KTMは、いわゆる中免(普通二輪免許)ライダーがフルに楽しめるスーパースポーツモデル、RC390をフルモデルチェンジし、2022年モデルとして発表した。フレームを新設計とし、エンジンはユーロ5に適合。足まわりの強化と軽量化も両立している。刷新されたボディワークは空力優先のモトGPスタイルだ。
●文:ヤングマシン編集部(ヨ)
43.5psの軽量シングルスポーツ!
KTMは、普通二輪免許で乗れる単気筒スーパースポーツモデル「RC390」をフルモデルチェンジし、2022年モデルとして発表した。基本構成は2021年モデルとして登場した新型デューク390に準じている。また、本国では同時にRC125/RC200も発表されているが、日本の公式サイトに掲載されているのは今のところRC390のみだ。
その内容はまさしくフルモデルチェンジ。373ccの単気筒エンジンは新しいライドバイワイヤーシステムを採用し、エアボックスの変更や新しいマッピングの採用でトルクを増強(3.57→3.77kg-m)。トラクションコントロールを備え、オプションでは上下対応のクイックシフターも。もちろんユーロ5排出ガス規制に適合する。
エキゾーストシステムも刷新され、モトGPマシン・RC16からインスパイアされたというデザインは円筒形に。テールパイプにはモトGPスタイルの金属メッシュを奢る。ヘッダーはステンレス製で、サイレンサーはアルミ製だ。また、軽量な車体とトルクフルな単気筒エンジンで問題になりがちなバックトルクに対しては、アシスト&スリッパー機能を持ったアンチホッピングクラッチで対応している。
フレームは前モデルから1.5kgの軽量化を達成。スチール製トレリス(格子状)フレームとボルトオンサブフレームに分割(従来は一体型)し、さらに前後で3.4kg(!!)もの軽量化を果たした新作ホイールを組み合わせた。サスペンションはWP製で、フロントにはボトムエンドを軽量化したφ43mm倒立フロントフォークはを採用。伸び/圧ダンピングの調整も可能だ。リヤショックは伸び側減衰力とプリロード調整が可能なスプリットピストンのWP APEXを装備する。▲1.5kgの軽量化を達成したスチール製トレリスフレーム。サブフレームはボルトオンの分割式になった。鋳造スイングアームは今も新鮮だ。
▲3.4kgというバネ下としては極めて大幅な軽量化を達成した前後ホイール。公式発表にデータはないが、タイヤは従来型と同サイズのようだ。
ブレーキはブレンボ系のバイブレ(BYBRE)社製で、コーナリングABSはスーパーモトスタイルの進入スライドも可能な“スーパーモトABSモード”も備えている。また、フロントディスクはインナーディスクを省略した新設計により、重量は960g軽量化された。▲フロントディスクブレーキはインナーディスクを省略し、960gの軽量化を達成。ラジアルマウントキャリパーとともにバイブレ製だ。
▲φ43mmWP APEXオープンカートリッジ式の倒立フロントフォークを採用。リバウンドとコンプレッションの減衰力を調整可能。
スタイリングも全面刷新。従来よりも厚みを増したフロントフェイスにはDRL(デイタイムランニングライト)と一体化したLEDヘッドライトと、アッパーカウルに組み込まれた新型ウインカーを採用。エアロダイナミクスを向上したボディワークや折り畳み可能な幅広ミラー、大きくなった燃料タンク(9.5→13.7L)に加え、10mmの高さ調整が可能なクリップオンハンドルバー、幅広シートなども新作だ。また、左右ペダルとも可倒式で破損しにくい構造になっているのが嬉しい。
メーターは一新されたTFT多機能パネルを採用し、スマートフォンと接続することで“KTM MY RIDE”アプリも利用可能だ。
日本における発売時期や価格は未発表だが、間もなく海外でメディア向け試乗会が開催される。情報が入り次第、お伝えしたい。
KTM RC390[2022 model]
主要諸元■全長/全幅/全高/軸距=未発表 シート高824mm 車重155kg(乾)■水冷4ストローク単気筒DOHC4バルブ 373cc 43.5ps 3.77kg-m 変速機6段 燃料タンク容量13.7L■ブレーキF=φ320mディスク+4ポットキャリパー R=φ230mmディスク+2ポットキャリパー タイヤサイズ未発表 ●価格&発売日:未発表
KTM RC390[2022 model]BLUE
KTM RC390[2022 model]ORANGE
▲一新されたシートは厚みを増し、より快適で滑りにくく、あらゆる天候条件でグリップを改善した▲TFTパネルの新作メーターは表示内容をカスタマイズ可能。環境光適応センサーで自動的に調光される。 ▲エキゾーストシステムも新作で、ヘッダはステンレス製、サイレンサーはアルミ製。モトGPスタイルのメッシュを純正採用している! ▲9.5→13.7Lへと大容量化された燃料タンク。肉厚シートや高さを10mm調整できるハンドルバーなど、ツーリング性能も高めている。
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