日本全国から参加者が駆け付ける「CBRオーナーズミーティング」。<背景&準備 編>では、ホンダ「CBR250RR(MC51)」復活から盛り上がりを見せるCBR人気の現状と、主催者側の緻密なミーティング準備、新型コロナウイルスへの感染対策についてお伝えした。

今回はミーティング本編の模様について紹介する。特に、CBRシリーズの開発責任者(ホンダ社内でいうLPL)が参加したトークショーは、他では聞けないような内容もあって必読だ!

天気快晴のなかCBRミーティングが始まった! 

いよいよCBRミーティングが始まるということで、受付を終えた参加者は場内のイベントスペース中央に作られた広場に集まった。ちなみに、この広場も意図的に作られている。排気量ごとに並べられたCBRシリーズに囲まれるように設置することで、集合写真の撮影やオーナーとバイクの撮影がしやすいように中央にスペースが設けられたのだ。当日の太陽の動き(東から西)まで計算しているというからスゴイ!

ミーティングは、主催のふーさんによる開会挨拶で始まった。
「天気が危うくて、3日前までやるかどうかで正直迷っていました。暑い中ですが開催できたことを嬉しく思います。遠いところから来ていただきありがとうございます。熱中症に気をつけて楽しんでください!」

また、注意事項として、じゃんけん大会が終わるまでは車両の移動を控えること、転倒防止のためのサイドスタンドパッドを確実に使うことなどが説明された。

ブラックバード開発者の山中勲さんが登場!

開会式には「CBR1100XXスーパーブラックバード」開発者の山中勲さんも登場。
「私とCBRの接点は、CBR1100XXスーパーブラックバードの開発責任者をやったことです。最速バイクという評価が高い車両ですが、開発時の目標は『すべての領域で世界ナンバーワンを取る』ということで、most pleasurable bike、一番面白いバイク、見て楽しい、音を聞いて楽しい、乗って楽しい、走って速い、そんな目的で開発しました。生産終了して長いので手に入りにくいですが、縁があったらぜひ乗ってみてください」山中さんは、浜松市内で喫茶店「Coffee BlackBird」を経営しており、ブラックバードオーナーやライダーが訪れるお店として知られている。ミーティングの場でもブラックバードオーナーと気さくに話されていた。

CBRの開発責任者が2人も来場した!

続いて、「CBR250RR(型式MC51)」開発責任者の河合健児さんも登場!

「皆さん、暑い中おつかれさまです。ほとんど答えられないと思いますけど、質問があれば言ってください。よろしくお願いします」

こんなこと言ってる河合さんだが、過去のCBRミーティングにも足繁く参加しており、けっこうきわどいことも話してくれたりするから気が抜けない。なお、ミーティング会場には自身が手掛けたCBR250RR(カラーはソードシルバーメタリック)に乗って自走で来場するのが常だ。

CBR開発責任者とのトークショーを開催!

さらに今回は「CBR1000RR-R FIREBLADE(型式SC82)」開発責任者である石川譲さんも来場し、河合さんを交えて、お二人によるトークショーが開催された。ちょうどミーティング開催の直前(8/7)に鈴鹿8耐でTeam HRCが「CBR1000RR-R FIREBLADE SP」で優勝したこともあって、最高のタイミングとなっていた。

トークショーは、MC(ふーさん、たるとさん)からの質問にお二人が回答するという形で進んだ。まずは、石川さんへの質問から。※以下、敬称略

CBR1000RR-R FIREBLADE 開発責任者・石川さんへの質問

MC:8耐で優勝された今のお気持ちをお聞かせ下さい。
石川:なかなか勝てなくて、RR-Rを出してからもコロナで8耐ができなかったので申し訳なかったんですが、今年開催できまして、我々としても特に問題なくできたので、勝てて、正直いまホッとしています。
MC&来場者:おめでとうございます!!(拍手)

MC:いままでRRだったのが、今回なぜRR-Rになったのですか?
石川:もともとCBR1000RRはワインディングメインだったんですが、トータルコントロールというコンセプトは大きく変えずに、走る場所をサーキットという形に変えました。なので、RRにレースという意味のRをつけて、RR-Rになりました。
MC:フラッグシップということで、苦労した点やこだわった点は?
石川:今回ひさしぶりにCBR1000RRをゼロから作り直しました。チャンスが中々なかったので開発にGOが出た時には嬉しかったです。開発が始まってからは「1番のものを作るぞ」と妥協なく何回も作り直して、大変でしたけど非常にやりがいがありました。

MC:RR-Rにステップアップしたい人も多いと思います。彼らに伝えたいことはありますか?
石川:1000に限らないですが、スポーツ走行とかしている中で操る楽しみが感じられるバイクだと思っています。250も600もそうですけど、とにかく操って楽しんでほしいですね。中でも1000はサーキットのような広いところで思いっきり楽しんでもらえると思います。サーキットを走りたいというステップアップユーザーにもぜひ乗って頂きたいですね。

MC:石川さんにとってCBRとは?
石川:「操ることが楽しい」が最大のところかなと思っています。特にカウル付きのCBRといったところではワインディング、サーキットといった、本当にバイクと一体になって楽しめるという。トータルコントロールと言い続けて今年で30年ですけど、「操るということを最大化していきたい」というのがCBRだと思っています。

さらに「お昼ごはんは何を食べてますか?」という意表をついた質問には「毎日会社でラーメンを食べてます」(石川)と、これまた意表をついた答えに会場は爆笑の渦に包まれた。

CBR250RR 開発責任者・河合さんへの質問

MC:発売から5年経ちました。色あせず人気も衰えずですが、率直に今の気持ちを聞かせてください。
河合:素直に嬉しいです。最初に「とにかくカッコいいバイクを作ろう」と始めて、子供たちが見てもカッコいいと思えるような形を目指しながらも性能を出すというところで進めたので、素直にそういう所がウケてるのかなと。

MC:CBR250RRを開発する時にはどういう心境でしたか?
河合:素直にめっちゃ嬉しかったです(笑)
MC:不安とかはなかったんですか?
河合:不安よりも「早く作りたい」という気持ちが強くて、やるからにはやっぱり1番喜んでもらえるというか、1番やりたいことをやろうと。
MC:知らない人も多いようですが、ヘッドライトの下に刻印がありますが、その経緯について教えてください。
河合:もともとCBR250RRはすべてのパーツを新作でやったんですけど、最後、量産間近になって覗いてみたら「RR」と書いてあって。デザインの人が「書いちゃいました」って。なので、驚きながらも「そういう遊び心があるのは面白いね」って。

MC:アジアロードレース選手権(AP250クラス)や全日本ロードレース選手権(JP250クラス)でも破竹の勢いですが、今の感想をお聞かせください。
河合:レースはマシンが速いだけではなかなか勝てないもので、ライダーやチーム、応援してくれるサポーターの皆さんがあっての今なので、素直に全体としては嬉しいです。

MC:今日はCBR250RRが60台集まってます。後期型(2020年式)も出て2年ほど経ちますが、新たな魅力、乗り方など教えてください。
河合:後期型では「こうやったらもっと気持ちよくなるな」というところをいろいろやりました。

まずひとつ目は、アップ・ダウンできるクイックシフター(2020年式以降に対応したオプションパーツ)です。CBR1000RRに試乗した時に「これはいろいろ反対されても絶対につけよう」と思って。気持ちいいというか乗る楽しみがさらに増えて、操りやすさも向上するものだと思っています。

●関連記事:想像以上! 「CBR250RR」クイックシフター街乗り実験記

二つ目は、エンジンの出力です。スペック上は3馬力上がったんですけど、パワーカーブですね、中間をモリっと上げてつながりを良くすることでもっと気持ち良くすることを心がけました。ぜひ乗り比べて頂きたいですね。

MC:河合さんにとってCBRとは?
河合:
僕にとっては初めて、こうやって多くのお客さんとつながった手ごたえが感じられたバイクです。

さらに「甘いものが好きと伺ってますが?」という質問には「チョコレートが全般的に好きで、ツーリングの途中でケーキ屋さんとか見つけたらすぐに寄って食べます」と、これまた意外な回答が返ってきて、場の雰囲気がやわらいだ。

会場で見つけたレッドバロンユーザー!

●OWNER01~03:左から、ボブきちさん、V1NGO(ビンゴ)さん、すまだけんやさん
・ボブきちさん(東京都大田区・38歳):愛車はCBR600RR(2003年式)で発売された当初から好きだったそう。両サイドから見てもスッキリしているセンターアップマフラーがお気に入り。「行ってみたかった」というCBRミーティングは今回が初参加だ。バイクはレッドバロン東京大田で購入し「オイルリザーブシステムは費用的にも助かります」とのこと。

・V1NGO(ビンゴ)さん(神奈川県横浜市・28歳):愛車はCBR600RR(2006年式)で逆輸入のフルパワー車。なかなかカブらないカラーリングが好きなところ。同じ車種、ホンダ好きとの交流、関東圏でのツーリング友達探しを目的に仲間とミーティングに参加した。カスタムやデザインの参考になるバイクが多く、また参加したいと話してくれた。

バイクはレッドバロン新横浜で購入して半年が経ったが「特にトラブルもなく、まだそれらしいアフターサービスを受けたことがないですが、購入時の接客やオイル交換での対応は素晴らしかった」とのこと。「みなとみらいの赤レンガ倉庫によく行くので、見かけたら遠慮なくお声がけください」。

・すまだけんやさん(滋賀県守山市・23歳):愛車はCBR600RR(2007年式)でEU仕様の逆輸入車だ。SC59(CB1000RR)のミラーを移植、マフラーカスタムのほか4気筒の加速音とあまり見ないホンダの青黒カラーが気に入っている。

購入店はレッドバロン京都北。今年の5月に納車して「ミーティングに行くしかない」と来場。同車種の新しいつながりができて「来てよかった。また参加したい」とのこと。


●OWNER04:きぃろさん(静岡県静岡市・52歳):愛車はCBR954RR(2003年式)でカスタム多数! 前後サスペンションはオーリンズ、マルケジーニのホイールにブレンボキャリパーのほか、なんと言ってもオールペイントが光っていた。「オールペイントをしたことで自分だけのバイクになって、現在のSSにも負けない存在感が大好きです!」
購入店はレッドバロン清水で、代用品のパーツを探してもらうなどカスタムの細かな部分までお世話になっているそうだ。「こらからも何かあれば無理なお願いをしてしまいそうでスイマセン!」とのこと。


●OWNER05:くぅさん(愛知県豊田市・25歳):愛車はCBR250R <ABS>Special Edition。キレイなレモンイエローの車体と単気筒の乗りやすさがお気に入り。CBRミーティングへの参加は鈴鹿に続いて2回目。同じ車種でもカスタムの違いを見に来たかったそうで「今後乗りたい車体とカスタムが見れて良かった」とのこと。今後のカスタムの予定では、イエロー部分を増やしたりバックステップも装着したいそうだ。
購入店はレッドバロン豊田上郷店で「気軽に話ができて、メンテナンスのお知らせも来るしオイルリザーブができるのが良いと思います」とのこと。今後はCBR1000RR(SC77)やドゥカティといった車両に乗りたいそうだ。

(後編に続く)

SHARE IT!

この記事の執筆者

この記事に関連する記事