東北有数の桜の名所として知られ、「さくらの名所100選」「みちのく三大桜名所」に数えられている岩手県の北上展勝地(北上市立公園展勝地)。いま、まさに桜の時期じゃないの? ということで4月12日、スーパーカブC125に乗る友人Tを誘い、クロスカブ110で出かけてみました。
交通量が少なく快走
出発地は筆者の実家がある岩手県盛岡市。ここから北上展勝地までは東北の主要国道である国道4号線で向かうのが一般的なルートですが(距離にして50㎞ちょい)、それじゃあツーリング気分が盛り上がりません。できるだけ4号線は使わずに行こうと、国道396号線、国道456号線、県道28号線を走りつなぎました。
こちらは国道456号線。東北新幹線の高架と並行しながら走ったり、一級河川の北上川の堂々たる流れを眺めたりしながら南下していきます。
交通量が少なくて、信号機のある交差点も数えるほどで、ノンストップ・ライディング。なんとも気持ちがいい。
こちらは県道28号線。赤信号に停められることもなく、すいすいと走ることができます。気温も寒くなく、暑くもない、絶好のツーリング日和。東北の春は最高。大空の下、田園風景がどこまでも続きます。
北上展勝地へ向かう途中、桜が咲いている場所があれば立ち寄って記念写真。小回りの利く小排気量車は気兼ねなく寄り道ができていいですよね。
結局、50㎞ちょっとの距離を1時間少々で移動できました。それだけ道が空いていた、信号機に引っかかることもなかった、ということ。都会じゃ考えられません。
北上展勝地へ!
北上展勝地に到着。4月9日から4月29日までは「さくらまつり」が開催されているので、広大な駐車場はほぼ満車状態。まつり期間中は駐車協力金として一般車両1台につき500円を支払いますが、バイクは無料で駐輪場に駐めることができます。自転車と一緒の扱いで、スペースも狭いですけどね。
そして大勢の観光客をかき分けて桜並木へ。
なんと美しい桜並木でしょう。北上川に向かって、約2㎞の桜並木が続いています。北上展勝地はこの桜並木の他にも、約150種のさまざまな桜が1万本ほど植えられているそうです。
ただしこの日はまだ、つぼみ。
あとちょっとで咲きそうなんですけど、残念! ウェザーニュースの開花予想では、4月19日が満開、4月25日が桜吹雪だそうです。この記事が公開される4月22日はその中間。近くにお住まいの方は、足を運んでみてはいかがでしょうか。
「さくらまつり」に大満足
この日、満開の桜は見られませんでしたが、高揚感は充分。もうすぐこの並木が盛大に咲き誇るのかと想像するだけで気持ちが高ぶります。
そしてそんな桜並木の下を観光馬車がポッカポッカと通ってゆく。いい光景じゃありませんか。
振り返れば、まつりの会場で民族芸能も演じられていました。
北上市周辺に伝わる念仏剣舞のひとつ「鬼剣舞(おにけんばい)」。おっかない鬼のようなお面をつけていますが、これは仏の化身。なので、角(つの)がありません。
岩手県や宮城県に伝わる、獅子踊(ししおどり)。地域の平安と悪霊の退散を祈願する舞いだとされています。
生まれ故郷の民俗芸能ですから、血が騒ぐんでしょうね、見ていて興奮が止まりません。
これはレストハウスに貼られていたポスター。桜が満開だと、こんな感じなのですね。車道じゃなくて、馬車道ってところも素敵です。いつかはこの景色も見てみたいものです。
元祖満州にらラーメン
北上市から盛岡市への帰路、C125の旧友Tがどうしても食べたいラーメンがあるからと、花巻市の「さかえや本店」へ。
広い駐車場にはクルマがいっぱい。はじっこのほうにC125とクロスカブ110を置き、店入り口の行列に並びます。
「いつも並んでるけど、この店は回転が早いからそんなに待たずに入れるよ」と旧友T。
10分ほど待たされて店内に入れば、壁には有名人のサイン色紙が。
芸能人のサインにまじって、地元・花巻東高校出身の菊池雄星投手のサインも。しかも西武ライオンズ時代のものと、シアトルマリナーズ時代の2枚。そうとう好きなんでしょうね。
テーブルに着き、旧友Tと同じものを注文。人気ナンバー1だという「満州にらラーメン」、略して「満にら」。
いよいよ運ばれてきました、それがこれ!
目にも鮮やかな大量のニラ、中央には紅ショウガのみじん切り、具はその他にニンニクの芽の醤油漬け、豚バラ肉。そしてスープの表面を覆いつくすラー油がインパクト大。
戦時中、満州で口にしたスープに感銘を受けた創業初代店主が、日本へ帰国後、想いを込めて作り上げた一杯なのだそう。
スープはそんなに辛くないか? いや、けっこう辛いぞ。そんでもって、旨い! カラウマってやつです。紅ショウガのみじん切りをほぐしてスープに混ぜ合わせれば、酸味が広がって味変し、旨さが際立ちます。
これは中毒性のある旨さ。一度味わったら病みつきになるタイプ。
旨くて辛いので半ライス120円を追加注文したら、さすが米どころの岩手、量が半どころか並ぐらいあり、しかも味が大変よろしい。お米が高騰している昨今、これでは赤字じゃないのというぐらいの量と質。旨辛スープにごはんを浸して食べれば悶絶するほどおいしいので、筆者も菊池雄星投手と同様、「満にら」リピーター決定です。
みなさんも、ぜひ!
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