世界的な激戦区である125ccクラスに対し、ホンダが’18年に投入したのが新世代CBシリーズの末弟=CB125Rだ。’21モデルは、海外勢に対してほぼ唯一のディスアドバンテージだったエンジンがDOHC4バルブとなり、合わせてフロントフォークもショーワ製SFF-BPへと進化した!

●文:ヤングマシン編集部(大屋雄一) ●写真:冨樫秀明 ●外部リンク:ホンダ

外観の変化は色程度だが、中身は明らかに進化した

最高出力は、旧型の13psからEU圏内A1ライセンスの上限である15psへ。その発生回転数1万rpmは新旧とも共通なので、DOHC4バルブに進化したとはいえ極端に高回転型になったわけではない。実際、1速での発進加速の印象はSOHC2バルブ時代とほぼ同じ…、いや、何かが違うぞと思ってギヤ比を計算したら、1速での回転数が先代の9500rpmに対して新型は8500rpmと、ややハイギアードになっていた。それでいて加速感がほぼ同じなのだから、これは最大トルクが従来の10Nmから12Nmへ増えたことの恩恵と言えるだろう。

【’21 HONDA CB125R】■全長2040 全幅820 全高1055 軸距1345 シート高815(各mm) 車重130kg(装備) ■水冷4ストローク単気筒DOHC4バルブ 124cc 15ps/10000rpm 1.2kg-m/8000rpm 変速機6段 燃料タンク容量10L ■タイヤサイズF=110/70R17 R=150/60R17 ●価格:黒 赤 灰 ●色:47万3000円

【先鋭的なスタイリングは継続】高張力鋼管と鋼板で構成されたフレーム/スイングアーム/分離加圧式のリヤショック/IMU付きのABSなどは先代から継続。フロントフェンダーがタンクカバーと同色となった代わりにテールカウルは黒へ。フォークのアウターとホイールは黒からブラウン系へ。

本領を発揮するのは7000rpmから上で、その付近を境にパワーが明確に盛り上がる。合わせて右手の動きに対する反応もシャープになり、この刺激的な印象は海外のDOHC4バルブ勢と比肩するほどだ。一方、それ以下の回転域は、特に峠道の上りでは同じ125ccのグロムに後れを取るほどだが、ギヤを頻繁に変えつつ高回転域をキープするという、小排気量ならではの楽しさは圧倒的に上回る。

ハンドリングも良くなった。コントロールをライダーに委ねるという基本的な特性はそのままに、フォークの追従性が向上したことでコーナー進入時の安心感が増し、自信を持って倒し込めるようになった。その上で、高い旋回力や旋回中のラインの自由度といった長所をしっかりと継承している。

車重は3kgアップしたが、それを感じるシーンはほぼ皆無。外観は各部の塗色が変わった程度だが、中身はかなり進化していることを確認できた。

【ライディングポジション】左右くるぶし間のスリムさと腰高感が際立つライディングポジション。上半身を軽く前傾させてフロント荷重を稼ぐタイプだ。815mmのシート高は先代と共通で、両カカトがわずかに浮く。[身長175cm/体重64kg]

【SOHCからDOHCに進化。2psアップを達成】KTMやイタリアのSWMらと共通だったボア×ストローク値φ58×47.2mmから、φ57.3×48.4mmへと変更。動弁系はSOHC2バルブから、ローラーロッカーアームを介したDOHC4バルブへ。1次/2次減速比や6段ミッションの変速比も見直された。

KTM125デュークのφ43mmに次ぐφ41mmの倒立式フォークは、クラス初のショーワ製SFF-BPを新採用。なお、前後とも調整機構はなし。

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