●まとめ:ヤングマシン編集部(高橋剛) ●写真:楠堂亜希 ●外部リンク:ホンダモーターサイクルジャパン

【テスター:岡崎静夏】チャーミングな笑顔でも、中身はスパルタンな”バイクフリーク”。’09~’10年のMFJレディースロードレースで2年連続王者に。全日本はGP-MONOを経て’12年からJ-GP3に参戦中。TwitterFacebookInstagramYouTube 

【HONDA MONKEY 125】■全長1710 全幅755 全高1030 軸距1145 シート高776(各mm) 車重104kg ■空冷4スト単気筒OHC2バルブ123cc 最高出力9.4ps/6750rpm 最大トルク1.1kgf・m/5500rpm 5速リターン 燃料タンク容量5.6L ■タイヤサイズF=120/80-12 R=130/80-12 ●色:パールシャイニングブラック パールグリッターリングブルー パールネビュラレッド ●価格:44万円

【ライディングポジション】「大柄」と言うと大げさだが、コンパクトでかわいいルックスからは想像できないぐらいゆとりがあるポジション。タンク位置が低いので、一般的な男性だとニーグリップしにくいかも。

スムーズな加速&減速でより長く、より遠くへ!

それはまるで、19歳の同窓会のようでした。新しいモンキー125に乗って、私が感じた印象です。

小学生の頃の友達は、みんなおてんば娘&わんぱく坊主でした。ただひたすら遊ぶことに夢中だったあの頃。ケンカしたり、壁にぶつかったりしながら、ワイワイと楽しかったな…。

同窓会で久しぶりに会ったみんなは、もう19歳。小学生の頃の面影は残っているのに、すっかり大人の落ち着きを身に付けています。

ちょっと寂しい気分でいたら、やっぱり相変わらずの幼なじみです。将来のことを語り合ったかと思えば、遊びの話で大盛り上がり。ちょっと安心しました。

…以上、新型モンキー125の妄想インプレでした。お分かりいただけますか? たぶん、誰も分からないと思います(笑)。従来型モンキーは、ひたすら楽しさを追求したバイクでした。いい意味でオモチャっぽくて、遊び心を存分に味わえるレジャー系バイクの代名詞。そう、まさに小学生時代の友達付き合いのように、ただ「楽しい!」と盛り上がれるんです。

一方の新型モンキーは、大人のテイストを醸し出しています。ルックスは今まで通りファンでかわいくてオシャレなままですが、走りはかなり上質。まさに同窓会で久々に会った友達に「ちょっと、なにそんなにオトナになっちゃってるのよ~」と言いたくなるような感じです。

具体的な走りの違いは、主に加速フィールですね。エンジンのボア×ストロークが変わり、トランスミッションが4速から5速に変わっていますから、それも当たり前です。

従来型は、ひと言で表すと「イキがいい」。発進と同時にバッと力強く加速し、グーンと引っ張られるようなフィーリングです。一方の新型は、スムーズ。スーッと滑らかに加速しながら、しっかりと車速が乗っていきます。

このあたりの感覚を小学生と19歳の違い、と表現したわけですが、少しずつご理解いただけていますでしょうか?(笑)

これ、どっちがイイというものではありません。強いて言うなら「どっちもイイ」。きっと皆さんにも共感していただけると思いますが、ひたすらやんちゃに遊び回った小学生時代も、大人の階段を昇り始めた19歳も、どっちもイイものですよね? それとまったく同じです。

エンジンの仕様変更を受け、トランスミッションが5速化された新型モンキーは、すごく街乗りしやすくなりました。最近のホンダ車は、マイナーチェンジでもかなり乗り味が変わるんですよね~。スゴイと思います。

特に、ギヤの5速化はかなり大きく走りに影響しています。先にも書いたように加速フィールがスムーズで、クルマの流れに乗りやすくなりました。

加速時のギヤ選択の幅も広がりました。低いギヤでも引っ張ってもいいし、早めに高いギヤにシフトアップして滑らかに加速してもいいい。交通の状況に応じて選べるのは、安心につながります。

そして自分がすごく気に入ったのは、今まで以上にシフトダウンが使えるようになったこと。

街乗りをしていると、ブレーキをかけるまでもなく、シフトダウンによるエンジンブレーキで減速すれば事足りるシーンって、よくありますよね。例えば、ゆるい下り坂のゆるいコーナーとか…。

そういった時にギヤをひとつ落とすだけで思い通りに減速できるのが、かなり気持ちいい! 車体姿勢も安定しており、本当に上質です。「小排気量のレジャーバイクに乗っている」というよりは、しっかりとしたバイクらしいバイクに乗っている感じ。乗り物としての質感は間違いなくアップしています。

ここは正直、違和感がありました。新型モンキーに乗り始めてしばらくの間は、つかみどころを失ったというか、「あれ? 自分が今乗ってるのはモンキーだよね?」と何度か確認することがありました。

これが最初に言った”19歳の同窓会感覚”ですね。子供じゃなくなって、でも完全に大人ってわけでもない、という感覚。より具体的に分かっていただけましたでしょうか?(笑)

ひとつ言えるのは、新型になって「走ろう」「行ってみよう」と思う時間や距離は、確実に伸びましたね。

19歳って、小学生の時より確実に行動範囲が広がると思うんですが、それとまったく同じ。快適に走れるから、長く乗り続けようと思えます。

乗り物としてキッチリと進化していることは確認できましたが、やっぱりモンキーはモンキー。「気軽で、かわいくて、楽しくて」というモンキーらしさは少しも変わっていません。

スマートに加速してくれるし、シフトダウンでの減速もスムーズ。ちっちゃいバイクですが無理がないので、長く乗るほど楽しさが味わえます。下道でちょっと遠出したくなりますね。

SHIZUKAの評価

①スタイリング:50ccから125ccになっても、走りの質感がグッと高まっても、モンキーだけが醸し出すかわいらしさはそのまま。
②スポーツ性:シフトダウンでリヤがほどよく引っ張られ、軽~くフロントブレーキを当てながらのコーナー進入が気持ちいい!
③ツーリング:高速道路に乗れないので超ロングは厳しいけど、行動範囲が広がったのは確かです。近場だけじゃもったいない!
④街乗り:ちっちゃくて軽いという強みに加えて、スピードコントロールがしやすくなって、街乗りはさらに快適になりました。
⑤コストパフォーマンス:従来型のABS装備モデルと比べる(新型はABS標準装備)と、お値段据え置き! これはかなりのお買い得~。

【SHIZU’sお気に入りポイント】倒立フロントフォークを全身で表現してみました! 見た目に高級感がありますし、ライディングについてちゃんと考えられている感じがしますよね。走り好きなら見逃せないこだわりのポイントです。

 

※本記事は“ヤングマシン”から寄稿されたものであり、著作上の権利および文責は寄稿元に属します。なお、掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な記載がないかぎり、価格情報は消費税込です。

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