同じ車種やシリーズ、さらには型式限定のものまで、オーナーが車両を持ち寄って集まるオーナーズミーティングは「同じ趣味嗜好を持つ人と気軽につながれる」というSNS時代の到来で、さらなる進化と賑わいを見せている。

▲駐車場に並ぶ様々な排気量・年式のCBR


ホンダを代表するスポーツシリーズ「CBR」も各地でオーナーズミーティングが開催されてきたが、今回はいま最も全国的かつ総合的に開催されている「CBRミーティング in渚園」の模様を準備段階から紹介していこう。

▲渚園のキャンプ場内にできたCBRの行列

開催地・排気量の枠を超えて。CBRミーティングの沿革

▲2018年9月9日(日)、渚園で開催された「関東関西合同 新旧CBR250RR(第1回全国CBR250RRミーティング)の集合写真


CBRミーティングは、2017年8月頃、ツイッターでつながった東日本・西日本のCBR250RR(MC51)オーナーにより「ミーティングをやってみないか?」と活動が開始された。その動機は「CBオーナーズミーティングがあるのにCBRオーナーズミーティングはなぜ開催されないのか?」というものだった。

2017年11月に三重県の針テラスで「関西新旧CBR250RRミーティング・青山高原プチツーリング」(たるとさん主催)が開催され、2018年7月には滋賀県・マキノピックランドで「第1回CBRオーナーズミーティング」(ふーさん主催)が開催された。

その年の9月には静岡県の渚園キャンプ場で「関東関西合同 新旧CBR250RRミーティング」(たるとさん主催)が開催されるなど、あっという間に全国規模に。

▲2018年3月4日(日)にライコランド新横浜店(当時)で開催された「関東CBR250RRミーティング」の集合写真


その後は、2りんかん、ライコランド、さらにはCBRにとって聖地とも言える鈴鹿サーキットでも開催を重ね、Hondaの開発者も参加するなどして盛り上がりを見せ、現在に至っている。

なお、2022年11月5日(土)には、鈴鹿サーキットにおいて「2022年MFJ全日本ロードレース選手権・最終戦」に合わせる形で「CBRミーティング in 鈴鹿サーキット」が開催される予定だ。興味のある方は下記のアカウントから確認してほしい。

●CBRオーナーズミーティング【公式】ツイッター
アカウント名:@CBROwnerMeeting

ニダボ復活が引き金に。いま、なぜCBRが人気なのか?

▲2015年の東京モーターショーで発表されたプロトタイプ。デザインや性能で大いに話題となった


近年のCBR人気の盛り上がりは、2015年の東京モーターショーでコンセプトモデルが発表され、2017年に発売されたCBR250RR(型式MC51)から始まったと言える。

▲1994年に発売されたCBR250RR(MC22)は最高出力40psの4サイクル水冷4気筒エンジンを搭載。2000年まで製造された


2000年に惜しまれつつも生産終了となっていたCBR250RR(型式MC22)以来、親しみやすいスーパースポーツ“ニダボ(CBR250RRの通称)”がラインナップから消えていたが、17年ぶりに先進的なデザインと最新の電子装備を満載して復活したことは幅広い年齢層に熱く支持された。

このグローバルなモノづくりの時代、250ccという排気量は日本国内独特のものとなるが、ニダボ復活以来、125cc、400cc、600cc、650cc、1000cc、1100ccとCBRシリーズそのもののブランド価値がさらに間口を広げつつ、新旧織り交ぜて再び高めれられたのは事実だろう。

2022年の第43回「鈴鹿8耐」でもホンダはCBR1000RR-RSP(Team HRC)で8年ぶりの優勝を飾り、CBR復権のムードを強く印象付けた。

▲ホンダにとって2014年以来8年ぶり、通算28回目となる鈴鹿8耐での優勝

▲鈴鹿8耐で優勝したTeam HRC(長島哲太、高橋巧、イケル・レクオーナ組)の「CBR1000RR-R FIREBLADE SP」


2022年には次期CBR250RR(2023年モデル?)も公開されており、東南アジアも含め、モータースポーツの盛り上がりと共に市場を牽引していくと予想される。

ミーティング開催を考える人の参考になる運営体制

▲駐車場内でもしっかり誘導が行われる


CBRミーティングはサポートメンバーら有志によって支えられているが、とてもシステマチックで運営管理が優秀であることが知られており、これからミーティングを主催しようと考える人にも参考になるところが多い。

▲到着時には「おつかれさまです」「こんにちは」とスタッフからの声掛け

 

▲駐車場内では型式ごとに整列し、会場内へは型式ごとに順番に入場する

 

▲渚園に着いたらまずは駐車場で型式ごとに整列して待機


それでは、まずはイベント告知&出欠確認サイト「TwiPla(ツイプラ)」での募集概要から紹介しよう。

【CBRミーティングin渚園 参加募集時概要】

▲感染対策のためのアルコールスプレーも設置


以下の内容は「ツイプラ」記載事項から引用・改変したものとなる。マフラーの規制対応についてはかなり細かく説明されるので、純正から交換している人はしっかり読み込む必要がある。バッフルを抜いているなんて決して許されない。

■参加申し込みに際し注意事項
□必ず参加出来る方のみ申し込むこと
□予定不明での保険的な申し込みは固くお断り
□申し込み後のドタキャン・無連絡欠席は次回以降参加頂けない場合あり

■日時:2022 年9月4日(日)
※雨天中止(木曜日時点で開催地の降水確率が50%以上で中止
10:00 受付開始
11:00 ミーティング開始
16:00 終了予定

■ミーティング会場:浜松市渚園 フリーサイト
〒431-0214 静岡県浜松市西区舞阪町弁天島5005-1

■参加費用:バイク1台1,000円(会場レンタル費+ステッカー代)
□入場後、ミーティング参加受付時に会費を支払う

■参加対象車種要件:CBRシリーズ全車種

■サイドスタンドパッド持参のお願い:
□バイクの転倒防止・芝生保護のため、サイドスタンドパッドの持参をお願いする。かまぼこ板等の木材でもOK

■新型コロナウイルス対策:
□会場内はマスクの着用が必須。会場内にはアルコールスプレー等を設置してあり、手指の消毒を心掛ける
出発前に必ず検温。入場前にスタッフが検温行い、37.5度以上だと参加できない
□政府・厚生労働省配布の接触確認アプリ"COCOA"のインストールと入場後はアプリを起動する

■その他の注意事項:
□車両整列後は勝手に車両を動かさない。動かす際は必ず運営メンバーの許可を得る
□トランポでの参加可能 ※別途、駐車料金必要
□ミーティング中の事故や怪我または道中でのトラブル等は各自で対応 ※自己責任ということ
□ゴミは放置せず、必ずゴミ箱か持ち帰る
□主催またはサポートメンバーが参加車両を不適切と判断した場合は、お帰りいただくことがある ※ミーティングによってはマフラーが純正品・車検対応品以外の場合は「装着マフラーがJMCA認定(政府認証)」等が参加要件となることもある

こうした案内について了承できるならば、リンク先のGoogleフォームで参加を申し込む。なお、オーナーのほか同行者も別途申し込むシステムとなっている。

電子化された受付システムと感染対策で万全に!

▲QRコードを読み込んでの受付システムを構築


CBRミーティングでは、感染対策の一環として、接触機会を減らすためにツイッターIDのQRコードを用いた受付システムを導入している。このシステムを運営メンバーらが独自に作ってしまうのが、彼らの凄いところだ。

▲受付テントは右が受付、左が会計と分かれている


受付時にはQRコードを読ませた後に会計へと進んで参加費を支払う。会計では、チケット、ステッカー、レシートを受けとり、レシートはバイクのスクリーン部など目立つところに貼っておく。

今回で全国的かつ全排気量的なCBRミーティングとしては6回目の開催となるが、率いてきたお二人に「ミーティング開催で一番大事なことは何ですか」と質問してみると以下の回答があった。

●たるとさん(前代表):「常に参加者目線であり続ける」
●ふーさん(現代表):「年齢関係なく楽しんでもらえる場所にする」

なるほど、これはまさに金言。ミーティング主催者にとって必要な視点や想いだと実感した。今回の準備編、ミーティングをやろうという人の参考になれば幸いだ。

▲渚園のキャンプ場内にできたCBRの行列

 

▲場内の通路はフラットな砂利道。エンジンを吹かしたりあおったりは厳禁。以降のミーティングで出入り禁止となることも


10:30の受付開始から開会式まではわずか1時間。誘導メンバーは時に臨機応変に対応しながら車両を並べていく。こうして受付が終わったら、いよいよCBRミーティングの開会となる。前編・後編に分けてお伝えしていくのでお楽しみに!

(前編に続く)

 

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