購入したバイクのキーを店頭で正式に渡され、ドキドキしながらエンジンを掛け、いざ公道へ乗り込んでいくときの高揚感は人生においてもトップクラスの感激体験! これまでマニュアル車の基準がホンダXR100モタードだった妻は、最初の信号待ちで目をうるませながら「すごいすごい!」と感嘆しきり。良き相棒に巡り会えたようです……。
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納車時、浮かれ気分が過ぎてしまった人々のドラマ
冗談は抜きで、このページを読んでらっしゃるアナタも将来、念願の愛車を納車されたときはくれぐれもご安全に……。
30年近いバイク雑誌編集部員時代、相棒との心ウキウキ初航海で大後悔という事例を何度耳にしたことでしょう。例えば……、
①走り出そうとして店員さんの目の前で立ちゴケ
②タイヤも新品であることを忘れて車道に出たとたんスリップダウン
③操作ミスでウイリーをぶちかまし、ミニバン側面へ魚雷のように激突
④「うぉ~、凄いパワーだ。加速もハンパねぇっ!」と右手をさらにひねった瞬間、そこで速度取り締まり(免許一発取り消し)
⑤納車後ショップから峠へ直行し、転倒・全損・本人も大ケガ
……などなど。浮かれ浮かれて舞い上がっていると、エテシテ笑えない事態に陥りますのでとにもかくにもご注意を。
納車時には車体各部のアジャストをぜひ……!
かくいう事態を避けるためにも、ぜひ納車時にはショップの店員さん立ち会いのもと、バックミラーやレバーやペダルといった操作系の微調整をしてもらうようにしましょう。
アナタが労働の対価を支払って手に入れたアナタだけの愛車です。バイクに自分を合わせるのではなく、自分にバイクを合わせるのです。
左右のレバーが取り付けられている角度をほんの少し変えるだけで、ブレーキペダルとシフトペダルの位置を数ミリ単位で上か下へずらすだけで、操縦しやすさは驚くほどに変わるもの。
いまいち自分のベストポジションが分からなければ、豊富なノウハウを持つ店員さんのアドバイスを素直に聞きましょう。
最初が肝心です。自分に全然合っていないレバー&ペダルの位置でも人間、なんとなく慣れていってしまいがち。
一度ヘンなクセが付いてしまうと、その後のライテク上達にも悪影響を及ぼしますよ!
正しいライポジは楽しいバイクライフの第一歩
妻のジクサー250も、レッドバロン都筑スタッフの熱心なアドバイスと各部調整により、立派な“オーダーメイド”化を果たしました。
来店時、傍目からも舞い上がっていたことが伝わってきた妻も自分の体にバイクをアジャストする興味深い作業に没頭したことで肩の力が抜けたらしく、お店を発進するやスムーズに車道へ合流し、無事に自宅まで相棒を運ぶことができたのです。
とはいえやはり、隣で走っているとおっかなびっくりな操作が散見できましたので、こりゃぁ落ち着いたころに那須MSLライディングスクールでも体験してもらわないとなぁ……と、今後の育成計画(?)も頭に浮かんできた筆者でありました。
ある日突然発生したギヤポジション表示の異常
それまでスクーターで通っていた場所へも勇躍ジクサー250で行くようになった妻。
日々「とにかく加速がすご~い」、「シフトチェンジがうまくなってきたよ!」などニコニコ笑いながら報告してくれる姿に癒やされておりましたら、2021年12月13日に突然LINEで「メーター表示がおかしい」との連絡が……。
翌々日、ようやくタイミングが合ったので妻からジクサー250を受け取り確認してみると、確かに液晶部左側にあるギヤポジションインジケーターの「N(ニュートラル)」と「2」の表示が出ていません。
さらに液晶部ではないところに用意されているニュートラルインジケーター(「N」が緑色に輝く)が光っているのにギヤは2速に入ったままという症状まで……明らかにおかしい。不具合の発生です。
走る、曲がる、止まるという機能に異常はないが
正直、ギヤポジション&ニュートラルインジケーターの表示が少々おかしくなっているだけなので、もともとそれらに頼っていないベテランなら全く問題なく走れるのですけれど、現時点の妻にそれを求めるのは酷な話。
移動はしばらくスクーターに戻ってもらうことにして、修理の手配を妻から依頼された筆者はさっそく連絡をすることに。
というわけで12月16日にレッドバロン都筑へ電話をすると「メーター不具合の件、承知いたしました、こちらでも確認してみます」とのこと。
15分も経たないうちに折り返しがあり「原因と思われるパーツ(ギヤポジションセンサー)をすでにメーカーへ発注いたしました。そちらが届くのは……そうですね、23日以降なら大丈夫なのですが、そのあたりで小川様のご都合のいい日はございますか?」とのこと。
「一度現状をお店で確認してもらい、原因を判明したあと交換すべきパーツの手配をお願いして、届いたその部品を交換したらようやく完治なんだよなぁ……」と2~3回は店舗へ行く手間が発生し、なおかつ不具合のまま年越しもありうることを覚悟していた筆者は思わず「ポカ~ン」です。対応が速い、速すぎる……(喜)!
レッドバロンの“スケールメリット”を感じた
日本全国津々浦々に300を超える直営店ネットワークを持ち、年間販売台数も11万台。そんなレッドバロンがこれまで取り扱ってきたバイクは累計でいったい何百万台になることか。
それら膨大な数の車両を修理や整備をしてきた内容はすべて本部にフィードバックされ、全店が共有可能なデータとして記録されているそうです。
だからこそ個々の不具合に対して的確な“予測”が立ち、迅速な対応ができるのでしょう。
万が一、その予測が見当違いだったとしても「なぜ間違えたのか」すらフィードバックされ、使われなかったパーツは貴重なストック品となりますので全くもってムダがないのです。
はたして、筆者の都合がついた12月25日クリスマスの日。
不具合が発生してから初めての来店、そして1時間ほど車両を預けただけで修理は完璧に終了。保証期間内ですので、もちろん無償です。
完調車両を持ち帰ると妻も大喜び。不具合発生は残念でしたが素晴らしいアフターフォローを体験でき、かえってニヤニヤが止まらない状況に……。いい体験ができました。