えていくと思います。そして、最終的にはオートバイ業界全体とユーザーが作り上げてきた、日本でしか作れない、日本でしかできない文化を残していきたいと思っています。

子どものうちからオートバイの魅力を伝える

左から大村直幸氏(全国オートバイ協同組合連合会会長)、三原じゅん子氏、吉田純一氏(オートバイ政治連盟会長)


三原:そのほか、減ってしまったオートバイユーザーを取り戻すためにできることとして、子どものうちからオートバイの魅力を伝えるということも大切だと思います。……と、やらなくてはいけないことが沢山ありますね。いま挙げただけでこれだけありますから、今日は帰りの新幹線の中で「ああ言えばよかった、こう言えばよかった」ということがいっぱい出てくると思います。これからもみんなが納得できるPTにできるよう、全力を挙げて戦って行きますので、どうぞよろしくお願いいたします。

三原氏はこのように発言を締めくくった。なお、「子どもたちにオートバイの魅力を」という発言は、三原氏が自民党オートバイ議連に所属してから一貫して唱えていることであり、今後も何らかの目に見えた動きにつながる可能性もあるだろう。

目指せ! バイクの車種区分独立

最後に高速料金問題について補足しておきたい。4月2日(土)から11月27日(日)(※北海道地区は10月30日(日)まで)の土・日・祝日限定で運用される「二輪車定率割引」1回の走行距離が100km以上でなければ割引が適用されないなど、まだまだ納得できる内容とは言えないが、大きな一歩となった。

2017年から毎年度実施されている定額割引ツーリングプラン(今期も実施予定)、新たに実施される二輪車定率割引は、あくまでも手段であって目的ではない。高速道路会社のリリース等には、利用料金割引の狙いについて地域活性化などの言葉も並んでいるが、二輪業界の目的は「軽自動車と二輪車の車種区分を分けること」にある。

だからこそ、我々ライダーは積極的に割引プランを利用し、その実績をもって“声なき声”を政治、行政(中央省庁や各自治体)、高速道路3社に届けていく必要がある。ぜひ、ライダーの力で不公平な制度を変えていこう!

【関連サイト】二輪車定率割引 距離・料金検索
各種割引は重複利用できないので、どの割引が使えるか、お得なのかを検索できるサイト

 

SHARE IT!

この記事の執筆者

この記事に関連する記事