信州を代表する高原ワインディングロード、ビーナスライン。風景の美しさと走りの爽快感で多くのライダーを魅了している人気の道ですが、実はそのビーナスラインのすぐそばに、「ここもビーナスラインじゃないの!?」と言いたくなるほど雰囲気の似ている道があるのです。それが県道62号・美ヶ原公園沖線。今回はその道をご紹介します。

美ヶ原公園沖線とは

裏ビーナス

 県道62号・美ヶ原公園沖線は、長野県上田市腰越から美ヶ原高原の「うつくしテラス」前までを結んでいる長野県道ですが、今回おすすめするのは、武石(たけし)峠から「うつくしテラス」前までの、約5.4kmの区間。道は美ヶ原高原の最高峰・王ケ頭(おうがとう)手前で一般車進入禁止になります。

裏ビーナス

裏ビーナス!?

 ビーナスラインのすぐ裏にあるので、「裏ビーナス」という愛称で呼んでいるライダーもいます。また、この道もビーナスライン同様、美ヶ原高原を通っているため「美ヶ原高原道路」と呼ばれることも。
 美ヶ原高原って、実はこんなにも広いのです。

裏ビーナス

 武石峠から走り出せば、西側に松本盆地を見下ろしながらのワインディングが続きます。松本盆地の向こうには、北アルプスや中央アルプスの壮大なパノラマ風景が広がり、思わず声をあげたくなるほど。ですが、しばらくのあいだ、道幅は1.5車線分しかありませんから注意してください。
 武石峠から2.6kmほど進むと、道は2車線になり、さわやかな高原風景が視界いっぱいに広がります。

高山植物の宝庫

 面積600haの台地となって広がる美ヶ原高原は、レンゲツツジ(花期は5~7月)、テガタチドリ(6~7月)、エゾカワラナデシコ(6~9月)など、高山植物の宝庫でもあります。

裏ビーナス

 この画像は2021年6月末に撮影したもの。メグロの後ろに高山植物が咲いていますよね? 梅雨の時期ではあるけれど、この季節、天候にさえ恵まれれば、草花を気持ちよく愛でることもできます。

終点には休憩スポットも

 美ヶ原公園沖線の終点には、大きな駐車場があります。ここから先は一般車両通行禁止のトレッキングルートで、駐車場にクルマを駐めて歩き出すハイカーも。

裏ビーナス

 駐車場前には美ヶ原自然保護センターがあります。ここは美ヶ原の植生や、野生動物の生息種などの環境を学べる施設。入館料は無料で、定休日はありません。

裏ビーナス

 美ヶ原自然保護センターの隣には、ちょっとした食堂を兼ねた売店があります。

裏ビーナス

 以前は「駐車場売店」なんて呼んでいたのですが、2021年7月に「うつくしテラス」としてリニューアルオープン(画像は2021年6月末)。
 営業時間は10時~15時(食事は14時まで)。公式サイトを見たら、「ボリューム満点のパティと新鮮な野菜を地元の名店『小松パン店』のバンズではさんだ美ヶ原バーガー」だとか、「『松本カリーラリー』でもおなじみ「エスニックカリーメーヤウ』の三種のカレー」など、気になる新メニューがいっぱい。店内がどう変わったかも知りたいところです。

行き方に注意も!

 通称「裏ビーナス」、魅力いっぱいの美ヶ原公園沖線ですが、武石峠からビーナスライン方面の番所ヶ原スキー場までの区間は現在、土砂崩落のため全面通行止になっています。工事を請け負っている上田建設事務所に問合せをしてみたところ、当面のあいだは通れない状態が続く、とのこと。
 ですので武石峠へは、美鈴湖から美ヶ原林道経由で向かうようにしてください。
 

 

 ということで、美ヶ原公園沖線。「もうひとつのビーナスライン」とでも呼びたくなる爽快ロードですから、貴方もぜひ!

【関連記事】
全長約76㎞の爽快ロード! 日本屈指の絶景高原ワインディング「ビーナスライン」
走るだけじゃもったいない!【ビーナスライン】車山展望リフトで360度の大パノラマを見渡す

 

 

 

 

SHARE IT!

この記事の執筆者

この記事に関連する記事