造り手の意志やマシンの個性を端的に表し、当代の先進技術とデザインが色濃く反映されている部品=メーター。’00年代末から外国車を中心にフル液晶メーターの採用が拡大し、続く’10年代には高級車にカラー液晶も投入、現在は600クラスにも広まりつつある。本記事では最新のメーターとともに現状のトレンドをまとめてお伝えしよう。

●まとめ:ヤングマシン編集部(沼尾宏明) ●写真:YM/BM ARCHIVES

電子制御の隆盛に伴い液晶メーターが普及

急速に一般化したスマホと合わせるかのように、全面液晶パネルの導入が進んだのは’00年代末からだ。ドゥカティら海外メーカーのスーパースポーツが、トラクションコントロールなどの電子制御化を一挙に推進。メーターで複雑な設定を行うには、従来の小型液晶では足りない事情もあり、モノクロ全面液晶がトレンドとなった。以降、アドベンチャーなど他ジャンルにも波及していく。

’10年代に入るとカラーのTFT(Thin Film Transistor=薄膜トランジスタ)液晶メーターが登場。従来のLCD液晶は決められた表示しかできないが、TFTではスマホのように異なる表示が可能。より複雑な機能を持たせられるとあって、海外スーパースポーツ車が積極的に採用。国産車は導入が遅れたが、近頃は普及が進んできた。

さらにスマホとの連携機能もトレンド。メーターに電話などの着信を表示させたり、スマホの画面そのものを映す車種もある。
【操作系も進化】液晶画面内の複雑なメニューを快適に操作するため、ゲーム機のようなジョイスティック/十字ボタン/ホイールが登場。それにしてもスイッチが増えた。

ドゥカティ ディアベルシリーズ[’11-]:カラー液晶の元祖的存在

最初期にTFTカラー液晶を採用したのが初代ディアベル。タンク側のサブパネルに色付きのエンジンモードなどを表示し、新鮮だった。現行型は1パネルだ。
▲’11-  DUCATI DIAVEL SERIES

ヤマハ YZF-R1/M[’15-]:国内ではR1が先陣

カラー液晶に消極的だった国内メーカーで先陣を切ったのはヤマハ。完全刷新した’15年型YZF-R1で、国産車随一の電脳デバイスとともにカラーTFTを採用した。
’15-  YAMAHA YZF-R1M

BMW R1250RT[’21]:巨大サイズも登場

最新のR1250RTは、10.25インチというノートPC並みのサイズを採用。画面を分割して様々な機能を同時に表示できるのが利点だ。スマホ専用ストレージも備える。
▲’21 BMW R1250RT

KTM 125デューク[’17-]:125クラスにもカラー液晶!

KTMは’17年頃からカラー液晶を旺盛に採用。390デューク/アドベンチャーのほか、125デュークまでカラー液晶だ。スマホ接続もできる。
▲’17– KTM 125 DUKE

つながる“コネクテッド系”も勢力拡大中

現行型のカラー液晶採用モデルは、その多くがスマホとブルートゥースで接続できる。’15年頃から導入が開始され、ハンドルスイッチで音楽プレイヤーを操作したり、メーターに電話/メール着信などを表示可能。走行ログや車体情報をスマホで確認できる車種も多い。
▲液晶の右下にブルートゥースマークが。
【国内ではカワサキが注力】国産で“連動”にもっとも積極的なのがカワサキ。最大バンク角など詳細なログを記録できる。
【ナビまで登場してきた】メーターにナビを表示できる車種も増加中。スマホをハンドルマウントしなくて済み、視認性も高い。BMWなど外国車は、日本の地図に未対応の場合もあるので確認を。 

タッチパネルにカープレイ。もはやスマホ!

一部の上級モデルには、カラー液晶に加え、タッチパネルも導入され始めた。ハンドルスイッチに比べ、操作が簡単明瞭なのがうれしい。また、クルマに採用されるアップルカープレイも登場。メーターパネルを通じて、接続したスマホ内のアプリを操作可能だ。

ホンダ CRF1100Lアフリカツイン[’20-]

アップルカープレイは、スマホをバイク本体にUSB接続し、スマホの画面をメーター内に映し出せる(アンドロイドオートにも対応)。音声入力も可能だ。ゴールドウイングにも搭載。
▲’20-  HONDA CRF1100L AFRICA TWIN

ハーレーダビッドソン パンアメリカ[’21]

ハーレー初のアドベンチャーモデルはタッチパネルを採用し、日本語もしっかり表示する。ライブワイヤーと同様、別売のハーネスを使えばカープレイにも対応。
▲’21 HARLEY-DAVIDSON PAN AMERICA 1250/SPECIAL

ハーレーダビッドソン ライブワイヤー[’21]

話題の電動バイク・ライブワイヤーもタッチパネルで、外観がスマホ的。音声認識や文字読み上げにもスマホ経由で対応している。
▲’21 HARLEY-DAVIDSON LIVEWIRE

インディアン ロードマスターシリーズ[’17-]

インディアンは豪華クルーザーのロードマスターなどに’17年型からTFT液晶+タッチパネルを採用。’21年型でカープレイ採用車が増えた。
▲’17- INDIAN ROADMASTER SERIES

ネオクラシックはアナログを巧みに使う

トライアンフ スクランブラー1200XC/XE:新時代のデジアナ融合

メーターの液晶化が進む現在だが、レトロ風の“ネオクラシック”ではアナログが健在だ。新たな試みとして、アナログ風画面の液晶メーターも登場。スクランブラー1200シリーズは、アナログに見間違えるほど凝ったデザインでテイストも満点だ。表示パターンを変更したり、簡易ナビや電話着信も表示できる。
▲’19- TRIUMPH SCRAMBLER 1200 XC/XE

カワサキ W800シリーズ[’19-]:グレードごとに変化

’19年に復活したW800シリーズは、外装/ハンドル/ホイールなどの変更で4つのグレードを展開。各車のキャラに合わせ、メーターの文字盤を変更しているのが興味深い。最新のメグロK3は“メグロ”のロゴ入りだ。
▲’21 KAWASAKI W800▲’21 KAWASAKI W800 CAFE ▲’21 KAWASAKI W800 STREET▲’21 KAWASAKI MEGURO K3

ホンダ GB350/S[’21]:デザインも機能もマル

味わい深いシングルを搭載した新作ネオクラシックは、1眼アナログ内の液晶部に、オド/燃料計/時計/ギヤポジションをコンパクトに表示。デザインと利便性を両立している。
▲’21 HONDA GB350/S

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