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キャンプツーリング=アドベンチャーバイク??
近年流行している、BMWのR1250GSやホンダのアフリカツインなどのアドベンチャーバイク。ロングツーリング、とくにキャンプツーリングに適していて、荷物を満載できるように純正オプションでもハードタイプケース(樹脂やアルミ製のパニアケースやトップケース)の設定があります。私もキャンプが好きなこともありご多分に漏れずR1200GS(少し前の空冷タイプ)のしかもアドベンチャーを所有しています。最近だと長野、新潟、山形、秋田、青森、岩手の甲信越から東北をぐるりとまわるロングツーリングにキャンプ道具やカメラやノートパソコンを積載し10日間のロングツーリングを楽しみました。これはまた後日記事に投稿するつもりです。
写真は青森の県道28号線。通称「白神ライン」です。全長42kmものダートが続きますが、ほぼフラットの砂利道。ゆっくり進めば、乗用車でも走ることができます。
アドベンチャーバイクじゃなくても冒険したい!
一方でその真逆ともいえる積載性があまり考えられていないバイクも所有しています。それはハーレーダビッドソンのスポーツスターです。ハーレーの中でもスポーツ性を高めたモデルなのでビッグツインエンジンを搭載したウルトラなどのツーリングモデルに比べて少ない排気量、そして小さなタンク容量も相まって巡航時の快適性や航続距離の少なさなどもあり、ロングツーリングに適してはいないモデルです(と思っていました)。
自分が入手したモデルは、スポーツスターならではのいわゆる小ぶりのピーナッツタンクではなく、容量17Lと多いタイプ。しかも足つき性の高いXL1200L(ロー)です。サスペンションが短いので足つき性は良いのですが、最低地上高が低いため、スポーツ性能が犠牲となっております。ただし足がべったりと地面に着きますので立ちゴケする不安が全くありません。
シートはダブルシートとは言え、若干ガンファイターシート風。後部座面の面積をみると、R1200GSアドベンチャーやCT125並みに荷物を積載することは難しそうです。
とはいえ、せっかく入手したスポーツスターですし、NSR250Rなどのレーサーレプリカ、YZF-R1などのスーパースポーツに比べれば積載性も快適性も高そうなので、キャンプツーリングに向いたバイクも持っていますが、スポーツスターが本当にロングツーリングやキャンプツーリングに不向きなのかを検証してきました。結論から言うと問題なく「使えます」。
スポーツスターでキャンプツーリングへGO!!
「ちょっとキャンプへ」という程度ではその性能の極限を体感することはできないと考え、キャンプも含めて1週間ほどの旅に出かけることにしました。まず目指したのは山梨県の富士五湖周辺へ。その翌週福島県で野暮用がありましたので、そのまま北上。結果6泊7日、1000kmOVERの旅となりました(内キャンプ泊は3回)。ちなみにスポーツスターでの宿泊を伴うツーリングはこれが初めてでした。
都内から首都高経由で中央道に入ります。平日、さらに朝の渋滞も終わるやや遅めの時間に出発したこともあり車の流れもスムーズで、一気に河口湖インターまでバイクを進めます。この日の宿泊地は本栖湖と決めていたので(翌日から仲間が集まる予定)、その道中、普段は走らない裏道や気になっていた観光スポットを楽しみます。
一番立ち寄りたかったのが「紅葉台」です。文字通り紅葉が綺麗そうな場所。道路上に標識が出ているのを以前から気になっていました。紅葉シーズンには程遠い季節でしたが下見を兼ねて訪れてみました。
【紅葉台レストハウス】
山梨県南都留郡鳴沢村鳴沢8527
行ってみたい場所へ訪れる。結果「冒険の旅」に
国道139号線から外れ、少し進むとまさかの未舗装路となります。スポーツスターはベルト駆動なので、ダートは厳禁とハーレー仲間から聞いていました(ベルトに石が噛むと簡単に破断してしまう)。引き返そうかどうか入り口で考えていたところ、ファミリーカーが数台未舗装路へ吸い込まれていきました。入り口の路面を見る限りしっかり圧接された道です。もっと路面がひどくなったら引き返そう、とバイクを進めることにしました。
心配していた路面も一部砂利がありますがしっかりと締まった土。トコトコと走る程度であれば、石を巻き上げることもなさそう。展望台を目指し登っていきますのでやや勾配がついた道でした。そもそもスポーツスターでダートへ侵入することに一抹の不安を抱きますが、R1200GSやWR250R、最近ではCT125・ハンターカブで林道を走っていますので、普段走る林道に比べれば、舗装路並みに快適な道です。しかしスポーツスターというダートに不向きなバイク。おおよそ2キロほどめちゃ低速でしたが、アドベンチャー気分を味わうことができました。
※台風直後や道の整備状況により、路面状況はころころ変化します。心配な方は入り口で待ち、降りてくる車を待って道路状況を聞いてみてください。
紅葉台の展望台からの眺望は絶景です。レストハウスの屋上からはぐるりと360°すばらしい景色を楽しめます。富士山を頂上から裾野の樹海まで、上から下までを丸ごと眺めることができます。紅葉の時期は、至る所に赤や黄色が緑の木々の中に点在し、11月上旬が見頃だそうです。屋上への入場は大人200円となりますが、支払う価値ありますよ。
西に目を向けると、遠くに南アルプスの山々を見ることができます。
その下には、本栖湖が。近くで見るのとは違う趣を感じますね。キャンプ地まであと少しです。
スポーツスターへの積載はこんな感じ
キャンプ道具一式に、撮影機材にノートパソコンをリアシートに積み込みました。本栖湖で連泊する予定だったので、テントは焚火用の大きめなのを持ち出しました。椅子、テーブル、さらに快適な睡眠を得るためにコットも。予想していたよりも積載能力が高いので、準備時、積載方法を試しつつこんな荷姿に。
この姿で高速道路、ちょっとしたワインディング、そして突如現れたダートを走ってみましたが問題なし。総重量はカバン込みでおそらく25kg強。CT125に積載するとふらつく重量ですが、スポーツスターはそもそも車重があるのと、低重心となっているおかげで安定性抜群。意外だったのが空荷の時と比べても、挙動が激しく変わることがないところ。スポーツスターとは言え、大陸を旅する車両を作っているメーカーだからこその設計なのでしょうか?
積載のベースとなったバッグ
狭い座面にいかに安定して荷物を載せることができるのか。今回チョイスしたのはこのバッグです。一昨年からヘリテイジ系とも言われるようになったクラシックなバイクで旅するときに使用しています。底がえぐれており、そのえぐれにタンデームシートがフィットしますので左右にずれることがありません。このバッグをベースに上や後ろにバッグなどを連結し積載しました。
SW-MOTECH(エスダブリューモテック)
LEGEND GEAR(レジェンドギア)
LR2テールバッグ ユニバーサルモデル
税込:5万600円
表面には一部、合皮を使用していてスポーツスターのようなクラシックなバイクに似合います。一方防水性はあまりなく、防水カバーがついています。よくある外側に被せるものではなく、中に広げるインナータイプです。それを使っても防水性能はそこまで高くないので、私は別売の防水ストレージバッグに荷物を小分けにし、このテールバッグに積み込みました。
このテールバッグもそうですが、最近のツーリングバッグはこのように外側にベルトやポケットなどが多く装備され、機能性、拡張性が高く便利です。そのためにオプションのポーチやバッグの上にマットや追加のバッグを積載することになります。そうすると同梱の防水カバーのサイズを大きく上回り被せられなくなります。カバンだけ被せても、さらにその上にバッグなどを付けづらくなりますし、雨が降り出した時にカバーを着けるためだけに荷物を一度下ろさなければなりません。それはかなりの手間なので、私はこのような大型のバッグを積載するときはカバンが濡れるのは諦め、濡れていけない物だけを完全に防水できるバッグに入れることで、突然の雨に遭遇してもうろたえることなくツーリングを続行することができます。
車体側への固定はフック等は使わずベルトのみといたってシンプル。バッグ側の金属製のバックルにベルトを通し、タイダウン方式で締め上げ固定する。バッグの取り外しもここを緩め外すだけなので、近年主流のワンタッチ方式で接続するバックルと比べても遜色がないほど簡単です。個人的にはこちらのほうがテンションをしっかり掛けられるので、使いやすくて好きです。
バッグの表面には、近年流行のPALSテープが縫い付けられています。同シリーズのポーチはもちろんですが他メーカーのアイテムを装着したり、写真のようにカナビラをひっかけられたりなど、拡張性が高いので、アイデア次第で自分仕様にカスタマイズ可能です。
容量は46LでサイズはW68xH45xD30cm。W(幅)が68cmもあるので、一般的なテントポールやマット類がすっぽり収まるサイズで使い勝手抜群。
同シリーズのタンクバッグ。マグネットでタンクに装着します。こちらにもPALSテープがありますので拡張性があります。下辺にジッパーがあり、それを開けると高さが変わり容量を3.0Lから5.5Lへ増やすことができます。500ccのペットボトル、携帯バッテリーや充電ケーブル、盗難防止用の簡易ロックを携帯できます。
LEGEND GEAR(レジェンドギア)
LT1タンクバッグ
税込:1万5400円
まとめ
このバッグのおかげで大きな荷物の積載が可能となりました。リアキャリアを装備すればもっと多くのキャンプ道具を持ち運ぶことだってできそうです。ほぼノーマルのスポーツスターだって、工夫次第でこの写真のようなバイク用ではない大型のテントや焚き火台などをキャンプ場に持参できます。さすがに薪は現地調達ですが。
昨今のキャンプブームで仲間が増えたことは良いのですが、週末の混雑に辟易しています。そこで最近はなんとか仕事をやりくりし、平日キャンプを楽しんでいます。できるだけ早い時間にチェックインし、だらだらと焼酎を飲むのがマイブーム。
この日のツマミは、サバの水煮にオリーブオイルと香辛料をたっぷり入れた缶詰料理。ゆっくりとした時間をひとり過ごします。翌日は午前からバイク仲間が集まり、焚き火を囲み、大きな肉を焼くなど、ソロキャンプとは違った料理を楽しみました。その後仲間と別れ、一路福島へ。途中ゲリラ豪雨に遭遇しましたが荷物は濡れることもなく無事。仕事を終えた後は、磐梯山へ。その模様はまた機会があるときに投稿します。
結論から言うと、スポーツスターだってバッグや工夫次第で大きな荷物を積載でき、キャンプツーリングを楽しめます。しかもそんな荷物を満載したまま1000kmのツーリングだってへっちゃらでした。強いて弱点を挙げるとするならば、シートでしょうか。長距離は堪えますね。お尻と腰が痛くて100km毎に休憩は必須でした。今度は低反発系のシートカバーでも購入してレポートしてみようかしら?